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米株投資でリーマンショック以来最大のリスクヘッジ率、ビットコイン需要急拡大の背景に注目

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

株のリスクヘッジでビットコイン需要急拡大か
急落する国際株式市場と、急騰する仮想通貨市場の関係性に高い関心が集まっている。新債権王が「BTC市場と株高」に独自の見解を示したほか、全米で放映中のCMの影響も相場を後押しした。

株のリスクヘッジでビットコイン需要急拡大か

日本経済新聞の報道によれば、新債権王の異名をとる著名投資家、ジェフリー・ガンドラック氏が「ビットコインと株高」について独自の考察を述べた。

同氏は、多くの著名投資家がビットコインへの懐疑的な姿勢を一貫する中、仮想通貨市場が低迷していた今年1月時点で5,000ドル超えを予想していた、数少ない著名投資家だ。

機関投資家の参入障壁もあり、自身が運用する運用資産1300億ドル(約14兆円)の「ダブルライン・キャピタル」こそビットコイン投資は行なっていないとするが、昨年11月に実施された日経新聞のインタビューでは、以下のような見解を示していた。

ビットコイン価格は、株式市場の投機的ムードを測る上で、非常に有効な先行指標だ。

曰く、「ビットコイン価格とS&P500種株価指数」には相関性も確認されており、、過去相場で米ハイテク株を中心に急騰急落に連動したほか、米連邦準備理事会(FRB)のハト派転換を受けた”投機熱”の加速も背景にあるという。

半導体銘柄を含む米ハイテク株には、エヌビディア(NVIDIA)などの最大手マイニング関連企業も含まれており、2018年末にかけての採掘需要大幅減に関連し、米アナリストリポートでもセクター判断を「インライン(標準的)」から「コーシャス(慎重)」に引き下げていたことから、その影響面は看過できない。

伝統金融マーケットからの資金移動

仮想通貨市場への資金流入を示唆する興味深いデータとして、米バンクオブアメリカ・メリルリンチの調査によれば、米中貿易摩擦や英EU離脱問題など先行き不透明感の高まりを受け、回答者の34%が今後の株価急落に備えてリスクヘッジを行なっていることが判明した。これは、2008年に発生したリーマン・ショック以来、最大の数値となるという。

リスクヘッジとは、保有金融資産のポートフォリオを縮小、あるいは異なる業種への分散投資を進めることで、株価の急落局面に伴う「総資産額の大幅ドローダウン」リスクを最小限に抑える投資手法のことを指す。

ヘッジの対象手段としては、安全資産とされる金(ゴールド)や避難通貨の日本円、日経平均ダブルインバース・インデックス連動型上場投信<1357>などが代表的であるが、直近の相場環境においては、デジタル・ゴールド要素のある仮想通貨ビットコインもこれに含まれるものと思われる。

元来ビットコインは、2008年の世界金融危機を経て誕生し、2013年のキプロス危機では「避難通貨(デジタル・ゴールド)」として高騰した経緯がある。先日、仮想通貨取引所TAOTAO創業者である尹煕元氏が、仮想通貨税制を変える会のゲスト講演で言及したように、仮想通貨(暗号資産)はこれまでの「財産の交換手段であるお金の在り方」を問うテーゼであり、各国の政府や銀行など中央集権へのアンチテーゼでもあるからだ。

フォロワー40,000人を超え、米株を中心にトレードする「T.Kamada(@Kamada3)」氏も、株の投資家がビットコインに避難していることを示唆するデータとして、米大手仮想通貨投資企業Grayscaleの「ビットコイン投資信託」の高騰と出来高が8倍まで急上昇したことを挙げている。

同社が開示した2019第1四半期レポートでは、1Qにおける仮想通貨投資商品への資金流入は、前期比42%増。2018年4Qの3,000万ドルから2019年1Qの4,270万ドル(約46億円)へと大幅に上昇した。

米国で高まるCM効果

またGrayscaleは、ビットコインのコマーシャルを展開。「Drop Gold」(金をやめよう)と題されたキャンペーンのストーリーは、ニューヨーク州マンハッタンを中心に全米で放映されている。

なぜ人々は、未だゴールドに投資するのか?

デジタル世界の中で、(持ち運びに不便な)ゴールドをポートフォリオにすべきではない。

ビットコインのような仮想通貨には、未来がある。

長期化する米中貿易戦争の悪影響などを踏まえた、世界的な景気後退(リセッション)リスクが取り沙汰される中、避難資産を想起する「デジタル・ゴールド」の側面に注目するCM放映も、投資家のビットコイン買いを後押ししているものと考えられる。直近の米トランプ政権の関税引き上げの影響による世界同時株安では、ビットコインが急騰するなど逆相関を示した。

coinlibのマネーフローを確認すると、ステーブルコインUSDTのほか、仮想通貨投資家の多い日本からの資金流入以上に、米中貿易戦争の当事者である米ドルや中国元からビットコインへの流入が増加傾向にあることが確認できる。

出典:coinlib 拡大可

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