はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習 WebX
CoinPostで今最も読まれています

米SEC、未登録の仮想通貨ICOプロジェクトに罰金を下さず|今後の重要事例に

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

米SEC、未登録ICOに罰金下さず
SEC(証券取引委員会)は米時間20日、2017年末にICOで約14億円の資金調達を行った米Gladius社を「未登録ICO」として取り締まりした事を発表した。今回の事例がなぜ重要なのかを解説。

米SEC、自己申告の未登録ICOに罰金下さず

米SEC(証券取引委員会)は20日、セキュリティ企業Gladius Network社を未登録ICOを行った容疑で取り締まりした事を発表した

米SECが取り締まり事例としては初めて、「未登録ICO」という言葉が用いられた事例となった。これまで、ICOが有価証券法に違反するかどうかという議論は活発に行われてきたが、このような事例は確認されていない。

注目すべき点は、Gladius Network社側が、未登録証券を行った可能性があるとして、SEC側に自己申告を行なっていた点で、未登録ICOとして取り締まりされたものの、罰金の請求は行われなかった。

これは、未登録証券問題の新たな指標となり得る事例であり、米国におけるICOプロジェクトの動きにも変化が見られるかもしれない。

今回の流れ

米ワシントンDCに拠点を置き、DDos攻撃の防止を目指すセキュリティ企業のGladius Network社は、2017年末にICOで1270万ドル(約14億円)相当の資金調達を行なった。しかし、昨年8月に、米SECに証券法を違反していた可能性があるとして、自ら当局側に申告をしていた。

この際に同社は、ICOで調達した資金の全額返上を行い、有価証券としての登録を行う方針をSEC側に示したという。

米SECの取り締まりを行なった資料にて米SECはGladius社に対して罰金を下す文面がなかったことが明らかになっている。

過去にもSECはトークンを発行する前に資金を投資家に返上したMunchee社に対して罰金を下していなかった事例が確認されており、投資家への資金返済の有無と登録の意向を示している点が、現段階での罰金を下さない基準になっている可能性が浮上した。

米証券取引委員会のサイバー部門チーフのRobert A. Cohen氏は以下のようにコメントしている。

SECは証券であるデジタルトークンを発行する際には必ず証券法を遵守しなければならないことを企業に対して明確に示してきた。

本日のケースでは未登録の公募を行った場合でも自己申告や改善に向けた措置をとった際のメリットが見られる。

Gladius社は今後、2017年のICOでGRAトークンを購入した投資家に資金を返上した後、米証券法に基づいてトークンの有価証券としての登録手続きを行っていく模様で、今後もSEC側に定期的にレポートを提出していく方針だ。

Gladius社の件はICO案件に対して厳しい姿勢を示す米SEC側としては珍しい事例で、昨年11月には未登録証券の疑いで、Airfox社とParagon社の行ったICOが未登録証券に該当したことから投資家への資金返上、トークンの有価証券としての登録とさらに約2800万円の罰金の支払いが命じられていた。

米SEC側の狙いとしては、投資家への資金返上の上にさらに罰金を下さない事で、ICOプロジェクトの未登録証券としての登録を促す動きだと言えるだろう。

ICOを行う企業やプロジェクトも急激に減少している中、仮想通貨の全く規制されていない状況が終わろうとしている。

▶️本日の速報をチェック

CoinPostの関連記事

仮想通貨市場に関わる最有力「ビットコインETF」に新たな動き、米SECの審査判断は4月上旬
米国証券取引委員会は、審査予定を告示していたVanEck版「ビットコインETF」の申請を連邦官報で公開した。市場関心度の高い審査判断に関するカウントダウンの始まりを意味している
米SECが2つの仮想通貨を未登録証券と判断|有価証券問題と専門家の意見
米SECは、米時間金曜日、2つのICOプロジェクトに対する告訴にて、ICOトークンを未登録証券とみなし、投資家への返金、証券登録および罰金を課したと発表した。これは、ICOの有価証券問題における取り締まりの重要な事例となるとされている。今回もこの問題の重要性と、法律家を含む専門家の意見を引用し、今後仮想通貨業界への影響を考察した。
CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
12/20 土曜日
13:22
イオレがビットコイン追加取得、累計保有量101BTC超に
日本上場企業イオレが約1億6640万円分のビットコインを追加取得。ネオクリプトバンク構想の初期トレジャリー運用の一環として実施され、2026年3月期中に120億円から160億円規模の取得を目指している。
11:55
ブラックロックのビットコイン現物ETF、年初来リターンはマイナスも流入額6位入り
ブラックロックのビットコイン現物ETF「IBIT」が年初来のETF流入で6位にランクインした。一方でリターンはマイナスとなっており背景にある投資家心理が注目される。
10:50
メタプラネット、米国預託証券プログラム設立
ビットコイン保有企業メタプラネットがドイツ銀行を預託銀行とする米国預託証券プログラムを設立し、19日より米国店頭市場で取引を開始する。米国投資家の利便性向上と流動性拡大を目指す。
10:33
ビットコイン提唱者ルミス米上院議員が再選不出馬、仮想通貨法案成立に注力へ
仮想通貨推進派として知られるシンシア・ルミス上院議員が2026年の再選不出馬を表明した。任期終了までに包括的な仮想通貨規制法案や税制改革の成立を目指す方針を示している。
10:05
「ビットコイン価格は2035年に2億円に到達」CF Benchmarksが強気予想
CF Benchmarksが2035年の仮想通貨ビットコインの価格を基本シナリオで142万ドルと予想した。ゴールド市場のシェアを獲得することなどを前提とし弱気・強気シナリオも算出している。
09:10
イーサリアム、Glamsterdamの次のアップグレード名は「Hegota」
仮想通貨イーサリアムでGlamsterdamの次に実施されるアップグレードの名称がHegotaに決定。2025年と同様、イーサリアムは2026年に2回アップグレードを行う可能性がある。
08:15
ビットコイン、弱気相場入りか クリプトクアントが需要減速を指摘
クリプトクアントが仮想通貨ビットコインの需要成長鈍化を指摘し、弱気相場への移行を指摘。ETFの純売却や大口保有者の需要縮小、デリバティブ市場のリスク選好低下などが要因として挙げられている。
07:10
コインベース、2026年の税制変更で予測市場がギャンブルより有利になると指摘
コインベースが2026年の見通しレポートで、トランプ大統領が署名したワン・ビッグ・ビューティフル・ビル法により予測市場が従来の賭博より税制面で有利になる可能性があると指摘した。
06:50
アーサー・ヘイズ、FRBの新資金供給策RMPでビットコイン4年サイクル論が終焉と再度主張
著名トレーダーであるアーサー・ヘイズ氏がFRBの準備金管理購入プログラムを分析し、実質的な資金供給(QE)により仮想通貨ビットコインの従来の4年サイクルが崩れたとの見解を示した。ビットコインは2026年に20万ドルに向かうと予測。
06:20
仮想通貨の冬到来か、フィデリティ責任者がビットコインの2026年底値を6.5万ドル付近と予測
フィデリティのグローバルマクロ責任者ジュリアン・ティマー氏がビットコインの強気サイクル終了の可能性を指摘し、2026年の底値を6.5万ドルから7.5万ドルと予測した。機関投資家の参入により従来のサイクル論が変化しているとの見方が広がっている。
05:45
米FRB、仮想通貨企業向け「簡易版マスターアカウント」開設に進展か
米連邦準備制度理事会が仮想通貨関連企業を含む適格機関に決済サービスへの限定的なアクセスを提供する「ペイメントアカウント」案についてパブリックコメントを募集開始。
12/19 金曜日
17:38
税制改正大綱で仮想通貨税制が大きく前進、申告分離課税20%と3年間の繰越控除を明記
政府・与党が2026年度税制改正大綱を決定。暗号資産取引に申告分離課税を導入し、税率は株式と同じ一律20%に。3年間の繰越控除制度も創設される。金商法改正を前提とした条件付きで、2028年施行の見通し。昨年の「検討」から具体化が進み、web3業界の発展に向けた重要な一歩として評価されている。
15:33
米国法銀行初、SoFiがステーブルコイン「SoFiUSD」を発行
米ソーファイ・テクノロジーズが完全準備型の米ドルステーブルコイン「ソーファイUSD」を発表した。パブリックブロックチェーン上でステーブルコインを発行する米国法銀行として初の事例となる。
14:15
2025年の仮想通貨盗難被害額5300億円突破、北朝鮮関連グループの犯行目立つ=チェイナリシス
チェイナリシスが2025年の仮想通貨盗難事件についてレポートを発表。総額5300億円規模であり、Bybitハッキングなど北朝鮮関連グループによる犯行が目立っている。
14:13
サークル、インテュイットと提携 USDC で税金還付や企業決済に対応
ステーブルコイン大手サークルが金融テクノロジー企業インテュイットと複数年の戦略的提携を締結。TurboTaxやQuickBooksなどでUSDCを活用した税金還付、送金、決済サービスを展開し、年間15兆円超の取引に対応へ。
通貨データ
グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧