イーサリアムがアップグレードを完了
仮想通貨イーサリアム(ETH)が、大型アップグレード「ベルリン」を完了したことがわかった。
アップグレード後に一部のノードが同期できない事象が確認されたが、その問題も解決しているという。主にガスコストの調整やネットワークの効率性向上に取り組んだ大型アップグレードは、無事に完了した模様だ。
関連:ハードフォーク「Berlin」控えたイーサリアムが過去最高値更新、コインベース株式上場で祝賀ムードは一服
ベルリンは当初、2020年6月か7月頃に実施することを予定していたアップグレード。その後に延期し、実行のタイミングをブロック高「12,244,000」に指定して、そのブロック高に達した15日にアップグレードが実行された。
イーサリアム財団のブログによると、今回のアップグレートで実装された改善案(EIP)は以下の4つ。
- EIP-2565:モジュロ演算で消費するガスコストを削減
- EIP-2929:特定のオペコードにおけるガスコストの引き上げ(オペコード「SLOAD」、「*CALL」、「BALANCE」、「EXT*」、「SELFEDESTRUCT」が初めてトランザクションで利用される際に適用)
- EIP-2718:新たなトランザクションタイプを導入して、複数のトランザクションタイプをより容易にサポートをする機能を追加
- EIP-2930:アクセスリストを含むトランザクションタイプの追加(EIP-2929で提案されたガスコストの増加を抑制できる)
次回は、手数料(ガス代)システムが変更される「EIP-1559」の導入を予定するアップグレード「ロンドン」が、21年7月頃に実施される予定だ。
関連:市場の関心集めるイーサリアム改善案「EIP-1559」Deribitアナリストが分析
関連:イーサリアム3年ぶりの過去最高値更新、高騰要因に4つの理由
今回発生した問題
Githubのサイトによると、一部のノードが同期できなくなる問題は、ブロック高「12,244,294」後に発生したという。
「OpenEthereum」のクライアントを利用するノードで発生した模様で、例えば「go-ethereum(geth)」を利用するノードからは問題は起きていないとの報告が上がっている。現時点でOpenEthereumのノードが、ネットワーク全体に占める割合は12.2%だ。
米大手取引所のコインベースがイーサリアムとERC20規格のトークンの出金を停止したほか、イーサリアムネットワークの取引を閲覧できるEtherscanも同期に問題が発生するなどの影響が出た。
すでにEtherscanが問題が解決したことを報告し、コインベースも公式ホームページにて、出金が再開したことを伝えている。
また、イーサリアム(ETH)はベルリンアップグレードの実装に際し、過去最高値を更新。一時2,544ドル(約276,000円)まで上昇した。