スイ(SUI)の価格・チャート|投資情報・リアルタイム価格チャート

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スイ(SUI)とは

スイ(SUI)は、Facebook(現Meta)が2019年に発表したLibraプロジェクト(後にDiemに改名)が規制の懸念で終了した後、元Metaのメンバーによって開発されたブロックチェーン。2023年4月にメインネットがローンチされた。

スイは、スマートコントラクト機能を持つL1プロトコルであり、Diemの技術的基盤を継承しつつ、独自の「Sui Move」言語を使用。オブジェクト中心のアーキテクチャにより、高いセキュリティと並列処理能力を実現している。

価格

  • 現在価格(2024年8月26日時点):0.971ドル(約139円)
  • 年初来高値(2024年3月):2.182ドル(約312円)
  • 年初来騰落率(YTD):+15.51%
  • 過去最高値(2024年3月):2.182ドル(約312円)

価格予測、成長予測

24年8月にグレースケールは、仮想通貨SUIとTAOの投資ファンドを販売開始。グレースケールはスイの時価総額/TVL比率が他のプロジェクトと比較して低いことに注目し、SUIの価格が市場で「過小評価されている可能性がある」と分析している。

[caption id="attachment_555486" align="alignnone" width="640"] 出典:Grayscale[/caption] スイ(SUI)2024年の価格動向と成長の鍵|投資判断のポイント

時価総額

スイ(SUI)の時価総額は2024年8月時点で約24億ドル、「スマートコントラクト」セクターの中では17位に位置する。同セクターでトップのETHの時価総額は約3240ドル、3位のソラナ(SOL)は約740億ドル。

スイと同じく元Libra(Diem)のメンバーで創設されたプロジェクトのアプトス(APT)は、同セクターで13位、時価総額約34億ドル。

主な出来事

エコシステム支援組織

Mysten Labs: Meta(旧Facebook)が発表したグローバルな決済ネットワーク構築プロジェクト「Diem(旧Libra)」の経験を基に、新しいブロックチェーンスイ開発のため2021年に設立。設立メンバーには、元Novi(Libraのウォレット開発)プロジェクトのリーダーであるEvan Chengが含まれる。

彼らはApple、Oracle、Microsoft、R3、Facebook(現Meta)などの企業での経験を活かし、ソフトウェア言語コンパイラ、静的解析、分散システム、暗号化、クラウドコンピューティングの分野での専門知識を持っている。特にEvan Chengは、LLVMの設計における功績が評価され、ACMソフトウェアシステム賞を受賞している。

Sui財団:スイコミュニティを構築し、スイ上での製品作りを資金援助・支援するために設立された無所属の財団。

トークンアロケーション

出典:Sui Foundation

ネイティブトークンであるSUIは、ネットワークセキュリティ(バリデーターとデリゲーターのステーキング)、ネットワークのガバナンス投票への参加、およびガス料金の支払いとして使用される。SUIの最大供給量は100億に設定されている。

総発行数100億SUIのうち、半分以上はSui Foundation(Sui財団)が管理するコミュニティリザーブが所有。以下のコミュニティ プログラムを通して流通される。

  • 委任プログラム、バリデーターの獲得・均等化戦略
  • 助成金プログラム、スイでの構築文書を作成する開発者支援
  • 研究開発
  • バリデータ補助金、ネットワーク初期段階におけるステーキング報酬支援
  • その他のSUIはプロジェクトの初期貢献者で分配される。アーリーコントリビューターが20%、初期投資家が14%、スイの主要な開発企業Mysten Labが10%となっている。

    2024年8月31日現在、スイのトークン総供給量の約26%が流通している。 残りのトークンは2030年にかけて徐々にロック解除される。Sui Foundation はロックされたトークンの最大の保有者であり、公開発行スケジュールに従ってロック解除される。

    出典:Sui Foundation

    Total Value Locked(TVL)

    Total Value Locked(TVL)は、DeFi(分散型金融)プラットフォームやプロトコルの価値を評価するための重要な指標の一つ。2024年8月時点、スイのTVLは、約6億5,780万ドル。プロトコル別のTVLトップ3は以下の通り。

    1. Navi(2億5,600万ドル):Naviは、SUI、USDC、USDT、wETH、wBTCを対象としたオーバー担保の貸し借りを提供し、分離プール、フラッシュ・ローン、間もなく登場するクロスチェーン貸し借りなどの機能をサポートしている。
    2. Scallop(1億2200万ドル):Scallopは、スイエコシステムの先駆的な次世代マネーマーケットであり、機関投資家レベルの品質、強化されたコンポーザビリティ、強固なセキュリティを重視している。
    3. Cetus(1億ドル):CetusはDEXのパイオニアであり、AptosやスイのようなMoveベースのエコシステムに焦点を当てた集中流動性プロトコル。 トレーダー、LP、アッパーアプリケーション、増加するDeFi人口の包括的なニーズを満たすエコシステム基盤の重要な一部として機能する。

    出資している主なVC

    • 資金調達総額:約3.6億ドル
    • 大規模な投資ラウンド:
    • ・2021年12月、シリーズAラウンドで約3600万ドルを調達

      ・2022年9月、シリーズBで20億ドル以上の評価額で3億ドルを調達

    • シリーズA
    • ・リードインベスター:a16z

      ・フォロー投資家:Redpoint、Lightspeed、Coinbase Ventures、Electric Capital、その他の投資家

    • シリーズB
    • ・リードインベスター:FTX ベンチャーズ

      ・フォロー投資家:a16z、Jump Crypto、Binance Labs、その他の投資家

    これらのラウンドはMysten Labs株式の売却に限定されており、SUIトークンは提供されていない。 現在は閉鎖されているFTX仮想通貨取引所の子会社であるFTXベンチャーズについては、Mysten Labsは2023年4月に保有していたFTXの株式を買い戻した。さらに、FTXが以前保有していたSUIトークンを購入する権利を約9,600万ドルで取り戻した。

    スイの将来性

    スイの技術基盤は、スケーラビリティ、安全なプログラミング、そしてメインストリームへの普及というブロックチェーン分野の核心的な課題に対応してる。スイの独自のオブジェクト中心のデータモデルとコンセンサスアーキテクチャにより、ネットワークの容量を無限に拡張することを可能にする。

    イーサリアム、ソラナ、アバランチなど、スマートコントラクト開発の主要な基盤レイヤーとして競う中、スイはブロックチェーンのデータモデルに異なるアプローチをとる次世代スマートコントラクトプラットフォームとして、その競争にさらに拍車をかけている。

    ロードマップ

    現時点(8月31日)で公開されている2024年後半のロードマップ

  • ランダムネスビーコン

    スマートコントラクトに対して予測不可能で偏りのないランダム性を提供する技術。悪意のあるバリデーターの存在を前提としても、公正なランダム性を維持することを目的としている。これにより、ブロックチェーン上の様々なアプリケーションの公正性とセキュリティが向上する。

  • SuiNS: .moveサービス

    .moveサービスは、人間が読みやすい名前をスイのオブジェクトIDにマッピングするオンチェーンサービス。開発者やユーザーが複雑なアドレスを覚えることなく、オブジェクトやパッケージを迅速に特定できるようになる。たとえば、「john.sui」といった人間が読みやすい名前を使って、特定のデータやオブジェクトを見つけることができる。これにより、ユーザー体験が向上し、スイのエコシステム内での開発がより効率的に進められる。

  • ネイティブブリッジ

    ネイティブブリッジであるSui Bridgeは、スイとEthereum間のクロスチェーントランザクションを支援するための信頼性の高いブリッジ技術。スイのセキュリティモデルを活用し、信頼性の高いトークンの移動と将来的な新しい資産やメッセージタイプへの対応が可能。これにより、スイが他のブロックチェーンと連携し、より広範な分散型アプリケーションの開発が促進される。

  • SuiPlay0x1

    スイの技術を統合した新しいモバイルゲームデバイスで、ユーザーはリアルタイムのブロックチェーンベースのゲーム体験を楽しむことができる。これにより、Web3ゲームの普及と新しいユーザー層の獲得が期待される。

    SuiPlay0x1は2024年8月時点でウェイティングリストへの登録が始まっており、開発チームであるプレイトロン社の発表では2025年の発売を目指している。

  • 期待される今後の動向

    今年4月に、パリで開催されたスイのBasecamp 2024では、プロジェクトがユーザーエクスペリエンスを可能な限りシームレスにすることに集中していること、さらにゲームとDeFiに焦点を当てていることが明らかにされた。2025年には携帯型ゲームデバイスがリリース予定。

    投資リスク、懸念材料

  • SUI財団とステーキング疑惑

    昨年末より韓国の金融監督院が、SUI財団によるステーキングされたトークンの売却疑惑について調査を進めているが、その進展状況は明らかではない。SUI財団はこれらの疑惑を否定し、透明性を強化するため、今後のトークンリリーススケジュールの公開を計画している。

  • 競争環境と市場の動向

    TelegramのCEOの逮捕とToncoinの価格急落が、スイにとって競争上の有利な状況を生んでいるが、Solanaの「Fire Dancer」アップグレードなど競争相手の動向にも注意が必要。Aptosの今後の発表もスイの市場シェアに影響を与える可能性があり、競争環境は依然として厳しい。

  • 集中化とトークンのロック解除

    2024年8月31日現在、スイのトークン総供給量の約26%が流通している。 残りのトークンは 2030 年にかけて徐々にロック解除される。Sui Foundation はロックされたトークンの最大の保有者であり、公開発行スケジュールに従ってロック解除される。