はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用
CoinPostで今最も読まれています

日本政府、ビットコイン取引など仮想通貨税に関する新制度作成:19年度「税制改正大綱」に盛り込む

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

日本政府、ビットコイン取引など仮想通貨税に関する新制度作成
政府は仮想通貨の課税逃れを防ぐため、欧米の税務当局がすでに導入している仮想通貨取引所に対する「情報照会制度」を20年度から導入する方針を固めた。一定以上の年間所得を得た取引者が対象になるとされる。

日本政府、ビットコイン取引など仮想通貨税に関する新制度作成

日本政府は、仮想通貨取引やシェアリングエコノミー(民泊サービスAirbnbやウーバーイーツなどの共有型経済)などで得た悪質な課税逃れを防ぐため、仮想通貨取引などに関する新制度を作る方針を固めた。

国税当局が、仮想通貨取引所に対して「住所・氏名やマイナンバーなどの個人情報」を照会できる仕組みを整え、2019年度の「与党税制改正大綱」に盛り込む方針で、主に年間所得1000万円超の取引者が対象になるとされる。

情報照会制度は、欧米の税務当局ですでに導入されているシステムで、申告漏れの疑いがある人物の”基本情報”を仮想通貨交換業者に請求できる。利益を得た人が自主的に納税しやすいよう「電子申告システム」を充実させるとともに、悪質な申告漏れを防ぐ狙いがあるという。

ただし、個人情報保護などの観点もあり、対象範囲を限定するほか、不服申し立てができる仕組みを設けるなど慎重に策定するとしており、一定の周知期間をおいて2020年度以降に導入する考えだ。

以前より、財務省が検討してきた課税逃れ対策には、以下の3点が挙がっていた。

1. 情報照会制度

2. 取引で得た所得にかかる税を仮想通貨交換業者などが源泉徴収する案

3. 一定額を超える資産を持っていたり国外送金したりする際に提出が義務づけられる「法定調書」を新たに仮想通貨取引にも設ける案

出典:日経新聞

特定口座を利用した源泉徴収の自動システムは、すでに株式市場でも導入されているシステムだ。

基本的に売買損益が一定水準以上ある場合、株式でも確定申告が必要となるが、「源泉徴収ありの特定口座」で、株や投信の売買する場合、取引所が投資家の代わりに自動で納税を行うことができるため、投資家側の負担が大幅に軽減される。

仮想通貨の税率と納税対象者

日本の税法上は、2017年7月に「改正資金決済法」が施行され、仮想通貨が物ではなく一般的な貨幣と同じような財産的価値を持つ”通貨”として事実上認められたことで、消費税(8%)が非課税となった。

仮想通貨の取引で得た利益は、「雑所得」に区分され総合課税の対象となるため、一律10%の住民税を合わせた累進課税となり、所得額に応じて「15~55%(最高税率)」が課税対象となる。所得(1年間で得た給与収入+仮想通貨収入から給与所得控除を差し引いたもの)が高いほど、税負担が重くなる計算だ。

「国税庁:速算表」(https://www.nta.go.jp/taxanswer/shotoku/2260.htm)

仮想通貨の場合、基本的に2018年1月~12月までに仮想通貨取引や、他の雑所得の利益合計額が20万円超になる場合に「確定申告」が必要となる。

なお、仮想通貨の雑所得の計算は、「収入-必要経費」 となるが、大きな損失が生じてもゼロ扱いの計算になるため、株式取引と異なり、「前年度との損益通算や損失の繰越」ができないというデメリットがある。

一方、株式投資であれば、損益通算した際に控除しきれない場合、「翌年以後3年間にわたり、上場株式等の譲渡所得等の金額や上場株式等の配当所得等の金額から繰越控除」することが可能となる。

株やFXの利益は、一律約20%(所得税15%:住民税5%:復興所得税0.315%)の税率であり、仮想通貨の税率(15〜55%)よりも大幅に優遇されていますが、これは「総合課税」ではなく、「申告分離課税(他の所得と分離して税額を計算、確定申告によって納税する課税方式)」として扱われることに起因している。

『なぜ、仮想通貨の税制を改正すべきなのか』藤巻健史議員インタビュー(前編)
仮想通貨の税制改正問題など、国会の場で問題提起されている参議院議員の藤巻健史先生に、CoinPostで独占インタビューを実施。ビットコインなど現在の仮想通貨業界に関する見解を伺った。

先進国による仮想通貨の共通税制

先進国など国際政府間によって組織されるOECD(経済協力開発機構)は3月20日、仮想通貨や分散型台帳技術などの”新しい技術に対して課税が与える影響”に関して、税効果を調べる実用的なツール開発分野などで、協力関係の構築を求めていることが明らかになった。

ブロックチェーンのような新しい技術が多大な技術的優位性をもたらすことを認識する一方、現時点の課税額における算出が曖昧なため、統一規格の枠組み(グローバル・スタンダード)の必要性を提起し、2020年までの施行を目指している。

CoinPostのLINE@

スマートフォンへの「プッシュ通知」で、相場に影響を及ぼす重要ニュースをいち早く知らせてくれる「LINE@」の登録はこちら。大好評につき、登録者7,000名突破。

CoinPostの関連記事

国税庁が仮想通貨取引の税申告漏れ事例を初公表|申告漏れ5000万円に対し2400万円追徴課税
国税庁は、仮想通貨取引で得た利益を適切に申告していなかった不正事案について初公表。会社員男性のケースでは約5000万円の申告漏れを指摘、重加算税を含め約2400万円を追徴課税した。
仮想通貨の税金逃れは即バレる!?"億り人"は特に注意!
仮想通貨専門税理士・公認会計士の齋藤雄史による寄稿記事です。仮想通貨の税金逃れ、脱税は、多大な利益を得た"億り人"は特にバレやすいです。主に海外取引所で取引をしていたとしても、バレる可能性が高いです。
CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
07/30 水曜日
21:00
Mawariとは?AIとXRの融合で実現する次世代3Dインターネット
Mawariは世界中のコンピューターをつなげて高品質な3D配信を実現。ノード運用で誰でも収益化に参加できる仕組みを提供。
18:31
欧州中銀顧問、米ドル建ステーブルコインの拡大に懸念 デジタルユーロで対抗か
欧州中央銀行顧問が米ドル建ステーブルコインの急拡大に警鐘を鳴らしている。米ドル建ステーブルコインは同市場の99%を占める一方で、ユーロ建は0.17%に過ぎない。また米国で緩やかなステーブルコイン規制が成立したことも米ドルの優位性に貢献し、欧州にとっては資金調達コストの上昇や金融政策の自由度の低下を意味する。
18:14
ビットポイント、ステラルーメン(XLM)の取り扱い開始
ステラルーメン(XLM)がビットポイントに上場。国際送金に強みを持つ米国発銘柄。送金インフラや価格急騰の背景も解説。
17:45
米上院議員、仮想通貨を住宅ローン資産に含める法案提出 
米国のルミス上院議員が「21世紀住宅ローン法案」を提出した。政府系住宅ローン機関に仮想通貨による資産評価を義務付けるものであり、若者の住宅購入を支援するとしている。
17:30
CoinShares、欧州で仮想通貨SeiのETFをローンチ
仮想通貨投資企業CoinSharesが欧州でSEIのETF「CSEI」をローンチした。ステーキング報酬付きであり、SIX取引所で7月28日より米ドル建てで取引開始している。
16:57
JCBAとJVCEA、暗号資産の20%申告分離課税と3年間の損失繰越控除を要望
日本暗号資産ビジネス協会と日本暗号資産取引業協会が2026年度税制改正要望書を提出。暗号資産取引の税率を現行の最高55%から20%の申告分離課税への変更を要望し、取引所やウォレット、現物・デリバティブを問わずすべての暗号資産取引を一律に対象とすることを要望した。
16:48
21キャピタル、ビットコイン5800BTCをテザー社から取得へ
ソフトバンクが出資する21キャピタルは、テザー社から仮想通貨ビットコインを約5,800BTC取得する計画。この取得が完了すればビットコインの合計保有量が4万3,500BTC超になる。
13:00
WebX 2025完全ガイド|日本最大Web3カンファレンスのチケット料金・見どころ・参加方法まとめ
国内最大手仮想通貨メディアCoinPostによる「WebX 2025」の特集ページ(公式ガイド)。SBIの北尾会長、平 将明デジタル大臣、小池都知事、ホリエモン、オードリー・タン、アーサー・ヘイズなど豪華な注目スピーカーをはじめ、お得な割引情報を含むチケット料金、会場アクセス、サイドイベント情報を詳しく解説。
12:00
ETH財務戦略企業ビットマイン、最大10億ドル規模の自社株買いへ
仮想通貨イーサリアムの財務戦略を進めるビットマインは、最大10億ドル規模の自社株買いを承認したことを発表。イーサリアム保有量は62.5万ETHであるとも説明した。
07/29 火曜日
18:31
米NY証取(NYSE)親会社設立のBakkt、7500万ドル調達でビットコイン購入へ 
暗号資産(仮想通貨)プラットフォームを運営するBakkt Holdings(NYSE: BKKT)は29日、株式公募により約7,500万ドルの資金調達を発表した。注目すべきは、調達資金をビットコインをはじめとするデジタル資産の直接購入に充当する方針を明確にした点だ。
15:14
CoinW、2年連続で東アジアE-1サッカー選手権とパートナーシップ締結
CoinWは東アジアE-1サッカー選手権を通じ、Web3とスポーツマーケティングを融合。ブランド認知、参加型コンテンツ、教育、金融商品を連動させ、「観戦から共創へ」の新たなエンゲージメントモデルを構築へ。
14:00
米ビットマイン会長が語る、イーサリアム「5%の錬金術」戦略とは
米ビットマイン社のトム・リー会長は、「5%の錬金術」と題した投資家向けプレゼンを行った。またストラテジー社との比較を通して、18日間で純資産価値を6倍に成長させた驚異的な成長について説明した。
13:15
「アルトシーズンは過去より低調な可能性」シグナムの最新市場分析
仮想通貨銀行シグナムがアルトコインシーズンについての分析を発表した。過去と市場構造が変化しており、アルトシーズンは限定的になるとの見解を示している。
11:59
上場投資商品の前週流入額でイーサリアムがビットコイン上回る BNBの高騰は機関投資家が牽引か
暗号資産(仮想通貨)ETPへの週間流入が19億ドルに達し、イーサリアムが15.9億ドルで史上2位を記録した。ビットコインは流出に転じ、アルトコインシーズンの兆候が顕在化。最高値を更新のBNB(ビルドアンドビルド)は企業トレジャリー戦略拡大で機関投資家の資金移動が鮮明に。
11:40
米フィンテック大手FIS、ステーブルコインUSDC決済機能を統合
大手フィンテック企業FISがサークルと提携し、マネー・ムーブメント・ハブにUSDC決済機能を統合。米金融機関が顧客に国内外ステーブルコイン取引サービスを提供可能に。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧