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仮想通貨暴落の要因:ゴールドマンサックスによる計画変更の詳細とは

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

ゴールドマンサックスの計画変更
Business Insiderは、仮想通貨取引デスクを設立すると考えられていたゴールドマンサックスが、仮想通貨市場の規制の不透明さなどの理由により、取引デスクの設立計画を一時白紙に戻したことを明らかにした。
カストディサービスに注力
仮想通貨取引デスクは、あくまでも短期的に設立しないだけで、将来的にまたその計画が復帰することは充分にあり得ると考えられている。そして、同社は先月8月に発表した仮想通貨カストディサービスに注力していくと報じられた。

ゴールドマンサックスの計画変更

世界有数の投資銀行であるゴールドマンサックスは、ビットコイン (BTC)の取引デスクの開設および、先物取引の開始をすると今年5月に発表していましたが、9月5日にBusiness Insider の報道により、同社のBTC取引デスクの設立が短期的に行われないことが明らかになりました。

(なお、ゴールドマンサックス社からの公式声明は未だ行われていない点は注意が必要です。)

今回一時中止となったトレーディングデスクは、昨年12月22日ブルームバーグの報道によって明らかになったもので、トレーディングデスクをFICC部門に設置、2018年6月にオープンを予定しているとしていました。

その後は、「デジタルアセットの提供範囲に関する結論に至っていない。」と発言、GS社による仮想通貨取引サービスの開設日時を未定にするなど、仮想通貨関連での動きが度々注目されていた格好です。

Business Insiderによると、その大きな理由として仮想通貨市場における規制が未だ整っていなく、不透明性が払拭できていないことが挙げられ、以下のように記述されました。

「役員達は、認可された機関が仮想通貨取引を開始するには、未だ発展が必要とされる複数の段階があると語る一方で、その多くの段階が銀行の問題ではなく、(市場全体としての)外部的問題なのである。 」

そして、ゴールドマンサックスの広報は、顧客からのデジタル商品の関心の高まりを受け、仮想通貨業界に進出して行くかを模索している段階である一方で、現時点ではデジタル・アセットの取引業務に対する結論には至らなかったと言及しています。

機関投資家の仮想通貨業界への関心は、市場を未だ大きく左右する要因の一つであり、史上初となるビットコインETFの承認が噂された今年の夏にもビットコイン価格は上昇を見せ、その後アメリカ証券取引委員会(SEC)がその申請を不許可とするたびに、ビットコイン価格は下落を記録してきました。

出典:TradingView

そして9月5日、7,300ドル(約81万円)ほどで取引されていたビットコインは、本日9月6日にかけて一気に6,900ドル(約77万円)にまで下落。この下落要因として、ゴールドマンサックスが取引デスクの計画を一時中止にしたことが関係している可能性が高く、過去の機関投資家関連のニュースとビットコイン価格の値動きを参考にすると全くの無関係ではないと考えられています。

しかし、今回のBTC取引デスクの開設を一時白紙に戻すという報道は、あくまでも、短期的に取引デスクを設置しないだけであり、今後規制の整備が進むに連れて、この計画が再度持ち出されることは充分にあり得ると言えるでしょう。

専門家の見解は

CNBCでお馴染みとなるBKCMの創設者兼CEOブライアン・ケリー氏は、今回のゴールドマンサックスの動きに関して、「まだ仮想通貨エコシステムの一部ではない中で、彼らが大口投資家の動きを代表することは、良くないことである」と言及。

米国大手投資銀行RBCキャピタルマーケットのアナリストMitch Steves氏は、CNBCの経済番組FastMoneyへ出演し、GS社のビットコイン取引デスクの開設中止と今後ウォール街の展望について意見を述べました。

まず、Steves氏によると、今回GS社のネガティブな動きはビットコイン投資家にとって心配事にはならず、すでに仮想通貨市場に関わっている機関投資家もこの件をきっかけにしてビットコイン離れするわけではないと言及。

GS社の取引デスクの開設中止に関して、米仮想通貨取引所Poloniexを買収したCircle社(Coinbaseの競争相手とされる)を後援しているものの、機関投資家を集客する計画が期待外れとなってしまったことも大きな原因だと考えている様です。

またStevesは、機関投資家は現在ビットコインETFの認可を待機しているはずだと言及した上で、ビットコインというトリリオンのエコシステムはベンチャーキャピタルのように、1年のスパンで評価するべきではないのですが、短期(6~9カ月)で見ると相場に影響を及ぼす可能性が高い重要な2点をStevesが以下のように取り上げました。

  • 1.現物価格に準拠したビットコインのETFの可否
  • 2.昨年相場が急騰した2017年第4四半期に資金調達を行ったヘッジファンドが破綻すること

カストディサービスに注力

さらに、同社は仮想通貨業界から手を引いたわけではなく、仮想通貨取引デスクを優先リストから外しただけであり、今後は、今年8月に発表された仮想通貨管理(カストディ)サービスに注力して行くことを示唆しました。

カストディとは

証券投資を行なう投資家の代理人として、有価証券の保管や売買に係る決済、あるいは元利金・配当金の受領や議決権行使などの幅広い業務を提供するサービスの総称のこと

▶️CoinPost:仮想通貨用語集

簡単にいうと投資家資産の保管、管理を行う業務となりますが、機関投資家の参入障壁の一つとなっている保有リスクの面で重要な役割を果たすことになります。

また関係者によると、ゴールドマンサックスも、仮想通貨ファンドを対象とした仮想通貨管理を行うことで、ハッキングなどの攻撃から顧客の資産盗難リスクを下げることを目的としていることを明かしています。

同社によるそのカストディサービスの提供開始時期は、未だ未定ではありますが、「資産保管の問題が最終的な障壁となっている投資家はたくさんいる」とMulticoin Capitalの共同創業者 Kyle Samani氏が語るように、ゴールドマンサックスのような世界的に有名で信頼のおける企業が、トレーディングデスクは一時中止とするも、カストディなどによって仮想通貨管理サービスに参入してくることは、仮想通貨市場にとって大きな一歩であると言えるでしょう。

そして、ウォール街でも有名なBank of New York Mellon、JPモルガン、Northern Trustや、野村ホールディングスも仮想通貨管理サービスへの参入を検討していることから、今後の仮想通貨カストディサービスが着々と充実して行くことが見込まれています。

カストディの重要性は以下の記事にてご参照ください。

2兆円規模の仮想通貨流入予測も:安心保管のカストディサービスが今望まれる理由
安心・保管の「カストディサービス」導入により、およそ200億ドル(2兆200億円)規模の仮想通貨が同事業に流入することが予想されており、米ウォール・ストリートの大御所3社も仮想資産のカストディサービス展開について検討している。
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