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「160万円」で仮想通貨をCoinMarketCapへ掲載させる水増しサービスとは

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

「160万円」でCMCへ掲載させるサービス
仮想通貨取引高の水増しサービスを提供するGotbit社、これを利用するプロジェクトにはCoinMarketCapへの掲載という目的があった。そして、水増しされた仮想通貨の未来について創業者が語る。
ウォッシュトレードとは
仮装売買のことで、売買の意思がないにも関わらず取引を行うことで、売買が繁盛に行われていると他の投資家に誤解させ、取引を誘引することを目的としている。これは、株式などの投資取引においては日本の金商法に違反する違法行為。

▶️CoinPost:仮想通貨用語集

「160万円」でCMCへ掲載させるサービスとは

業界を正当化しようとする仮想通貨の専門家にとって、市場操作は大きな課題だ。

ロシアのモスクワ州立大学2年生のAndryunin氏は、「Gotbit」の共同創設者である。Gotbit社は、取引量が少なく目立たない仮想通貨の取引量の水増しを専門としている。同社は、仮想通貨ベンチマークのCoinMarketCapに掲載するのに十分な取引量が得られるまで、トークン同士を交換するボットをプログラムするという。米仮想通貨メディアCoindesk はAndryunin氏に取材を行なった。

その目的はCoinMarketCapのような影響力のある市場データサイトにトークンがリストされることで、より大きなプラットフォーム及び投資家の注目を集めることができるからである。しかしこのようなビジネスが前代未聞というわけではない。

米投資企業Bitwiseは、ビットコインETFの規制当局による認可を求めている企業のひとつで、ビットコイン取引量の95%が水増しされたもので、全世界の取引所の内10社のみが、取引量の水増しをせず信頼できるデータを公表していると推定している。

大手仮想通貨データ分析企業CoinGeckoのCEOであるBobby Ong氏は「Gotbit社のような企業は実際に存在しており、このようなサービスを提供している企業を見つけることは、それ程難しいことではない」と述べた。また、「これらの企業のアプローチ方法として、プロジェクトのためのマーケット・メイキングができると主張して手数料で取引量を水増しする。これをウォッシュ・トレードと言い違法である」と指摘した。

Ong氏は、ウォッシュ・トレードを外部から検出することは可能であると指摘しており「取引履歴や取引所の注文板を見ることで、パターンに気付き、何らかの怪しいことが発生しているとわかる。例えば、Bid–ask spreadの範囲外で取引が行われている場合、あるいはBid–ask spreadの範囲内で継続的に取引が行われている場合など、これらはウォッシュ・トレードが実際に行われている明確な例である。また、取引間隔と取引規模を調査して、共通の反復パターンを検出することでウォッシュ・トレードを見つけることもできる。」と述べている。

CoinMarketCapへの掲載が目的|掲載の条件

2018年、Gotbit社の創業当時はICO(Initial coin offering)ブームの最中だった。取引ボットをコード化することで「market-making」というサービスの販売を開始した。サービスの料金設定は、小規模取引所への上場費用は8,000ドル(約86万円)、取引高の水増しによるサポートは月額6,000ドル(約64万円)といった内容である。

そしてCoinMarketCapへの掲載となると、15,000ドル(約160万円)と高額になる。それを実現するには、まずプロジェクトを2つの小さな取引所に上場させる必要があるという。

誰にも知られていないような仮想通貨がビットコインよりもはるかに活発に取引されることがある。はっきり言えるのは、このような仮想通貨は、人工的な取引量の水増しがなければ継続的な運営はできないとAndryunin氏は考えている。

米アラメダ・リサーチ社は、最近の報告書の中で、世界中の仮想通貨取引所の内48社の注文と取引履歴を分析した結果、そのうち14社の仮想通貨取引所では、実際の取引量がゼロになる可能性があることを発見した。

Gotbit社によってトークンが2つの取引所に上場した後、取引量の水増しによってCoinMarketCapに掲載されるチャンスがある。そのような仮想通貨は、CoinMarketCapランキングの300位〜500位のポジションにいる。

CoinMarketCapのマーケティング責任者であるCarylyne Chan氏は米仮想通貨メディアCoinDeskに対し、サイトに掲載されるには、ブロックチェーン技術の利用を含む一連の基準を満たさなければならないと語った。以下がその基準である。

  • 機能しているウェブサイトを持っていること。
  • CoinMarketCapに掲載されている2つの取引所に上場されている。
  • プロジェクトの代表者と直接コミュニケーションをとることができる。

「取引量を水増ししてシステムを欺くことは可能であるか?」という質問に対して、Chan氏は「私たちのスタンスはできるだけ多くの仮想通貨をリストし、時間の経過とともに世界マーケットをカバーすることである。私たちは情報を検閲することはしない。」と答えた。

淘汰される未来|ウォッシュ・トレードによる延命

Gotbit社の顧客は大抵ICOを行っており、プロジェクトを成功させようとしているが、Gotbit社がサポートしている30個のプロジェクトのうち、ビジネスモデルがうまく機能し、実際にプロダクトを作る段階に達しているのは、わずか2、3のプロジェクトであるとAndryunin氏は明かした。

取引量の水増しによって数ヶ月間は生きているが、水増しが終了した途端、トークンの価格が急落することもある。その時点で、トークンを購入したユーザーは現実を受け入れるようになるとAndryunin氏は冗談混じりに付け加えた。

このような事実に対して、CoinGeckoのOng氏は「プロジェクトは、主要な投資家やトークン所有者に、自分たちのプロジェクトが市場にとって必要で、物事が順調に進んでいることを示す必要があるため、こうしたマーケット・メイキング業者の利用を迫られることがある。」と語った。また、「価格が急激に下がることを望まず、最適な価格を維持したい、または時間の経過とともに価格が上昇することを望んでいるために、これを行っている企業もある」とのことだ。

このような事実の原因は取引所にあるという。

「まれなケースであるが、Gotbit社の取引量の水増しを利用した某プロジェクトは、CoinMarketCapのトップ100位に入った」とAndryuninは述べた。具体的な名前は明かさなかったが、このプロジェクトには当初から強力なチームとビジネスモデルがあったという。

このようなチームが取引量の水増しを選択する理由は何だろうか?

「彼らは大きな取引所に上場し、現金も手に入れたかった。」とAndryuninは述べた。

そして最後に「世界中で仮想市場の規制が厳しくなるにつれ、奇妙なチャートのついた「草コイン」だらけの小さな取引所は、最終的には消え去っていくだろう。だからGotbit社のマーケットメイク業務は終わりつつあり、チームは他のサービスに切り替えている。その中で最も人気があるのはIEO(Initial Exchange Offering)である」と付け加えた。

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