仮想通貨市場のデータ動向
5月第3週の暗号資産(仮想通貨)市場。ビットコイン(BTC)は一時34,000ドルまで急落するなど、1月末の水準に到達。
一方で、一時重要水準の40%まで下がっていたドミナンス(市場占有率)はCMCの統計では下落相場の中で46%まで回復した。
イーサリアム(ETH)も下落傾向を見せ、一時2,100ドル台まで急落。19日には大規模ロスカットが再び発生し、BTCとETHを含む全面安の様相を呈した。
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時価総額TOP20の騰落率
イーサリアムが前週比-34.94%、バイナンスコイン(BNB)が-45.22%、ユニスワップ(UNI)が前週比-47.2%とDeFi市場崩壊の影響が色濃く出た仮想通貨市場の下落転換だが、その中でも持ち堪えた時価総額上位銘柄は以下の通り。(ステーブルコインは除く)
- ポリゴン(MATIC):0.02%
- ソラナ(SOL):-9.14%
- カルダノ(ADA):-22.57%
- ビットコイン(BTC):-19.16%
先週時価総額20位に浮上したポリゴン・ネットワーク(MATIC)が、月曜時点では最も高い騰落率を維持。21日にコインベース上場を果たした仮想通貨ソラナ(SOL)も大幅下落したものの本日にかけて一時+30%反発するなど、下落相場の中で反発の強を印象付けた。
また下落相場の最中、米Circle社は独自のステーブルコインUSDCをさらに発行。流通量は200億ドル(2.2兆円)を突破するなど、時価総額8位にランクインした。
20 Billion USDC in circulation. 500% growth since Jan 1. USDC now 8th largest cryptocurrency. Let’s go! pic.twitter.com/k25TbbQZuv
— Jeremy Allaire (@jerallaire) May 23, 2021
ビットコインのオンチェーンデータ
先週注目のオンチェーンデータは以下の通り。
ビットコイン先物のOI
米シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)のビットコイン先物のOI(未決済建玉)は以下の通り。3月、4月とビットコイン先物のOIは徐々に減少傾向にあることが伺える。
トレンド転換の気配?
ビットコイン等のオンチェーンデータを分析・調査して、トレーダー向けに情報を提供するCryptoQuantのKi Young Ju CEOが、ビットコインの「底は近い(下落の終わり)」とするコメントをツイートした。
Ki氏がこう指摘した理由には、仮想通貨取引所へのビットコイン流入数を表す「All Exchanges Inflow Mean(7d MA)」の資金流入状況が、昨年3月のコロナ・ショック、12月の急落以来の水準(2.5BTC水準超え)を付けた。同指標がクールダウンしたタイミングが底を示すと見ている。
CryptoQuantのKi Young Ju CEO「底は近い」
— 各務貴仁|CoinPost・Links (@coinpost_kagami) May 24, 2021
仮想通貨取引所のBTC流入が過去7日間平均額(All Exchanges Inflow Mean)で、2.5を超えたと指摘した。
過去に同水準を超えた一定タイミング後にビットコインが上昇傾向に転じており、上昇シグナルとしてKi氏が注目している指標。https://t.co/ix0l2p2WJ7 pic.twitter.com/3cQHZh7Xfu
All Exchanges Inflow Meanは、大口投資家となるクジラの活動状況をの7日移動平均線で示すもの。仮想通貨取引所へのBTCの週間平均流入額を表す。
指標的にはBTCの売り圧力が警戒される一方で、過去の相場を参照すると、すでに大量の売り圧をこなして相場急落はセリングクライマックスを示唆しており、底打ち後にトレンド転換する傾向にあった。
現在の仮想通貨市場は、継続的な投げ売りが連鎖している状況で、BTC価格は約1週間で最高値から半値水準まで下落。中国の規制強化に対する不透明感は否めないが、底打ち反転のタイミングを探る動きも散見される。
Ki氏は過去のデータから、大規模な下落相場の時にクジラがビットコインをデポジット(入金)して売却に備える動きが同指標に関連していると分析。一般的に大口投資家は、個人投資家が活発になる流動性が高いタイミングで活発な動きを示す傾向から、同指標が確認された後に、底打ちする傾向が示されているとの指摘だ。
データは大口投資家の売り圧力を警戒する見方もできるが、7日平均である(リアルタイムではない)点から、その限りではない。
同指標は、データ分析企業を運営するKi氏が、ビットコインを底で購入するために注目している4つのステップに含まれるもので、以下の通りに説明した。
How to buy $BTC at the global bottoms:
— Ki Young Ju 주기영 (@ki_young_ju) March 23, 2021
1. $BTC drops hard over -30%
2. All Exchange Inflow Mean (MA7) spikes over 2.5 BTC
3. The indicator cools down
4. ALL-IN $BTC
5. Become a billionaire and give a tip to @cryptoquant_com
Chart 👉 https://t.co/jnuMtC7znJ pic.twitter.com/DMsA89XKOI
- ビットコインが30%を超えて大幅安になる
- All Exchanges Inflow Meanが2.5BTCを超える
- インジケーターが落ち着く
- ビットコインにALL-in
イーサリアムのオンチェーンデータ
イーサリアムのオンチェーンデータ解説は以下の通り。
ETH2.0 ステーキング額
イーサリアム2.0のステーキング額は約459万ETHから476万ETHと、3.7%の増加を見せた。ETH2.0のステーキングは4月27日に400万ETHを突破して以来、これまでを上回るペースを維持。
下落相場の中でもステーキング額は増加を続けている。
ステーキングはブロックチェーン上で仮想通貨をロックすることで、配当として仮想通貨を得る資産運用手段を指す。
総ステーキング額:約476万ETH
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イーサリアムのマイニング収益は5ヶ月連続ATH
直近2週間ほど下落を続けるイーサリアムだが、ETHマイナーの月間収益は既に過去最高を更新している。
イーサリアムのマイナー収益は2021年に入り、毎月ATH更新を継続するなど、増加傾向にある。中でも月間収益におけるトランザクション手数料(図のピンク部分)の比率が増えており、ETH価格の上昇やネットワークの渋滞に伴う取引手数料の高騰を反映していると言えるだろう。
一方で、イーサリアム財団は18日、ETH2.0に移行して完全にマイニングを要さないPoS(プルーフ・オブ・ステーク)に移行した際の消費電力を予測するレポートを公開。仮想通貨マイニングの環境負荷が懸念される中、PoSコンセンサスへの移行後は消費電力が99%削減できるという概算を出し、注目を集めた。
関連:ETH2.0移行後は消費電力が99%削減か=イーサリアム財団の調査
DeFi(分散型金融)
分散型金融(DeFi)関連のプロトコルのTVLは、価格の下落に伴い1,659億ドルから1090億ドルと大幅に減少した。
TVL(Total Value Locked)は、DeFiプロトコルへ預入れされた仮想通貨資産の総ロック額を指す。
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UNI、CAKE前週比推移
DeFi上位銘柄のユニスワップとパンケーキスワップの前週比は以下の通り。(22日時点)
- ユニスワップ(UNI):21.24(-47.2%)
- パンケーキスワップ(CAKE):16.64(-47.6%)
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NFT上位銘柄:前週比
NFT(非代替性トークン)関連銘柄の騰落率は以下の通り。(22日時点)
- シータ(THETA):6.49(-35.3%)
- チリーズ(CHZ):0.259329(-40.7%)
- エンジンコイン(ENJ):1.21(-43.1%)
クリプト指標
日程 | 指標 |
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5/24~5/27 | Consensus by CoinDesk 2021 |
Consensus by CoinDesk 2021開催へ
5月24日~27日
仮想通貨メディアCoinDesk社は米時間5月24日から5月27日にかけて大型カンファレンス「Consensus by CoinDesk」を開催する。2015年9月に開始した同カンファレンスは、毎年米ニューヨークで開催されてきたが、コロナ禍の影響でオンライン上で実施される。
世界中から仮想通貨・ブロックチェーンの専門家が一堂に会し、最先端技術の進化を探ることを目的とした教育用パネル、ワークショップ、基調講演、ファイヤーサイド・チャット、ネットワーキングなどが行われる。
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関連:クリプト指標導入「CoinPostアプリ」の使い方をトレーダー目線で解説|寄稿:Bit仙人
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