- JPモルガン、Quorum利用拡大に向け前進
- JPモルガンが提供する企業向けブロックチェーン・プラットフォーム「Quorum」のさらなる普及に向け、先日提携したマイクロソフトの支援のもとで、大型アップデートがされていたことが明らかになった。
JPモルガン、Quorum利用拡大に向け前進
JPモルガンが提供する企業向けのブロックチェーン・プラットフォーム「Quorum」のさらなる普及に向け、先日提携を締結したマイクロソフトの支援のもとで、大型アップデートがされていたことが明らかになったと、コインデスクが報じている。
現在、Quorumの開発チームは米国をはじめ、ロンドン、シンガポールへと拡大しており、同ブロックチェーン・システムのアップデートに注力しているとのことだ。JPモルガンのQuorum・仮想通貨戦略部門の責任者 Oli Harris氏によれば、特にQuorumのプライバシー部分(Tessera)で改善が行われていると話し、例えば、同ブロックチェーンのプライバシー部分はプログラミング言語 Haskellで書かれていたが、それをJavaシステムに置き換えることで、よりビジネスでの利用を容易にしたとしている。
JPモルガンとマイクロソフトは今月2日に、ブロックチェーン技術の企業に向けた普及促進を目的とした、新たな戦略的パートナーシップを発表しているが、これも、Quorumのさらなるビジネス展開に向けた動きの一環となっている。この提携により、マイクロソフトが提供するAzure Blockchain Serviceを通じて、Quorumの利用が可能となるため、企業用ブロックチェーンの活用事例が大幅に促進される可能性が見込まれているからだ。
プレスリリースによると、JPモルガンの広報担当者は、「マイクロソフトはQuorumを優先することで、Azure上に構築されたブロックチェーンアプリケーションの普及を目指している。」と述べているほか、JPモルガンは、自社サービス用の独自アプリケーションも構築する予定であるという。
パートナーシップ契約を受け、JPモルガンとマイクロソフトは、企業、独立系ソフトウェアベンダーおよび開発者の、クラウド上のQuorumでのブロックチェーンアプリケーションの構築に繋がるニーズに対処するために協力していくほか、マイクロソフト側もQuorumのエンジニアリング、コンサルティング、市場投入のサポートなど、内部支援を行なっていく。
また、マイクロソフトのビジネス開発部長のPeggy Johnson氏は当パートナシップについて、このように語った。
デジタル変革は個々の組織の壁を超えて拡大するため、企業はビジネスプロセスとデータの安全な共有を可能にするソリューションを必要としている。 (JPモルガンと)共に、私たちはQuorumのような、真に革新的なテクノロジーを採用し、それをAzureプラットフォームを通して利用可能にして、お客様のイノベーションを加速させる。
Harris氏も、「(マイクロソフトとの提携は)Quorumの事業独立への追い風になると考えている。」と話し、また同氏はQuorumについても、以下のように言及した。
Quorumは、JPモルガンにより開発されているオープンソフトで、Github上で誰でも利用可能だ。
そのユーザーが増えれば、全員に利益が享受される。なぜなら、規格化や技術の向上が進むからだ。
さらなるビジネスシーンでの利用拡大に向けて、同行はQuorumの改善に邁進している格好だ。