はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用 WebX
CoinPostで今最も読まれています

財務省の広報誌「ファイナンス」、仮想通貨の税金特集でビットコイン決済のメリットにも言及

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

財務省の広報誌、仮想通貨特集を掲載
財務省が発行する広報誌の1月号で、仮想通貨の確定申告に関する特集が組まれた。一般初心者にも分かりやすいようQ&Aや図解付きで解説されており、BTCなどブロックチェーンの利点にも触れた。

財務省の広報誌、仮想通貨特集を掲載

財務省の広報誌「ファイナンス」1月号にて、ビットコインなど仮想通貨及びブロックチェーンの仕組みについて特集されていることが分かった。

財務省は広報誌の中で、2017年以降、利用者が急増している仮想通貨として特集。「利益は確定申告の必要があるが、利用者には十分に認知されていない面がある」とし、「国税庁では、申告が必要なケースを周知するとともに、手続きの簡素化に取り組んでいる。」と言及している。

その上で、国内で16業者が登録している仮想通貨はどんなものかを解説。

仮想通貨及びブロックチェーンは送金や決済、投資などに利用されているものであり、中央集権管理者が、その仕組み上「信頼性の高いシステム構築」のため、莫大なコストが掛かり、それが利用者に転化されている中で、システム障害に強く、低コストで金融サービスが利用できると説明した。

さらに、「そもそもインターネット上で取引される通貨であるため、世界中どこにでも送金が可能。銀行などの金融機関を通さないため、素早く低コストで送金できるのがメリット」だと言及。家電電量販店などで実際に使用できる事例を挙げ、クレジットカード決済よりもコストがかからない点にも触れている。

仮想通貨税の状況は

仮想通貨取引で得た利益は課税対象となり、日本の法解釈で区分される「雑所得」は、給与所得など他の所得と合算する「総合課税」が基本となる。仮に給与所得400万円の会社員が仮想通貨で50万円の利益を得れば、年間の所得は450万円として税金を計算することになる。

会社員などの給与所得者は、給与所得以外の所得が年間20万円以下であれば申告不要であるため、仮想通貨で得た雑所得の場合も年間20万円を超えた場合に、申告が必要になる。

手続きの簡素化へ

国税庁では、利用者の利便性を高め、課税の申告漏れを防ぐため、申告手続きの簡素化に取り組んでいる。

昨年4月から6回にわたり「仮想通貨取引等に係る申告等の環境整備に関する研究会」を開催し、仮想通貨交換業者を所管する金融庁や仮想通貨関連団体の出席・協力も得つつ、申告の簡素化について検討を行っていた。

2018年分の確定申告までは、納税者が膨大な「仮想通貨の取引情報」を利用する全仮想通貨取引所から収集、計算するという煩雑なプロセスを行う必要があった。

2018年分の確定申告では、これを大幅に改善。交換業者が「年間取引報告書」を納税者に交付することとなり、年間の取引内容を手軽に正確に把握できるようになった。

納税者が望む場合には、交換業者から個々の取引履歴データの提供を受け、データと自動計算アプリ等を利用して、所得計算をすることも可能となるほか、国税庁のホームページでも、深刻に必要な所得金額などが自動計算できる「仮想通貨の計算書」を公開している。

また国税庁は、仮想通貨を保有する人に相続が発生した際の手続きについても簡素化を行っている。

これまでの問題点として、投資家が死亡するなどして相続手続きを行う際、被相続人が保有していた相続開始時点における仮想通貨の残高を証明しなければならないが、これまで統一的な手続き方法が整備されていなかった。

そこで国税庁は、相続人等が交換業者に残高証明書等の交付依頼をすると、交換業者は相続開始日(死亡日)現在の仮想通貨残高等を記載した「残高証明書」等を交付する仕組みを整えたという。

どのような条件で課税されるのか

仮想通貨税制の主な対象者に関しては、確定申告に不慣れな一般投資家が多い上、その仕組み自体が煩雑かつ複雑であると問題視される中、国税庁は仮想通貨の申告漏れを防ぐため、「どのような条件で課税されるのか」について、初心者でもわかるように「Q&A形式」で丁寧に解説している。

実際に納税義務が発生する各ケースにおける、納税計算については以下のようなものが挙げられる。

仮想通貨の売却で利益を得た場合

計算例

・ 2018年3月9日、2,000,000 円で4ビットコインを購入した。

・ 2018年5月20日、0.2ビットコインを110,000円で売却した。

(注) 上記取引において仮想通貨の売買手数料については勘案していない。

(例)の場合の所得金額は、次の計算式のとおりになる。

【計算式】

110,000 円 - (2,000,000 円÷4ビットコイン) × 0.2 ビットコイン = 10,000 円(注)

[売却価額] [1ビットコイン当たりの取得価額] [売却した数量] [所得金額]

(注) その他の必要経費がある場合には、その必要経費の額を差し引いた金額。

保有する仮想通貨を売却(日本円に換金)した場合の所得金額は、その仮想通貨の売却価額と売却した仮想通貨の取得価額との差額となる。

仮想通貨で商品を購入した場合

保有する仮想通貨で商品を購入した場合、保有する仮想通貨を譲渡したことになるため、この譲渡に係る所得金額は、その仮想通貨の譲渡価額と譲渡した仮想通貨の取得価額との差額を計算する必要がある。

仮想通貨同士の交換を行った場合

保有する仮想通貨Aを他の仮想通貨Bと交換した場合、仮想通貨Aで仮想通貨Bを購入したことになるため、「仮想通貨で商品を購入した場合」と同様に、所得金額を計算する必要がある。

ハードフォークにより新通貨が付与された場合

所得税法上、経済的価値のあるものを取得した場合には、その取得時点における時価を基にして所得金額を計算するが、仮想通貨の分裂(分岐)に伴い取得した新たな仮想通貨については、分裂(分岐)時点において取引相場が存しておらず、同時点においては価値を有していなかったと考えられる。

したがって、取得時点では所得が生じず、新たな仮想通貨の取得価額は0円となり、その新たな仮想通貨を売却又は使用した時点において所得が生ずることとなる。

マイニングで仮想通貨を取得した場合

「マイニング」(採掘)等により仮想通貨を取得した場合、その所得は、事業所得又は雑所得として課税対象。仮想通貨の取得価額は、仮想通貨をマイニング等により 取得した時点での時価で計算する。

マイニング等により取得した仮想通貨の取得価額に相当する金額(時価)については、所得の金額の計算上総収入金額に算入され、マイニング等に要した費用については所得の金額の計算上必要経費に算入されることになる。

CoinPostの関連記事

財務省、専用アプリで「ビットコインなど仮想通貨取引の税金」を自動計算可能な仕組みを構築へ
財務省は第2回専門家会合で、ビットコイン取引など仮想通貨の納税手続き簡略化のため、取引所が源泉徴収を行う仕組み等について意見交換を行なった。情報照会制度や特定条件時に法定調書を義務付ける案も出された。
藤巻議員が発足させた『仮想通貨税制を変える会』2019年から活動本格化
藤巻健史議員が発足させた「仮想通貨税制を変える会」は、1ヶ月で5000人を超える支援者が集まったが、政治を変えるには数の力が必要で、さらなる参加(匿名可)を呼びかけている。日本政府に提言するにあたり、講演会や意見交換会なども定期的に開催予定だという。
CoinPostのLINE@

スマートフォンへの「プッシュ通知」で、相場に影響を及ぼす重要ニュースをいち早く知らせてくれる「LINE@」の登録はこちら。大好評につき、登録者12,000名突破。

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
11/22 土曜日
13:45
ANAPホールディングス、企業向けビットコイン戦略支援「ビットコイン道場」を開始
ANAPホールディングスが企業のビットコイン活用を支援する継続型プログラム「ANAPビットコイン道場」の提供を開始した。会計や税務などの実務を専門家が包括的にサポートし、参加企業がコミュニティ形式で課題解決に取り組む仕組みを提供する。
13:02
コンヴァノがビットコイン戦略から本業回帰、AI・ヘルスケア事業に注力へ
コンヴァノが仮想通貨ビットコインを最大約2万BTC取得する計画を取り下げ、成長中の事業へ軸足を移す。業績予想を上方修正しており本業成長を重視する戦略転換となる。
10:55
米当局がビットメイン製品を国家安全保障リスクで調査、トランプ関連企業も1万6000台使用
米国土安全保障省が中国メーカーのビットメインを調査し、機器がスパイ活動や電力網破壊に使用される可能性を指摘。トランプ大統領の息子たちの会社アメリカン・ビットコインも1万6000台を購入した。
10:05
コインベース、ソラナのミームコイン取引所「ベクター」を買収
コインベースがソラナ基盤SocialFiプラットフォーム「ベクター・ファン」を買収すると発表した。年内に取引完了予定で、ソラナエコシステムへの参入を拡大し、すべてを取引できる取引所の構築を目指す。
09:35
ベセント米財務長官、ビットコインバーにサプライズ訪問 仮想通貨業界への影響は
スコット・ベセント米財務長官がビットコインバー「Pubkey DC」を訪問し、仮想通貨コミュニティで話題になっている。業界関係者の反応と今後の影響を解説する。
08:25
NYSEがグレースケールのXRPとドージコインETF承認、25日上場予定
NYSEがグレースケールのドージコインとXRP ETFの上場を承認し、11月25日に取引を開始する。今週はビットワイズのXRP ETFやフィデリティのソラナETFも上場し、アルトコインETF市場が急拡大している。
07:45
「仮想通貨財務企業などの上場後の事業の大幅変更について対応を考える必要」JPXのCEO
日本取引所グループの山道CEOは、ビットコインなどを保有する仮想通貨財務企業への規制強化は現時点では検討していないと説明。一方で、事業の大幅変更については対応を考える必要があるとも述べている。
07:05
個人マイナーがビットコイン採掘に成功、1億8000万分の1の確率を克服
極めて小規模な個人マイナーがわずか6TH/sのパワーでビットコインブロックの採掘に成功し、約26万5000ドル相当を獲得した。確率は1億8000万分の1で、近年最も幸運なソロ採掘となった。
06:25
トム・リー率いるビットマイン、初の配当実施もイーサリアム保有の含み損は6250億円超 
イーサリアム最大の企業保有者ビットマイン・イマージョン・テクノロジーズが11月21日、2025年8月期通期で純利益3億2816万ドルを計上し、大手仮想通貨企業として初めて配当を実施すると発表した。しかしイーサリアム価格下落で含み損は40億ドル超に達している。
06:02
金持ち父さん著者キヨサキ、3.5億円分ビットコインを売却し広告事業投資へ 以前の姿勢から一転
『金持ち父さん貧乏父さん』の著者ロバート・キヨサキ氏が11月22日、約225万ドル相当のビットコインを売却し、外科センターと看板広告事業に投資すると発表した。以前の「売らずに買い続ける」発言から一転した。
05:45
マイケル・セイラー、指数除外懸念に反論「ストラテジーはファンドではない」
ストラテジー社のマイケル・セイラー会長は主要株価指数からの除外懸念に対し「我々はファンドではなく上場事業会社だ」と反論した。
11/21 金曜日
17:25
米ビットコインETF、1週間で大規模な資金流出が2回
11月20日、米ビットコイン現物ETFは9億300万ドル(約1,395億円)の純流出を記録し、史上2番目の規模となった。1週間前の記録を更新。ブラックロック、グレースケール、フィデリティの主要3ファンドで流出の大部分を占め、全ETFで純流入ゼロという異例の事態に。
16:38
予測市場が急成長 カルシ(Kalshi)が1500億円調達と報道も
予測市場カルシが2ヶ月で評価額2倍超の110億ドルで10億ドル調達。取引量は10月に過去最高の44億ドルを記録。競合ポリマーケットも120億〜150億ドルでの追加調達を協議中で、予測市場への投資が加速。
16:33
暗号資産(仮想通貨)の申告分離課税が実現したら?押さえておきたい税務のポイント|Aerial Partners寄稿
仮想通貨の申告分離課税が現実味を帯びてきた今、投資家が知っておくべき税制変更のポイントを解説。税率の一定化、損益通算、特定口座の導入可能性など、制度導入後の注意点と準備すべきことをわかりやすく紹介します。
16:10
CAICAテクノロジーズ、JPYC決済ソリューションの提供を開始
CAICAテクノロジーズが日本円ステーブルコインJPYCの決済ソリューション提供を開始。企業向けにコンサルティングサービスと決済モジュールを提供し、ステーブルコイン決済の導入を支援する。
通貨データ
グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧