- 国際決済銀行の最新報告書:ビットコインの相場は規制ニュースに左右
- 9月23日に発表された、国際決済銀行による最新報告書『仮想通貨の規制:市場反応を判断する』が、ビットコインの相場は業界規制の関連ニュースや動きに左右されがちだと、論じている。
- 国際決済銀行とは
- 国際決済銀行(Bank for International Settlements)は1930年に設立され、中央銀行をメンバーとしている組織です。中央銀行間の協力促進のための場の提供や、中央銀行からの預金の受入れ等の銀行業務をしています。
仮想通貨の相場は規制ニュースに左右
9月23日に発表された、国際決済銀行(以下BIS)による最新報告書 『仮想通貨の規制:市場反応を判断する』が、ビットコイン相場は業界規制の関連ニュースや動きに左右されがちだと、主張している様です。
同報告書で、筆者は以下のように論じています。
「仮想通貨は、一つの国の規制外で機能すると思われているが、実際のところ、それらの価値、取引高、もしくはユーザーベースも、政府による法的規制に関する動きに対して、大体は反応する」
また、以下のように「実際の影響度は、具体的な規制範疇による」とのことです。
- ① 仮想通貨に対する一括禁止や証券法に該当すると判断された場合、相場には最も打撃を与える
- ② マネーロンダリング対策やテロ組織の資金繰りに関するネガティブなニュース
- ③ 規制された市場における仮想通貨の互換性に対する制限
- ④ 一方で、仮想通貨とICOに向けた特定の法律枠組みの発表等は、強気相場と一致する
具体的な例とは
同BISの報告書で、まず、2017年3月に、米国証券取引委員会(SEC)により、ウィンクルボス版ビットコインETFの申請を却下したことを取り上げ、「発表後の5分間、ビットコインの価格は16%下落した。」
また、「日本の金融庁(FSA)が2018年6月に、仮想通貨取引所の6社に業務改善命令を出されたこと。当時、米国における取引日(朝方)にはなっておらず、影響が完全に及ぶまでに数時間かかった」と、下図(左:SEC、右:FSA)を含め、記載してあります。
相場に連動する原因とは
同報告書は、他にも様々な具体例を挙げていますが、「なぜ、国の規制は国に属せず、国際間で取引される仮想通貨に以上のように深刻な相場影響をもたらしたのか」と問題提起をして、以下のように解釈しています。
「仮想通貨は法的規制に準拠している機関を通さねば、法定通貨に換金することが出来ないと考えられる。 そのやり取りが複雑であるため、仮想通貨を所有し、入出金を行うユーザーは規制にされた、もしくは規制に当てはまる仮想通貨ウォレットを選びがちだ。 また、国際間裁定取引が制限されており、海外の銀行口座を持たない為、オフショアで取引所へアクセスすることは不可能となっている。 このような要素は、区分化した、不完全な市場が国々の法的規制にある程度左右されると考えられる」