- 米保健当局:食品衛生管理にブロックチェーン導入か
- 最近アメリカとカナダにおいて、ロメインレタスを摂取したことが原因で、腸管出血性大腸菌O-157とみられる感染が急激に広がっている。そうした中、食品衛生管理の改善に乗り出すFDAはブロックチェーン技術の導入を検討している。
米・カナダで広がる食中毒
最近アメリカとカナダにおいて、ロメインレタスを摂取したことが原因で、腸管出血性大腸菌O-157とみられる感染が急激に広がっている。
現在、米国食品医薬品庁(FDA)、アメリカ疾病管理予防センター(CDC)などの保健当局は調査を進めているが、原因としては、カリフォルニア州北中部に位置するセントラルコーストで栽培されたロメインレタスであるとの見方が強い。
CDCはロメインレタスを食べることのないよう、注意喚起をしている。
Outbreak Alert: Do not eat any romaine lettuce, including whole heads and hearts, chopped, organic and salad mixes with romaine until we learn more. If you don’t know if it’s romaine or can’t confirm the source, don’t eat it. https://t.co/NrFOIxG8hx pic.twitter.com/FuzkHv4bd3
— CDC (@CDCgov) 2018年11月20日
FDA:ブロックチェーン導入を検討
このように食品衛生の問題が米国内で噴出する動きを背景に、米国食品医薬品庁(FDA)は食品衛生管理の向上を目的に、より優れた食品の追跡ツール導入を検討し、ブロックチェーン利用も視野に入れている。
また一連の動きの中で、FDAのコミッショナーScott Gottlieb氏が、ブロックチェーンにも携わっているウォルマート食品衛生部門の前副責任者Frank Yiannas氏をFDAの食品・動物薬事務局の副コミッショナーに起用したことを発表した。
米最大手スーパーマーケットウォルマートは、報道されたように、IBMのブロックチェーン基盤の独自フードサプライチェーンネットワーク”IBM Food Trust”に参画、今回起用されたYiannas氏も、ウォルマートの葉物野菜などの品質を管理するため、サプライチェーンへのブロックチェーン技術導入に携わっていた。
FDAコミッショナーGottlieb氏は、以下のように語っている。
我々はウォルマートの食品衛生部門の前責任者であるYiannas氏を迎え入れた。
これでFDAのフードサプライチェーンの追跡性を、ブロックチェーンのようなツールを用いて向上させてくれるだろう。
また、Yiannas氏は、ブロックチェーンのトラッキング技術の有用性を語っている。
将来的には、ブロックチェーンを利用することにより、顧客はバーコードをスキャンし、その食品がどこから来ているのか、すぐに知ることができるだろう。
広まるブロックチェーン導入の動き
IBMの独自フードサプライチェーンネットワーク”IBM Food Trust”に、ウォルマートだけでなく、フランス基盤で33カ国に跨り、1.2万店舗を有する巨大企業Carrefourや、ネスレ、ユニリーバ、Tyson Foodsなども参入している。
このように、食品のサプライチェーン分野において、ブロックチェーン導入の動きは広がりを見せている。