はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習 WebX
CoinPostで今最も読まれています

Mastercard:ブロックチェーン上での「匿名取引システム」を特許申請

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

Mastercardとブロックチェーン
クレジットカード業界2位の米Mastercard社が、ブロックチェーンネットワーク上で「匿名トランザクションを容易にするシステム」の特許申請を行っていたことが判明した。
ブロックチェーンとは
非中央集権の分散型台帳技術、または分散型ネットワークのこと。基本的に改竄できず信頼性が高いため、仮想通貨のみならず煩雑な契約自動化によるコスト削減など、幅広い用途での活用が期待されている。

▶️CoinPost:仮想通貨用語集

マスターカードとブロックチェーン

アメリカに本部を置くクレジットカード世界シェア第2位のMastercard社が、ブロックチェーンネットワーク上で、匿名トランザクションを容易にするシステムの特許申請を行っていたことが判明しました。

6月28日に米国特許商標庁により公開された、同社の特許申請書によると、このシステムは基本的に、各トランザクション毎にカード利用者とマスターカード社、または決済機関によって運営されている中央サーバー用に、そのトランザクション特有の情報に対するハッシュ値を生成、発行します。

ブロックチェーン上では、IDと秘密鍵なしに、その内容を見ることができないようにしたもので、管理と制御は中央サーバーが行います。 

中央サーバー上には、一連の秘密データを含む利用者のプロフィール、識別情報等のデータベースが維持されることになります。

マスターカード社によると、カードが実際に使われているシチュエーションでは、通常のブロックチェーンの特性の一つである透明性という点が、この技術普及の妨げになっていることも多いと認識しているということです。

例えば個人の場合、「買い物の内容まで他人に知られたくない」、企業の場合、「取引量の現状を競合他社にリアルタイムで知られることは望まない」など、といった状況が考えられます。

特許申請書の内容

特許申請書には、次のように表現されています。

「トランザクション処理の中で、説明責任と信頼を確保するため、トランザクションの詳細は公開されつつも、匿名性を保ち、他者による個々のトランザクションやその量を追跡不可能にした上、トランザクションを行う当事者の秘密保持の必要性も満たすような、技術的解決策が必要とされている。」

トランザクションの匿名性に重点をおいて開発された仮想通貨には、Monero (XMR) とZcash (ZEC)がありますが、マスターカード社は、ブロックチェーン技術を積極的に導入し、自社でも独自の開発を行う一方、仮想通貨に対しては否定的な態度を崩しておらず、ブロックチェーン上で、法定通貨を使う方向での開発を行っています。

この特許申請内容では、ブロックチェーン上では、それぞれのトランザクションは概ね匿名性を保っているものの、個人情報へアクセスする権利は中央集権的な管理者に残されていることになります。この点において、プライバシー(匿名性)仮想通貨とは異なっています。

しかし、政府などの規制当局の観点からすると、追跡不可能となるプライバシー仮想通貨と違い、不正捜査などの必要に応じて、「匿名性」を覆すことができる点が、好意的に受け止められるかもしれません。

 また、完全ではなくとも高いプライバシーが守られることは、一般消費者にとって普段カードを使用する上で、特に問題なく受け入れられる状況になることも予想されます。

マスターカード社は、同社のリサーチ開発部門であるMasterCard Labsを通して、積極的にブロックチェーン技術の実際のビジネスへの応用を開発、推進しているようです。

2016年には、スマートコントラクト言語を含む、独自のブロックチェーンAPIプラットフォームを公開、2017年には、ブロックチェーン技術を適用した決済システムを部分的に導入しています。

ブロックチェーン関連の特許申請を加速

今年に入って、マスターカード社は、相次いでブロックチェーン技術を用いた数多くの特許申請を行っています。

その中には、クーポン認証システムのような日常的なものから、ブロックチェーン上の情報を素早く検知するナビゲーションシステム、中核のクレジットカード業務にに直接結びつく、ユーザーの支払信用証明の譲渡、検索プロセス、さらには、ブロックチェーン上に身元証明データを保存し、検証するシステムなどが含まれ、同社のブロックチェーン技術に対する取り組みの真剣さをうかがい知ることができます。

仮想通貨市場には、直接影響を及ばさないようにも受け取れる、マスターカード社の動きですが、重要なのは、ブロックチェーンが人々が気付かないうちに日常の中に浸透して行くことによって、最終的には、仮想通貨の利用が一般にも受け入れられやすくなる状況に結びつくことなのかもしれません。

CoinPostの関連記事

TenX CPO「2019年に日本進出予定」VISA対応TenXカードで国内仮想通貨決済へ
TenX CPOのPaul Kittiwongsunthorn氏にCoinPostがインタビューを行いました。TenXという会社のこれまでや、社内の理念、そして規制などにも触れつつブロックチェーン市場に対するコメントもいただきました。
JPモルガン・BoA・Citi:米大手銀行がクレジットカードでの仮想通貨購入禁止へ
仮想通貨が暴落する中、クレジットカードでの仮想通貨購入を禁止するクレジットカード会社が増えています。現在の下落相場では、投資家の損失によって返済が行われなくなるリスクが高くなるため、クレジットカードでの仮想通貨購入停止の動きが進んでいます。
CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
12/25 木曜日
14:55
量子コンピューティングは仮想通貨の脅威か 専門家が語る「共存」の可能性
量子コンピューティングが仮想通貨業界に与える影響について、楽観論と懸念論が交錯する中、専門家は「共存」の可能性を指摘。ビットコインベテラン投資家やマイクロストラテジー会長は量子が仮想通貨を強化すると主張する一方、開発者は5~10年の移行期間が必要と警告。ソラナやイーサリアムなど主要ブロックチェーンは既に量子耐性技術の実装を開始している。
13:50
アステリア、JPYC企業利用支援の「JPYCゲートウェイ」発表
アステリアは企業向けJPYC入出金管理サービス「JPYCゲートウェイ」を発表。ウォレット管理やガス代負担など企業利用の課題を解消し、100以上の既存システムと連携可能。2026年1月よりβ版提供開始。
13:30
2025年世界仮想通貨浸透率ランキング、日本は47位
Bybitは2025年世界仮想通貨ランキングで、79カ国をユーザー浸透度、取引利用度、制度整備度、文化的浸透度の観点から相対的に評価。シンガポールと米国が上位にランクインし、日本は47位となった。また国別の一人当たりGDPから分析したところ、投資主導型と実用主導型の二つの採用パターンが明確となった。
12:13
ビットコイン価格予想が二極化 来年の37000ドル悲観論と最高値更新説の根拠は
仮想通貨市況 暗号資産(仮想通貨)市場では、ビットコイン(BTC)は前日比+%の1BTC=87,850ドルに。 ビットコインが一時的に88,000ドルを上回ったことは、米国上場…
11:44
仮想通貨投資大手が大規模取引か、ワールドコインに3000万ドル投入の可能性
マルチコイン・キャピタルと関連するウォレットが24日、ワールドコイン(WLD)6000万トークンを約46億円で購入した疑いが浮上。オンチェーンデータ分析サービスが報告。WLD価格は史上最高値から95%下落中。
10:30
個人投資家が計22億円の詐欺被害に、米SECが仮想通貨企業などを起訴
米SECは、複数の個人投資家から最低でも計約22億円をだまし取ったとして仮想通貨企業などを起訴。詐欺の手口を説明し、投資家に注意喚起を行っている。
10:22
Aave、所有権紛争でDeFiガバナンスの課題が表面化
大手DeFiプロトコルAaveで深刻なガバナンス対立が発生。年15億円超の収益配分とブランド資産の所有権をめぐり、DAOとAave Labsが対立。Snapshot投票では反対が過半数を占め、DeFi業界のガバナンス課題を浮き彫りに。
10:05
2026年の仮想通貨市場に期待できることは? Presto Researchがビットコイン16万ドル予想
Presto Researchが2026年の仮想通貨市場を展望。ビットコイン16万ドル到達の可能性、量子耐性議論、アルトコイン投機時代の終焉など様々なトレンドを予想している。
08:30
EUの仮想通貨税務透明性法「DAC8」、2026年1月1日に発効
EUの新たな税務透明性法DAC8が2026年1月1日に発効する。仮想通貨資産サービスプロバイダーは同日からEU居住ユーザーの取引データ収集を開始し、2027年9月までに最初の報告が必要となる。
07:35
ビットコイン現物ETF、4日連続で資金が純流出
仮想通貨ビットコインの米国の現物ETFは、23日の資金フローが約294億円の純流出で、これで4日連続の純流出となった。有識者が要因を分析している。
07:12
サークルを騙る偽の金・銀トークン化サイトが出現、同社が注意喚起
USDCステーブルコイン発行企業サークルを名乗る偽のプラットフォームが12月24日に登場し、トークン化された金と銀の取引を提供すると宣伝していた。サークルの広報担当者は偽物だと否定。
06:15
アーサー・ヘイズがイーサリアム売却継続、DeFiトークンに資金移動か
アーサー・ヘイズ氏が過去1週間で1800ETH以上のイーサリアムを売却し、仮想通貨ENA、PENDLE、ETHFIなどのDeFi銘柄に資金を振り向けている。ポートフォリオのリバランス計画の一環とみられる。
05:50
マウントゴックスハッキング容疑者関連ウォレット、177億円相当ビットコインを売却か
マウントゴックスハッキング容疑者に関連するウォレットが過去1週間で1300BTCを取引所に送金した。10月以降の総売却額は2300BTCにのぼる。
12/24 水曜日
17:57
2025年の調整局面 過去サイクルの「仮想通貨の冬」との違いは?
2025年後半、仮想通貨市場は調整局面を迎えている。しかし過去2度の「冬」とは決定的に異なることがある。トランプ政権の支援、ETF普及、規制整備が同時進行。従来の4年サイクルが崩れる可能性も。2026年の市場展望を専門家の見解とともに解説する。
16:51
ガーナで仮想通貨取引が合法化、2024年取引高は4700億円規模
アフリカのガーナ議会が仮想資産サービスプロバイダー法案を可決し、約300万人が利用する仮想通貨取引を正式に合法化。中央銀行がライセンス発行・監督を担当し、2024年の取引高は4,700億円規模。個人の取引を保護しつつ、事業者には厳格な規制を適用する新たな枠組みを解説。
通貨データ
グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧