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米大手製薬会社、4社がブロックチェーン業界に参入|医療業界で導入進む背景とは

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

米大手製薬会社がブロックチェーン導入
米大手製薬メーカー4社が医療関係にも注力するブロックチェーン・プロジェクト「MediLedger Project Contract and Chargebacks」に参入したことを、ネットワーク・プロトコルの開発に成功していたことが明らかとなった。主にサプライチェーン管理に利用される見通しだ。

米大手製薬会社がブロックチェーン導入

米大手製薬会社4社「ファイザー社、マクケッソン・コーポレーション、アメリソース・バーゲン、プレミア社」は、医療関係にも注力するブロックチェーン・プロジェクト「MediLedger Project Contract and Chargebacks」に参入したことをプレスリリースにて公表した。

これら4社は、米国の製薬業界で多発する問題を解決するために、共同でブロックチェーン・ネットワークの構築を行っているが、その問題として、政府や民間保険企業などが関わる決済処理において、不渡手形などが発生する事例などを挙げた。

上述した企業が参加するネットワークはMediLedgerと呼ばれ、米サンフランシスコに拠点を置くブロックチェーン企業 Chronicled社と共同で開発が進められている。また同プロジェクトでは、医薬品の生産から配給までを追跡することを目的としている。

Chronicled社は、企業がデータ共有できるネットワークを提供し、コストの削減や業務の処理作業の円滑化を進めることで、サプライチェーン分野の革新を試みる企業だ。

なおChronicled社によれば、ネットワークプロトコルの立ち上げに関して、既に米国の医薬品サプライチェーン安全保障法に準拠しているとし、規制・コンプライアンス面の壁は乗り越えたとしている。

Chronicled社のCTO Maurizio Greco氏は、今回の提携について以下のように語る。

(このシステムでは)ブロックチェーン・システムの設定が可能なため、許可された者だけが製品記録をすることが可能となる。

シンプルな実例ではあるが、革新的なことだ。

ブロックチェーン導入の背景とは

このように大手製薬メーカーが、一挙に大きく舵を切る背景には、数年前から大きな話題となったオピオイド問題が起因となっていることが考えられるだろう。

オピオイドとは麻薬性鎮痛薬のことで、当初は常習性がないとして米国内で広く普及していたが、次第にオピオイドに常習性があったことが発覚。オピオイドに関連した薬物死亡者数が、薬物乱用による死亡者数の全体の60%を超えている。

そうした事態を受け、トランプ大統領は「公衆衛生上の非常事態」を宣言。米議会も製薬メーカーに対し、2023年までに医薬品の流通経路を明確化するように求めていた。これが動機となり、それら4社が本格的な改革に乗り出した格好だ。

医療業界で高まる期待

医療分野でのブロックチェーン技術の導入は、大きく期待される分野の一つとなっている。

例えば、現在は、小中高大あるいは職場などで行われる検診や人間ドックでの診断結果の情報がバラバラに管理されている。そのため、疾患が実際に発見された際に、それら情報を活用することが非常に困難となっている。

そこで仮にブロックチェーン技術が導入され、複数の医療機関でそれら情報の共有が可能となれば、診断結果を大きく役立たせることができるだろう。

その他にも、前述した医薬品サプライチェーンや治験データの認証、災害時の医療データのバックアップ等、様々な応用が考えられている。

また従来、医療情報へのアクセス制御・許可を適切に行うためには、公正な第三者機関による管理・検証が必要とされているが、中央集権的管理が省かれるブロックチェーン技術を導入することで、人的・金銭的コストが削減されると見込まれる。それだけでなく、医療側は統合された完全な形の患者情報にアクセスすることが可能となるため、医療事故の削減も期待されている。

上述した点を考慮すると、導入コストよりも、同技術導入により削減されるコストの方が大きいとの見立ても立つ。

こうした流れを組むと、今回の米製薬会社の事例は、ブロックチェーン業界・医療業界にとって大きなターニングポイントとなりうる。そうした観点からも、今後の動向には要注目だ。

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