- Bancorネットワークが多様化|EOSにも対応可能に
- 分散型取引所Bancorが、イーサリアムネットワークだけでなく、EOSネットワークにも対応していくことが発表された。これは、分散型クロスチェーン流動ネットワークBancorXの実現に向けた第一歩であるとされ、今後さらなるブロックチェーンの対応を進めていくことがLiquidEOSによって示唆された。
9月20日に、分散型取引所Bancorは、BancorプロトコルをEOSネットワークにポーティング(移植)することをMediumの公式ブログで発表しました。
公式ブログでは、このEOSネットワークへの移植は、Bancorが以前から使用していたイーサリアムネットワーク、そして、移植されたEOSメインネットワークの分散型クロスチェーン流動ネットワークBancorXの実現に向けた第一歩であると記述されています。
世界有数の分散型取引所Bancorは、イーサリアムネットワークを使用し昨年6月にICOを行なった際、たった3時間で約165億円の資金調達に成功し、話題を呼びました。
Bancor(バンコール)はトークン経済における流動性を高めることを目的としたプロジェクトになっています。
Bancorプロトコルでは、自動で取引価格を算出し、仲介通貨のような役割を持ち、スマートトークンと呼ばれるBancor Network Token(BNT)を利用することで高い流動性を提供しています。
そして、イーサリアムネットワークだけでなく、EOSネットワークでのサポートが開始されることで、自動化されたスマートコントラクトを通じて、リレー(Relay)として知られる変換をEOS基盤のトークンでも行えるようになります。
このリレーは、マイナーなトークンなどの低い流動性をもたらす「欲求の二重の一致」問題を解決する仲介手段として機能するとされています。
そして、Bancorに上場しているEOS基盤のトークンは、今後Bancorプロトコルを通して、あらゆるイーサリアム基盤のトークンに変換することができるようになると記述されました。
Bancorは、EOSでのオープンソース・スマートコントラクトと共に、EOSウェブウォレットで最も人気のあるScatterを使用し、テストネット上でEOS基盤トークンの変換をするユーザーインターフェースを公開しました。
公式ブログでは、このEOSネットワークの移植によって、ユーザーは以下のような恩恵を受けられることが記述されました。
- 1秒での取引(イーサリアムでは10秒以上)
- 取引手数料が無料(イーサリアムでは最高で5000円にも及ぶgasが必要)
- 優先度のない取引(イーサリアムではgas手数料の高い方が優先される場合がある)
そして、Bancorは今までに120以上のイーサリアム基盤トークンプロジェクトを無料で上場させ、流動性を提供してきたことを記述し、BancorX上で新たに追加される10個のEOSベースのプロジェクトも発表しました。
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そして、今回の取り組みに大きく貢献したBancorのEOSブロック生成を行うLiquid EOSチームは、今回の発表に対し、以下のように記述しました。
LiquidEOSとBancor Foundationは、今後もEOSやイーサリアムのクロスチェーン機能および、流動性の向上に向けて、共同で取り組んでいく。そして、最終的には他の全てのブロックチェーンにも進出したい。
このように、BancorのEOSへの拡張は、大きな一歩である一方で、全てのブロックチェーンも視野に入れていることも示唆していることから、今後のさらなる発展が期待されると言えるでしょう。