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ビットコインドミナンス3年ぶり水準の30%台に、大型アップグレード「Taproot」賛成派は6割超え CoinPost週次データレポート

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仮想通貨市場のデータ動向

5月第2週の暗号資産(仮想通貨)市場。米テスラ社のビットコイン(BTC)決済中止の報道などの影響で相場は全面安に。株式相場が大荒れ模様となった影響も重なり、ビットコインは4月末以来となる5万ドル割れとなった。

また、BTCの下落傾向とアルト銘柄の台頭を受け、BTCドミナンス(市場占有率)は2018年6月以来、約3年ぶりに40%ラインを下回った。

出典:CoinMarketCap

一方、イーサリアム(ETH)は12日には4,350ドル(約47万円)まで過去最高値を更新。BTC建では一時2018年5月以来の水準に達するも、その後大幅下落している。

関連:週刊仮想通貨ニュース|ソフトバンク孫会長がビットコインに言及で注目、テスラ社報道受け仮想通貨が下落

時価総額TOP20の騰落率上位

時価総額上位銘柄でも高い騰落率を見せた銘柄は以下の通り。

  • Polygon(MATIC):141.22%
  • カルダノ(ADA):40.83%
  • ポルカドット(DOT):18.40%
  • ステラ(XLM):10.35%
  • イーサリアム(ETH):9.80%

年初から好調で、クロスネットワーク・ハブの構築に取り組むポリゴン・ネットワーク(MATIC)も頭角を現し、14日に時価総額19位にランクイン。また15日にはカルダノ(ADA)がドージコイン(DOGE)に代わり、4位に浮上した。

ビットコインのオンチェーンデータ

先週注目のオンチェーンデータは以下の通り。

採掘プールのハッシュレート再急落

中国の仮想通貨事情に精通する有識者のColin Wu氏は16日、ビットコイン全体のハッシュレートが急落したと指摘。BTC採掘の大きな拠点である、中国四川省における計画停電が影響したと説明した。

主な要因は現地の気候が暖かくなっている上、産業の電力消費の拡大に水力発電が追いついていない。雨の多い年に比べ、30%近く少ない状況だ。

電力会社は16日14時から臨時停電の開始を発表した。

Wu氏によれば、以下の大手マイニングプールで、採掘速度を示すハッシュレートの急低下が確認されたという。

  • Antpool:-16%
  • F2pool:-11%
  • Binancepool:-14%
  • Huobipool:-23%

CoinPostの合弁会社LinksのSonny Wang COOも「新疆、内モンゴルに続き、四川省でもマイニング業者が当局に強制停電された」と指摘した。

仮想通貨データサイトBitInfoChartsのデータでも、週末にかけてビットコインのハッシュレートが急激に減少したことが伺える。

出典:BitInfoCharts

Taprootの採用率

今月1日リリースされた「Taproot」の実装テストの経過は順調の様子だ。

17日時点では、Taprootの実装を表明する「シグナル・ブロック」を点灯しているブロックは15.63%。なお、本格的に実装するためには、テストが終了する8月頃までに90%に到達する必要がある。

Taprootの支持を表明しているマイニングプールの総数は60.12%。現状では、大手マイナーではBTC.comやHuobiプール、Binanceプールなどが支持を表明していない。

出典:Taproot Activation

仮に、期限日までにTaprootの支持率が90%に達しなかった場合、Taprootのアクティベーションに向け他の方法が検討されることとなる。

Taprootとは

TaprootはSegWit以来とされる、ビットコインの大型アップグレード。主な機能としては、取引に署名するための暗号技術であるシュノア署名技術や、MAST(Merkelized Abstract Syntax Tree=マークル化抽象構文木)をビットコインネットワークに導入する。

導入するメリットとしては、ビットコインのプライバシー機能や、処理機能の向上、ライトニングネットワークなどの利用コストの低下などが挙げられる。

関連:ビットコインの大型アップデート「Taproot」の実装テスト開始

ビットコイン先物のOI

米シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)のビットコイン先物のOI(未決済建玉)は以下の通り。3月、4月とビットコイン先物のOIは徐々に減少傾向にあることが伺える。

イーサリアムのオンチェーンデータ

ETH2.0 ステーキング額

イーサリアム2.0のステーキング額は約438万ETHから459万ETHと、4.79%の増加を見せた。ETH2.0のステーキングは4月27日に400万ETHを突破して以来、これまでを上回るペースを維持している。

ステーキングはブロックチェーン上で仮想通貨をロックすることで、配当として仮想通貨を得る資産運用手段を指す。

総ステーキング額:約459万ETH

出典:CryptoQuant

関連:仮想通貨ステーキングとは|初心者でもわかる「報酬」の仕組み

DeFi(分散型金融)

分散型金融(DeFi)関連のプロトコルのTVLは1,426億ドル(約15兆円)から1,659億ドル(18兆円)と約16%増加した。

TVL(Total Value Locked)は、DeFiプロトコルへ預入れされた仮想通貨資産の総ロック額を指す。

出典:DeFi Llama

関連:DeFi(分散型金融)とは? 特徴と仕組みを初心者にもわかりやすく解説

UNI、CAKE前週比推移

DeFi上位銘柄のユニスワップとパンケーキスワップの前週比は以下の通り。(15日時点)

  • ユニスワップ(UNI):38.85(-2.3%)
  • パンケーキスワップ(CAKE):30.43(-15.4%)

関連:PancakeSwapが稼働するブロックチェーン、バイナンス・スマートチェーンとは

NFT上位銘柄:前週比

NFT(非代替性トークン)関連銘柄の騰落率は以下の通り。(15日時点)

  • シータ(THETA):9.83(-14.9%)
  • チリーズ(CHZ):0.4792(-5.3%)
  • エンジンコイン(ENJ):2.09(-16.3%)

関連:非代替性トークンNFTとは|主な特徴と将来性を解説

クリプト指標

              
日程 指標
5/18 CoinExchange.io出金再開
5/19~5/20 Polkado Decoded 2021開催へ
5/22 ビットコイン・ピザー・デー

CoinExchange.io、出金再開

2021年5月18日

閉鎖された取引所CoinExchange.ioが約1年半ぶりに出金再開するアナウンスを発表。

2018年以降の下降相場が要因で取引所を運営できず事業撤退を公式アナウンスし、2019年10月15日に終了させていた。

今回、正式な取引所閉鎖手続きに伴い、出金を再開するとのこと。

出金は5月18日より開始し、締め切りは別途アナウンスされるとのこと。

関連:2019年事業撤退の仮想通貨取引所、顧客資産の出金再開へ

Polkado Decoded 2021開催

2021年5月19日~20日

2021年5月19日から20日まで、2日間にわたってPolkado Decoded 2021の開催を発表。

このカンファレンスでは、Polkadot創業者であるGavin Wood氏によるBarstool chat Web3のビジョンと、それを実現するための構想について講演する。

また、40人のグローバルな登壇者が、Polkadotエコシステムやより広範なブロックチェーンにおけるトピックについて講演を行う。

ビットコイン・ピザー・デー

2021年5月22日

11年目となる通称「ビットコイン・ピザー・デー」は2010年、約10,000BTCとピザ2枚が交換された日を記念している。初めてビットコイン決済が行われた日を憶え、毎年祝われている。

重要ファンダ情報などのクリプト指標カレンダーは、CoinPostアプリ(iOS)、TAOTAOアプリ(iOS/Android版)で好評配信中。

関連:クリプト指標導入「CoinPostアプリ」の使い方をトレーダー目線で解説|寄稿:Bit仙人

前週の週次レポートはこちら:ATH更新イーサリアムのステーキング数「前週比+30万ETH」と加速

注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
12/09 土曜日
16:20
2024年仮想通貨市場予測、アルトコインへのシフトや企業のトークン保有増
VanEck社が発表した2024年の仮想通貨市場予測を詳細に分析。ビットコイン半減期の影響、イーサリアムの市場ポジション、企業の暗号資産保有増加など、15の重要なトレンドを探求。仮想通貨業界の次の発展段階を見据えた包括的なレポート。
13:30
フリービットの格安スマホ、TONE Coin報酬と株主専用NFTでWeb3事業拡大
フリービット株式会社が格安スマホ市場に新たな一手。Web3の世界への進出と共に、「TONE Coin」報酬システムを導入し、株主に特別なNFTを提供。スマートフォンユーザーの参加を促し、非中央集権化ブロックチェーンコミュニティの拡大を目指す。
12:30
米国議会、国防権限法で仮想通貨関連条項を不採用
米国議会は2024会計年度国防予算の枠組みを決める国防権限法を発表。ビットコインなど仮想通貨やブロックチェーンに関する条項は採用されなかった。
11:20
コインベース、L2仮想通貨銘柄などの先物を提供へ
米仮想通貨取引所大手コインベースは、Optimism(OP)、Arbitrum(ARB)、Ethereum Classic(ETC)のパーペチュアル先物取引を新たに提供する予定を発表した。
10:25
大手銀BBVAスイス支社、リップル社傘下のMetacoと提携
欧州の大手銀BBVAのスイス部門は、仮想通貨のカストディで米リップル社傘下のメタコと提携すると発表した。現実資産トークン化も念頭に置いている。
09:10
堅調な米雇用統計で早期利下げ観測やや後退 ビットコイン反発で仮想通貨関連株大幅高
仮想通貨ビットコインはフィデリティのSEC面談のニュースなどを受けて再び44,000台に復帰。ソラナは「JTO」エアドロップの実施や、NFTでイーサリアムNFTの出来高を超えたことに連動し大幅に上昇し再び年初来高値を更新した。
08:15
ソラナNFT、初めてイーサリアムNFTの出来高超えて1位のチェーンに
ソラナ・ブロックチェーン基盤のNFTの出来高は24時間ベースで、初めてイーサリアム・ブロックチェーンのNFTの出来高を超えた。
07:25
フィデリティもビットコインETFの上場申請でSECと技術的会議 BTC価格上昇
米SECは仮想通貨現物型ビットコインETFの上場申請について、今週7日に申請側のフィデリティと会議を行ったことが判明した。
07:05
Starknet、独自仮想通貨STRKの配分計画を一部発表
仮想通貨イーサリアムのL2「Starknet」を推進するStarknet財団は、STRKトークンの配分計画を一部発表。ユーザーへの割当についても説明している。
12/08 金曜日
18:39
ビットコインETFへの資金流入予測、金ETF事例や経済環境から算出
ビットコイン現物ETFが承認された場合の資金流入見込みに関してVanEck社が予測レポートを出した。米経済の景気後退予測や金ETFの事例、過去の金融経済動向を基に、暗号資産(仮想通貨)市場の新たな潮流を探る。
18:25
来年11月までにビットコインの過去最高値を予測、上昇要因に半減期や米大統領選|VanEckレポート
仮想通貨ビットコインが2024年11月に過去最高値を記録するとの予測。半減期と米大統領選が影響。VanEckによる予測と市場サイクルの分析内容を解説。
14:26
米大手ベンチャーキャピタルa16z、「2024年に期待する9つの仮想通貨トレンド」を発表
米大手VCアンドリーセン・ホロウィッツは、2024年に仮想通貨領域で期待されるトレンドのリストを発表。分散化、人工知能(AI)、顧客体験の向上などの9項目に言及した。
12:30
米下院エネルギー委員会、ブロックチェーン促進法案を可決
米国の下院エネルギー・商業委員会は、ブロックチェーン技術や分散型台帳技術を促進する法案を可決した。米国の競争力強化が期待される法案となる。
12:23
ビットコイン上昇一服、主要アルトはイーサリアム前日比5.6%高、ソラナ(SOL)12.1%高に
暗号資産(仮想通貨)市場では高騰していたビットコインが一服し、アルトコイン相場ではイーサリアムが上昇した。ソラナ(SOL)エコシステムではエアドロップされたJito Networkのガバナンストークン「JTO」が高騰するなど反響を呼んだ。
11:45
サム・アルトマン支援のMeanwhile Group、1億ドルのビットコイン運用ファンドをローンチ
Meanwhile Advisorsが仮想通貨ビットコインに焦点を当てたプライベートクレジットファンドを立ち上げ。BTCで5%の利回りを提供し、2024年第1四半期までに1億ドル調達の計画。OpenAIのサム・アルトマンが支援するMeanwhile GroupはBTCベースの生命保険ビジネスも展開。

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