- bitFlyerの決算広告が開示される
- 国内最大手の仮想通貨取引所bitFlyerの決算が開示された。2018年の長期下落トレンドでもビットコインFX人気を背景に好業績を叩き出しており、国内では独り勝ち状態だった可能性がある。
bitFlyerの決算内容
営業収益:140億8,500万円
営業利益:53億3,500万円
経常利益:48億9,400万円
当期純利益:21億4,600万円
となっている。
同社は非上場企業であるが、東証マザーズ銘柄など新興株式市場を参考に、成長性を加味して仮にPER(株価収益率)15〜30倍で計算した場合、推定時価総額はおよそ320〜640億円に相当する。
もし2019年以降に2017年のような上昇トレンドが本格再開した場合、国内でもメルカリで話題になった時価総額1,000億円を超える”ユニコーン企業”となってもおかしくはない水準だ。
上場企業マネーフォワードが運営する「くらしの経済メディア MONEY PLUS」で、いちよし証券の調査によれば、昨年8月時点の予想PERでは、東証1部市場が14.4倍、JASDAQが13.4倍、東証マザーズ市場が65.4倍となっている。
新興市場のIT企業や、ガンホーやミクシィなどが台頭した2012〜14年頃のゲームセクターなど、ピーク時の人気セクターであれば、PER50倍超えも別段珍しい話ではない。
なお、最盛期(2018年3月期)のコインチェックの年間売上高は、前期比(概算)63.9倍の626億円。営業利益は前期比(概算)74.7倍の537億円と、桁違いの規模にまで膨らんでいたことが、2018年4月26日のマネックス決算発表時に開示されている。
bitFlyerは非上場企業であるが、5月9日に発表された、東証一部上場企業GMOインターネット(GMOコイン運営)の2019年12月期 第1四半期の「仮想通貨事業」における営業損益は2.2億円の赤字だった。ビットコイン価格が低迷した2018年通期損益でも、仮想通貨事業に関しては年間通して苦戦を強いられている(下図)。
同じく、東証一部上場企業のリミックスポイント(BITPoint運営)も決算発表を15日に控えているが、ここ最近の決算でやはり苦境に立たされており、BTCFX取引量に起因するbitFlyerの独り勝ち状態を示唆していると言えそうだ。
国内取引所の月間出来高
Bitcoin日本語情報サイトのデータによれば、国内取引所の月間出来高は、BTCが50万円台を回復した今年4月より急上昇している。
今年3月時点で4.8兆円だった出来高は、翌4月には9兆円とほぼ倍増しており、中旬時点で1BTC=90万円近くまで急騰している5月は、さらに急増しているものと思われる。
なお、ピーク時の出来高は、BTCが一時200万円を上回った2017年12月の13.5兆円だ。2018年初頭にピークアウトして同年末までに80%以上の歴史的下落を記録した仮想通貨市場の全体時価総額を含め、これを再び上回るかどうかは一つの指標となるだろう。
マネックスグループの松本CEOは2018年4月、コインチェック買収時の合同記者会見における質疑応答の場で、以下のような見解を示していた。
仮想通貨全体の時価総額が、一時50兆円にまで成長するほどの市場は無視できない規模感だ。
1兆円未満であればそのまま消えていく可能性もあるが、この規模にまで成長したのであれば、これからも拡大する新しい資産クラスだと思われる。