はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用 WebX
CoinPostで今最も読まれています

「ビットコイン底値77000ドルの可能性」ヘイズ氏分析、パウエル議長発言を受け

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

量的緩和への期待高まるか

パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長は20日のFOMC会合後の会見で、トランプ政権が進める関税政策によるインフレ影響について「一過性」との見方を示した。

この発言を受け、著名な仮想通貨投資家アーサー・ヘイズ氏は「量的引き締め(QT)は基本的に4月1日で終了する。次に本当に強気になるためには、補完的レバレッジ比率(SLR)免除か量的緩和(QE)の再開が必要だ」とのコメントを発表。ヘイズ氏は「ビットコインは77,000ドルで底を打った可能性がある」としつつも、「株式市場はパウエル議長がトランプ大統領と完全に同調する前にさらに下落する可能性があるため、投資家は柔軟性と十分な現金ポジションを維持すべき」と警告している。

関連:ビットコイン、弱気相場入りの兆候か CryptoQuantの強気スコアが低値を記録

ヘイズ氏は2月末の相場下落時に、ビットコインが最悪な場合7万ドルまで下落する可能性があると予測した。一方、長期的目線として今年末には250,000ドルまで上昇する可能性があるとも見ている。

関連:アーサー・ヘイズ独占インタビュー|ビットコイン短期75,000ドル、年末250,000ドル予測の展望は?

QCPキャピタルの見解

一方、QCPキャピタルによる分析では、「昨日のFOMC会合は市場が待ち望んでいた上昇触媒を提供し、ビットコインを85,000ドル超へと急騰させた」と指摘。その主な要因は「4月からの量的引き締めプログラム縮小というFRBの決定」であり、「市場はこれを間接的な利下げと解釈し、FRBが6月からの金融緩和を開始するとの期待を強化した」と分析している。現時点では2025年の6月、9月、12月に計3回の利下げが市場に織り込まれている状況だという。

しかしQCPは「この即時的な興奮の背後で、FRBのトーンは著しく慎重だった」と警鐘を鳴らす。FRBは経済成長予測を1.7%へと0.4%下方修正する一方、インフレ予測を2.8%へと引き上げ、スタグフレーションリスクの高まりを示唆した。加えて、FRBのドットプロット(金利見通し)は12月時点より引き締め方向へシフトし、2025年の利下げゼロを予想する当局者は増加している。

パウエル議長は20日の会見で「米金融当局が何もせずにインフレが急速に解消し、一過性のものであるならば、拘泥しないのが適切な場合もある」と発言。これを「基本ケース」としながらも、「実際のところ分からない」と慎重な姿勢も示した。米国内では、関税措置に起因するインフレ圧力により、景気悪化時の利下げが妨げられるのではないかとの懸念が存在していたが、当局者の経済予測が年内2回の利下げを示したことで、こうした不安は一部緩和された。

また、企業や消費者のセンチメント低下に関する質問に対し、パウエル議長は「信頼できるデータは経済が依然堅調であることを示している」と回答。また、ミシガン大学の調査で示された予想インフレ率の上昇についても、「長期的なインフレ期待は引き続き十分に安定している」と自信を示した。

しかし、「一過性」という表現にはリスクも伴う。新型コロナパンデミック時の物価上昇についても同様の表現が使用されたが、その後インフレが持続的であることが判明し、FRBは急速な利上げを強いられた経緯がある。

オプション市場では、先週初めにプット(売り)に偏っていたスキュー(リスク指標)がコール(買い)へと正常化しており、市場センチメントの改善を示していると、QCPは指摘する。しかし「現在の重要なテストは米国市場の再開時に訪れる。この上昇が持続するのか、それとも投資家はリスクが依然として明確に存在するという現実に目覚めるのか」と警告している。ヘイズ氏の指摘通り、量的引き締めの縮小は市場流動性の改善を意味するが、トランプ政権の貿易政策がインフレに与える影響や株式市場の動向など、不確実性は依然として高く、投資家には柔軟な対応が求められている。

関連:ビットコイン50万円下落、トランプ大統領演説で失望売り発生|仮想NISHI

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
09/22 月曜日
16:00
スイ(SUI)リキッドステーキング解説|二重収益を狙う運用方法
スイ(SUI)のリキッドステーキングは、ステーキングによる安定した報酬を得ながら、さらにDeFiで追加利回りを狙える点が大きな魅力です。 特に、スイの代表的なリキッドステーキン…
15:02
バイナンス、分散型AI L1チェーンの「0G(Zero Gravity)」上場を発表
世界最大級の暗号資産取引所バイナンスが、分散型AIレイヤー1ブロックチェーン「0G(Zero Gravity)」の上場を発表した。開発元のZero Gravity Labsは昨年時点で4000万ドルのシード調達を完了し、エコシステム全体で3億2500万ドルの資本コミットメントを確保している。
14:11
「5年以内にビットコインを量子耐性にアップグレードすべき」ソラナ共同創設者が警告
ソラナ共同創設者のアナトリー・ヤコベンコ氏は、量子コンピューターの急速な進歩がビットコインのセキュリティを大きなリスクにさらす可能性があると警告。「ビットコインを量子耐性のある署名方式に移行すべきだ」と主張した。
12:24
仮想通貨ASTERが急騰 バイナンス創業者CZ氏が支持する分散型取引所
バイナンス前CEO・CZ氏支持の分散型取引所AsterのトークンASTERが立ち上げから1,300%急騰している。時価総額3,500億円を突破しており、DEX取引高でも7位にランクインした。
12:09
メタプラネット、ビットコイン936億円分を追加購入
メタプラネットが5,419BTCを追加購入し、累計保有量は25,555BTCに到達。総取得額は3,982億円超に。世界有数のBTCトレジャリー戦略を加速。
11:58
ビットコイン横ばいで推移、個別銘柄ではCZ支持の「Aster」が高騰
暗号資産(仮想通貨)市場では、Aster(ASTER)が9月17日のトークン生成イベントから約10倍に急騰した。バイナンス創設者CZ氏の言及が急騰のきっかけとなり、分散型永久先物取引プラットフォームとして注目を集める。競合のHyperliquid(HYPE)は5.5%下落し、永久先物取引市場での覇権争いが激化している。
11:03
BNBチェーン最大のDEX・パンケーキスワップ、DeFiの裾野を広げる挑戦と日本市場への期待
PancakeSwapのHead Chefを務めるKids氏が語った。PancakeSwapがBNBチェーン最大TVLを誇る理由、4年の実績とマルチチェーン展開、トークン発行を簡単にするSpringboardの革新性について。
10:46
Threshold Labs共同創業者が語る分散型BTCブリッジの未来と日本展開戦略|独占インタビュー
Threshold LabsのSap Sarre氏が、TVL約1,050億円を達成した分散型BTCブリッジ「tBTC」の技術的優位性と日本市場戦略を語る。2020年以来セキュリティインシデントゼロの実績で日本企業のBTC活用を支援。
10:16
CZ率いるYZiラボ(旧:バイナンスラボ)、エセナへの投資拡大 USDe採用促進へ
バイナンス前CEOのCZ氏率いるファミリーオフィスのYZi Labsが仮想通貨エセナ(Ethena)への投資を拡大する。急成長のステーブルコインUSDeの採用促進やトークン化などを後押しする。
09/21 日曜日
14:00
今週の主要仮想通貨材料まとめ、XRPとDOGEの現物ETF誕生やETHの機関投資家需要拡大など
前週比で振り返る仮想通貨市場の最新動向。ビットコインやイーサリアム、XRP、ソラナなど主要銘柄の騰落率や注目材料を一挙紹介。市場トレンドと関連ニュースを詳しく解説する。
11:30
ビットコインに強い買いシグナル「三役好転」、FOMC通過で12万ドル試す展開か|bitbankアナリスト寄稿
今週のビットコイン相場はFOMC通過後に1750万円台まで反発。9ヶ月ぶりの利下げ決定と段階的緩和の可能性により安心感が広がる。ドル建てでは三役好転の完成で12万ドル(約1770万円)が視野に。bitbankアナリスト長谷川氏による週次レポート。
11:00
週刊仮想通貨ニュース|トム・リーのBTC・ETH大幅上昇予測に高い関心
今週は、アーサー・ヘイズ氏の市場見通し、ビットマイン会長のトム・リー氏による相場分析、米SECによる仮想通貨ETF上場手続きの大幅簡素化に関する記事が最も関心を集めた。
09/20 土曜日
13:35
xAI、100億ドル資金調達か イーロン・マスクは否定
CNBCがマスク氏のAI企業xAIが企業価値2000億ドルで100億ドルを調達中と報じた。マスク氏はX上で「フェイクニュース」として報道を否定している。
11:30
上場医薬品企業フローラ、分散型AI「0G」トークンのトレジャリー企業に 590億円調達 
ナスダック上場の医薬品企業フローラが仮想通貨0Gコインのトレジャリー企業となることを発表した。ZeroStackにブランド変更し590億円を資金調達する。
10:55
ゲンスラー米SEC前委員長、仮想通貨批判もビットコインは例外視か 
ゲンスラー前SEC委員長が仮想通貨について発言した。大部分のトークンはファンダメンタルズに結びつかず投機的だと改めて強調した。一方で、ビットコインは例外だとも示唆している。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧