はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用
CoinPostで今最も読まれています

欧州銀行監督機構(EBA): 仮想通貨への過度の規制に反対の意思表明

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

欧州銀行監督機構は慎重な立場
世界の主要各国で、仮想通貨に対する規制強化の提起が相次ぐ中、欧州銀行監督機構(EBA)のAndrea Enria議長は、「仮想通貨に対する過度の規制は、金融革新の流れを不当に抑制してしまう懸念がある」とし、反対の立場を表明しました。

規制か、放任か

Bitcoin.comによると、欧州銀行監督機構(EBA)の「Andrea Enria」議長は3月9日、コペンハーゲンビジネススクールにて、「仮想通貨を”従来の金融システム”に適用されるルールと同じ規制下に置くのは、本当に最善策なのか」と、疑問を呈しました。

EBAとは

欧州連合(EU)加盟各国の銀行監督当局を監督・統括する機関のこと。

金融危機発生時の対応では、「各国当局や各金融機関に対する要請、及び要求」を行えるなど、強い権限が与えられている。

▶️CoinPost:仮想通貨用語集

中央銀行の多くは、仮想通貨は制度として支援されておらず、通貨としての機能、すなわち、「価値の尺度、交換の手段、価値の保存」を満たすことはできないと主張しています。

それに対し、EBAのEnria議長は、「仮想通貨の変動性は、この見方に合致している」としながらも、「仮想通貨に規制の全範囲を適用するには、十分な根拠とはならない」と主張しました。

同議長は、技術及び金融革新に関する政策論争は、

  • 規則の枠にはまらない革新的なビジネスは禁じるという「規制し抑制」する方法
  • 活力のある金融セクターが革新技術を取り入れるためには、柔軟な余地を持たせることが必要である、との信念に基づいた「(適度な放任により)流れに任せる」方法

という、相反する二つのアプローチに焦点を合わせている、と指摘。

「どちらの規制戦略にも限界はある(前者は公開市場では効果が薄く、後者は未規制の分野でのはリスクが増大する)。

その中で最も実用的なアプローチは、企業とその顧客、金融部門、そして経済全体に関して、それぞれの多様なリスクに応じた”明確で限定的な規制要件”を取り込んでいくことである。」

との考えを述べました。

なお、当局は2014年、仮想通貨に対する包括的な規制の枠組の素案をまとめ、規制を形作るのには多くの年月と”微に入り細を穿つ”ような 戦略が必要であると述べています。

そこでは、消費者に仮想通貨のリスクを知らせると同時に、銀行と仮想通貨業者を分離する提案を行っています。

Enria議長は、危機的状況における流動性の提供や、融資という特定の機能は、厳密に銀行の業務として限定した上、「強化された規制と監督」の対象にするべきであるとする一方、支払いや電子マネーの発行といったサービス等は、本質的には銀行の基幹機能には当たらないため、他の仲介機関が提供しても良いとの考えです。

仮想通貨部門は急速に変化しており、規制や監督をするのはなかなか困難であると認めた上で、当局は継続的に規制を見直しつつ、確かな情報に基づいた「慎重な方法」を保持するべきであると述べました。

市場の一部で既存の銀行と競合するという理由で、規制適用範囲を過度に広げ、革新的なスタートアップ企業を銀行と同レベルの規制下に置くというのは、必ずしも最適とは言えないと警鐘を鳴らしました。

Enria議長は、このような戦略が「金融革新を抑制する」と確信しており、仮想通貨部門が及ぼすシステムリスクの可能性は相対的に下がるため、銀行などの金融機関に適用される規制に比べ、「よりバランスの取れた、適度に緩和されたアプローチ」を提唱しています。

革新者には、新しい製品やビジネスプランを試させるべき

規制当局が、「新しい製品やビジネスプラン」がどのように既存の規制の枠組みにあてはまるのかをまず理解し、生まれたばかりの技術に対して、全ての規則を強要しないという意図的な選択をすることで、革新的企業と規制者が、より生産的な対話をすることができると述べました。 

また、常に既存の規制を監視しながら、新しい技術と革新的ビジネスモデルを支援する「統一された規則を促進する場(Sandbox=砂箱)」を設けることが、技術的な中立性を保ちつつ、規制に関する議論を進めていくことを可能にするとしています。

このような新しいテクノロジーに対する監督者の理解を深めるため、EBAは「知識拠点」を設けた上で、監督ガイドラインに技術的中立性を取り入れて行く方針です。

フィンテック実行計画

先に欧州委員会は、欧州銀行監督機構に対し、命令書を含む「フィンテック実行計画」を発表しました。

これを受け、EBAは今後2年間の規制と監督に関する優先事項を明示した「フィンテックに関するロードマップ」を、来週公表予定です。

EBAは、EU全体で統一性が確保されるよう、提供されたサービスと規制を分析した上、2018年末までにその査定結果を報告する予定です。

また、最善の実践方法を特定し、ガイドラインを作成するため、導入されるサンドボックス(砂箱)運営管理体制をさらに詳しく分析することにしています。

さらにEBAは、潜在的な国家間の障壁を明らかにし、革新規模をさらに広げるため、障害を取り除く措置を検討するよう努力するとしています。

厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
04/01 火曜日
17:40
メタプラネット、ビットコインを696 BTC追加購入
メタプラネットが696BTCを追加取得した。キャッシュ担保付きプットオプションで第1四半期に7.7億円の収益を計上し、長期的なビットコイン蓄積と安定収益を同時に狙う戦略を公開した。
15:02
オリコン調査 ビットコイン取引所満足度ランキングbitbankが首位【現物取引】
オリコン顧客満足度調査2025で暗号資産取引所を徹底比較。現物取引ではbitbankが2年連続の総合1位を獲得し、手数料・システム安定性で3年連続首位となった。GMOコインはステーキング・レンディングで高評価。6,260人の利用者の声から見る信頼性の高い取引所選びに。
14:15
エックスモバイルがWeb3参入 暗号資産モバイルサービスを今年度中に開始
マジモバ・ホリエモバに続く展開 格安携帯電話サービスを提供するMVNO「エックスモバイル」は1日、暗号資産(仮想通貨)を含むWeb3事業への本格参入を発表した。今年度中に、ブロ…
13:45
テザー、1Qに8888BTC追加購入
ステーブルコイン最大手テザーが2025年第1四半期に約1,100億円相当のビットコインを追加購入。総保有量は92,647BTCとなり世界第6位のホルダーに。
13:10
イーサリアムL1の手数料収益が大幅減少 目標達成も課題浮上
仮想通貨イーサリアムのDencunアップグレード後、L1の手数料収益が大幅に低下。ガス代削減という目標は達成したものの、ETHのインフレ課題が浮上していることを解説する。
12:11
トランプ関税発表控え緊迫するビットコイン市場、ETF資金流入とマイニング課題の狭間で
4月2日のトランプ関税発表を控え、ビットコイン市場は複雑な状況に直面している。一方ではETFへの資金流入が9営業日連続で続き回復の兆しを見せる一方、マイニングコストは87,000ドルまで上昇。さらにハッシュレートは史上最高の8億5,000万TH/sを記録するという矛盾した状況だ。市場のリスク回避姿勢が強まる中、投資家とマイナーの動向から見える業界の今後を分析する。
11:25
ヘデラ関連企業ハッシュグラフ、企業向けネットワーク「HashSphere」発表
仮想通貨ヘデラ関連企業ハッシュグラフは、プライベートな許可型ネットワークHashSphereを発表。開発目的や想定するユースケース、今後の開発計画が明らかになった。
11:00
米上院議員、退職金での仮想通貨投資を可能にする『金融自由法案』を提出
米国のトミー・タバービル上院議員が退職金プランでの仮想通貨投資を許可する金融自由法案を提出。旧バイデン政権の規制に対抗し、トランプ大統領の仮想通貨支持政策を後押しする内容に。
10:10
REDXがBingXへの上場発表 モバイルサービス「REDX MOBILE」でユーティリティ拡張へ
ブロックチェーン×エンターテインメントを融合させたWeb3プロジェクト「REDX(レッドエックス)」は、2025年4月1日より、トークン還元型の次世代モバイルサービス「REDX…
10:00
トランプ大統領の仮想通貨活動に共和党内から異例の苦言
米下院金融サービス委員会のヒル委員長が、トランプ大統領の仮想通貨事業がステーブルコイン規制議論を複雑化させていると発言した。民主党からの批判を招いていることが背景だ。
08:40
トランプ家、ビットコインマイニング事業参入 Hut 8社と合弁会社『American Bitcoin』設立
Hut 8社と合弁会社『American Bitcoin』設立 米国の上場企業Hut 8(ハット・エイト)は、ドナルド・トランプ大統領の息子エリック・トランプ氏とドナルド・トラ…
08:01
ブラジル金融当局、主要年金基金の仮想通貨投資を全面禁止
ブラジル国家通貨評議会が年金事業体による仮想通貨投資を禁止。高リスクを理由に規制強化する一方、英国のカートライト社や米国複数州の年金基金はビットコイン投資を進めており、国際的な規制姿勢の違いが鮮明に。
07:30
ブラックロックCEOが見解、ビットコインが米ドルの支配的地位を奪うリスク
ブラックロックのCEOは、米国の債務が増加している現状に警鐘を鳴らし、債務を制御できなくなれば、ドルの準備通貨の地位が仮想通貨ビットコインのようなデジタル資産に奪われるリスクがあると指摘した。
07:00
ビットコイン、S&P500との相関性低下か クジラ数は3ヶ月ぶりの高水準
仮想通貨ビットコインはS&P500が下落する中でプラス推移し相関性の低下を示唆。1,000BTC以上保有のクジラウォレットは3月から11増加し1,991に到達。Cryptoquantアナリストは2020年の強気相場と類似したパターンを指摘した。
06:30
2880億円規模のビットコイン買い増し、ストラテジー社
米ストラテジー社は3月31日、22,048の仮想通貨ビットコインをさらに追加購入したことを公表した。今回の購入規模は2880億円相当のもので、このニュースが好感されビットコイン市場は一時83,757ドルまで反発。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧