はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用
CoinPostで今最も読まれています

米規制当局へ「仮想通貨イーサリアムの意見書」が提出:ETH先物取引がロバストで流動性の高い市場を実現する

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

米CFTCにイーサリアムの意見書が提出
ナスダックやフィデリティ等の巨大金融機関から出資をうけた次世代仮想通貨取引所ErisX社は、米国商品先物取引委員会(CFTC)に対してイーサリアムの仕組みと市場に関する意見書を提出した。これはCFTCからの要請に応えたものであり、「イーサリアム先物取引が規則に則り運用されることで、市場の成長や成熟にプラスの影響を与えるであろう」との積極的な内容となっている。

米CFTCにイーサリアムの意見書が提出

ナスダックやフィデリティ等の巨大金融機関から出資をうけた次世代仮想通貨取引所ErisX社は、米国商品先物取引委員会(CFTC)に対してイーサリアムの仕組みと市場に関する意見書 を提出した。これはCFTCからの要請 に応えたものであり、「イーサリアム先物取引が規則に則り運用されることで、市場の成長や成熟にプラスの影響を与えるであろう」との積極的な内容となっている。

この意見書の中で、

堅牢で透明性のある規制に準拠した市場は、価格発見(取引価格が取引対象の価値を適正にあらわすこと)やリスク移転およびヘッジができるようにするための前提条件(インフラストラクチャー)であり、資本、商品、および市場がグローバルにうまく機能する上での基本的な要素である。

と述べている。

2018年6月、イーサリアムも有価証券ではないと発表された。つまり、イーサリアムは証券取引委員会(SEC)の管理下になる「有価証券」ではなく、商品取引法(CEA)の監視の対象となる「商品」であると宣言されたことになる。

これに関連して同意見書は、CFTCの取り組みにつき、

オープンで、透明で、競争力があり、経済的に健全なデリバティブ取引市場を醸成しつつ詐欺行為、操作、濫用的な扱いを取り締まるという法(商品取引法CEA)の趣旨を全うするものだ

と敬意を表している。その上で、「イーサリアムの先物取引をCFTCによる規制に則った市場に上場し、そこで取引が行われる。この道筋は、そうしたCFTCの取り組みとも整合する」との信念を述べた。

ErisX社は伝統的な先物市場Eris Exchangeのリブートであり、2019年後半に、規制当局の承認が降りるのを待って先物取引とともに、ビットコイン、イーサリアム、そしてライトコインの3通貨の現物取引と先物商品提供を目指している。

イーサリアムを含めた仮想通貨市場〜ボラティリティや流動性の問題

CFTCからの質問として、イーサリアムを法定通貨に安定して交換する上での障害やリスクはなにか、こうした障害やリスクがあることが先物取引委員会の登録者の規制上の考慮事項にどのように影響するかを聞かれ、以下の様に述べている。

(ボラティリティや流動性の変動などの問題は)イーサリアムに固有のものではない。現在の細分化された世界市場での取引プラットフォームの構造および規制上の監督や運用の透明性と完全性の程度が取引所よって大幅に異なるため、悪化している

規則に則ったイーサリアム先物取引への期待、メリット

意見書の中ではイーサリアムとビットコインの概念的な違いについて

ビットコインは、デジタル台帳への記帳という形で価値を記録、移転する手段として設計されたのに対して、イーサリアムは、ほぼクラウドベースのコンピュータのようなものであって、開発者はそこで思う通りのプログラムを実行できる。

イーサリアムはビットコインのアーキテクチャ原理のいくつかを利用して、分散型(仮想通貨経済活動の)セキュアで(ブロックチェーンベースの)トランザクション管理機能を拡張しつつ、 任意のコードを実行するための新しい計算機能を追加している。

ErisX社は、イーサリアムが2015年の発足以来、着実に開発者、大学関係者、政府、営利・非営利組織を含めてコミュニティを拡大しつつあること、ユースケースも増え、市場、取引所での取引や送金の手段としてイーサリアムコインが使用され発展し続けていると評価している。

一方で、暗号通貨やブロックチェーンの分野での技術的な基盤やビジネスでの運用は、エンタープライズレベルに要求されるような基準を満たしきれていないと指摘している。

イーサリアム市場の現状の診断において、規制が明確さを欠くために、規制を準拠している企業がこの分野に参入するのを躊躇し、その結果「規制されていないまたは規制が緩い」取引所やブローカーが優越する状況になり、多くはオフショアで、間隙を埋めるべく活動している。

標準化され、CFTC規制に則った製品が導入されることのメリットとして、意見書の中で以下を主張する。

  • 機関投資家やコマーシャルユーザーを含む多様なプレイヤーによる市場への参画が促される
  • より堅牢で流動的で回復力のある市場が実現される
  • 効率的で、正確な価格発見をもたらし、リスク管理がしやすくなる

報道によると、ErisX社は今月、バークレイズ、YouYube、およびシカゴオプション取引所(CBOE)から3人のベテランを役員として抜擢し、1月にはConsenSysのCEOであるJoseph Lubin氏を取締役に任命した。

規制遵守に前向きで新しい陣容を迎えたErisX社が、イーサリアム先物商品提供を通じて機関投資家を含め様々な市場プレイヤーの参加を促し、市場に活気をもたらすことが期待される。

▶️本日の速報をチェック

CoinPostの関連記事

仮想通貨取引所ErisXの役員会にイーサリアムの共同創設者が新たに加わる
仮想通貨の現物と先物提供を目指す仮想通貨取引所ErisXが、イーサリアムの共同創設者であるJoseph Lubin氏を役員として新たに迎えたことが、日本時間で18日早朝に米経済紙Forbesによって報じられた。
次世代仮想通貨取引所「ErisX」にナスダックやフィデリティ等の巨大金融機関が出資|ビットコインなど3通貨の現物と先物を予定
新たな仮想通貨取引所ErisXがシリーズB投資ラウンドを完了し、総額31億円分の資金をナスダック、フィデリティ等の大手企業21社から調達した事を発表した。米CFTCの認可次第でビットコイン、イーサリアム、ライトコインの現物と先物取引を開始する予定。
CoinPostのLINE@

スマートフォンへの「プッシュ通知」で、相場に影響を及ぼす重要ニュースをいち早く知らせてくれる「LINE@」の登録はこちら。大好評につき、登録者11,000名突破。

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
07/04 金曜日
06:10
米上場ナノ・ラボ、72億円で仮想通貨BNB追加購入
ナスダック上場のナノ・ラボが74,315BNBを約5000万ドルで購入。総額5億ドルの転換社債プログラム第1弾として、BNB流通量の5-10%保有を目指す。
05:50
上場企業の仮想通貨トレジャリー戦略に警鐘、F・テンプルトンが「負の連鎖」リスク指摘
フランクリン・テンプルトンのアナリストが流行する企業の仮想通貨トレジャリー戦略について分析。プレミアム維持の困難さと市場下落時の負の連鎖リスクに警告。
05:35
ルミス議員、仮想通貨税制改正法案を再提出 300ドル未満取引の免税など盛り込む
ルミス上院議員が仮想通貨税制改正法案を再提出。300ドル未満の小額取引免税、マイニング・ステーキング報酬の二重課税解消など包括的な改正を提案。
07/03 木曜日
18:23
Aptos LabsがYellow Cardと提携、アフリカ20カ国で手数料無料のステーブルコイン送金開始 
Aptos LabsとYellow Cardが提携し、アフリカ20カ国で手数料無料のステーブルコイン送金サービスを開始した。USDT・USDC対応で即時決済を実現し、数百万人のユーザーがステーブルコインをより迅速かつ手頃な価格で利用できるようになった。
18:10
ストラテジー社のビットコイン財務戦略:価値創造と潜在リスクの両面
米国のストラテジー(マイクロストラテジー)などビットコイントレジャリー企業の財務モデルを軸に、株式を通じた投資の仕組みやレバレッジ効果、税務上のメリットなどを解説。日本のメタプラネットなど類似上場企業の動きも取り上げ、再現性の条件やリスク要因を多角的に考察する。
17:26
スイスFINMA規制のAMINA銀行、リップル社RLUSDを世界初サポート
スイス金融監督局(FINMA)規制下のAMINA銀行が、リップル社の米ドル建てステーブルコイン「RLUSD」の取扱いを開始。時価総額660億円超のRLUSDをサポートする世界初の銀行として、機関投資家向けに保管・取引サービスを提供。
16:14
米仮想通貨取引所コインベース、「LiquiFi」買収でトークン発行支援事業強化へ
米コインベースがトークン管理プラットフォーム「LiquiFi」を買収。トークン発行者を初期段階から支援するプラットフォームであり将来的に機関投資家向けサービスにも統合予定だ。
16:02
オルタナ信託設立とProgmat・ALTERNAの協業深化
三井物産デジタル・アセットマネジメントは、デジタル証券特化の信託会社「オルタナ信託」を設立。Progmatと協業し、ST発行・管理基盤を導入。ST市場の効率化と拡大を目指す。
12:04
ビットコイン反発で11万ドルに接近、Bitfinex分析ではQ3の季節性要因を警戒
仮想通貨取引所ビットコインは前日比+2.6%の108,733ドルまで上昇。Bitfinexレポートによると、4月安値から50%反発後は10-11万ドルのレンジ相場に移行し、第3四半期の季節性要因で平均リターン6%の「最弱四半期」を警戒する。一方、米国初のソラナステーキングETFが取引開始し初日3,300万ドルの好調なスタートを記録。
09:50
「ビットコイン保有者の大多数が含み益、HODLが主流に」Glassnode分析
Glassnodeの週次レポートによると、仮想通貨ビットコイン投資家の大多数が含み益状態で、長期保有(HODL)が市場の主要メカニズムになっている。
09:31
米SIFMA、証券トークン化の規制作りでSECに要望書簡送付
米SIFMAはSECに対し、RWAに分類される株などの証券のトークン化に対する規制整備について提案を行った。オープンで透明性の高いプロセスを通して、ルールを作るべきだと主張している。
08:55
米テック富豪ら、仮想通貨向け銀行「Erebor」設立を計画=報道
ピーター・ティール氏らテック投資家が仮想通貨企業向け銀行Erebor設立を計画。全米銀行免許を申請、シリコンバレー銀行の後継を目指す。
08:20
米上場の中国系アパレル企業アデンタックス、ビットコインを最大12000BTC買収へ
ナスダック上場の中国系企業Addentaxが最大1万2000BTCの買収で基本合意。約13億ドル相当を株式交換で取得予定、5月発表の8000BTCから規模拡大。
07:55
ブラックロックのIBIT、手数料収入が「S&P500ETF」超え
ブラックロックの仮想通貨ビットコインの現物ETF「IBIT」は、同社のS&P500のETFよりも手数料収入を生み出していることがわかった。IBITはビットコインETFの資金フローを主導している。
07:30
ドル指数が2022年以来の安値に、ビットコインや金に与える影響と今後の見通し=Cryptoquant分析
Cryptoquantが2日に発表した分析によると、ドル指数が2022年来安値を記録する中、ビットコインは膠着状態が続く。長期保有者の含み益減少も指摘。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧