仮想通貨市場のデータ動向
5月第1週の暗号資産(仮想通貨)市場。
ゴールデンウィーク中の4日には、米財務省のジャネット・イエレン財務長官が経済の「過熱を避けるためには米国金利の利上げもあり得るかもしれない」と発言が、投資家の警戒するテーパリング(金融緩和縮小)を示唆したことで、米株をはじめ、ビットコイン(BTC)など仮想通貨市場にも余波が見られた。ドミナンス(市場独占率)の大幅下落が続く最中でも、ビットコイン(BTC)の週間騰落率は+7%と上昇。依然として高値圏を維持している状況にある。
目立っているのがイーサリアムで、3,000ドルから過去最高値を相次いで更新。10日時点で4,000ドルを記録した。
【価格アラート】
— CoinPost -仮想通貨情報サイト-【アプリ配信中】 (@coin_post) May 10, 2021
暗号資産(仮想通貨)イーサリアム(ETH)が、過去最高値の4,000ドルに達した。円建て435,000円。
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関連:なぜイーサリアムへの資金流入が続くのか、高騰続く背景は
イーサリアムの検索ボリュームが過去最高水準
Google Trend上では、5月第1週におけるイーサリアム(Ethereum)の検索数が2017年のバブル期水準を突破。個人投資家からの関心の高さが伺える。
時価総額TOP20の騰落率上位
- イーサリアム・クラシック(ETC):290.87%
- ドージコイン(DOGE):94.47%
- イオス(EOS):82.72%
- ビットコインキャッシュ(BCH):49.15%
- ライトコイン(LTC):35.50%
時価総額上位銘柄では、米投資アプリ「ロビンフッド」の関連銘柄が軒並み好調だった。イーサリアムクラシックの暴騰は特に顕著で、1週間弱で時価総額ランキングで31位から16位まで昇り上げた。
関連:「DOGE、ETC、BCH」米大手投資アプリRobinhoodで取り扱う仮想通貨が軒並み高騰
ドージコインも時価総額4位に浮上。8日の米人気番組「サタデー・ナイト・ライブ」のイーロン・マスク氏登場のファンダで関心が高まった。一時「セルザファクト」相場が発生するも、9日には、Space Xが「DOGE 1」と呼ばれる小型人工衛星を月に送ることが報道され、高値圏での推移が続く。
ビットコインのオンチェーンデータ
米シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)のビットコイン先物のOI(未決済建玉)は以下の通り。
イーサリアムのオンチェーンデータ
ETH2.0 ステーキング額
先週、ETH2.0に預け入れられたステーキング額の伸びはこれまでよりも好調に推移。前週から約30万ETH(1200億円相当)ほど急増した。
総ステーキング額:438万ETH
4月16日以降、米最大手仮想通貨取引所コインベースで、次世代イーサリアム2.0の最大年利6%ステーキングサービスが提供されており、ETH高騰に伴い大口投資家の関心が加速している可能性がある。
ETH2 staking has begun. We’ve started allowing customers off the waitlist to earn up to 6% APR on their ETH. If you haven’t already, join the waitlist so you can start staking soon. https://t.co/ORMpiikY4E
— Coinbase (@coinbase) April 16, 2021
関連:仮想通貨ステーキングとは|初心者でもわかる「報酬」の仕組み
DeFi(分散型金融)
TVL(Total Value Locked)は、DeFiプロトコルへ預入れされた仮想通貨資産の総ロック額を指す。
関連:DeFi(分散型金融)とは? 特徴と仕組みを初心者にもわかりやすく解説
UNI、CAKE前週比推移
- ユニスワップ(UNI):40.77(-1.2%)
- パンケーキスワップ(CAKE):36.20(-3.9%)
NFT上位銘柄:前週比
NFT(非代替性トークン)関連銘柄の騰落率は以下の通り。(7日時点)
- シータ(THETA):12.29(12.4%)
- チリーズ(CHZ):0.5156(-8.4%)
- エンジンコイン(ENJ):2.63(-0.3%)
クリプト指標
日程 | 指標 |
---|---|
5/10 | Zaif XYMの順次付与開始を発表へ |
5/11 | OKCoinJapanでXRPとLSKの上場を発表へ |
5/15 | BCH ハードフォークを伴うアップデート |
5/15 | Solana グローバル・ハッカソン開催 |
Zaif XYMの順次付与開始を発表へ
2021年5月10日
2021年4月30日、国内大手取引所Zaif Exchangeは、国内で初となる仮想通貨NEMの次期バージョン「Symbol(XYM)」を2021年5月10日(月)から順次付与することを発表した。
今後のスケジュールは以下の通りだ。
- 2021年5月10日(月)以降:XYMの順次付与開始
- 2021年5月17日(月):XYMのOrderbook trading(板取引)での取扱開始予定
- 2021年5月19日(水):XYMの販売所取引(簡単売買)での取扱開始予定
- 2021年5月末:XYMの入出金申請を開始予定
入出金申請開始は、2021年5月末を予定しているが、ブロックチェーンの稼働状況によっては延期する場合がある。注意点として「付与及び買付けによって取得したXYMを送金できるようになるまで、遅延する可能性もある」としている。
関連:国内大手取引所Zaif、仮想通貨ネムの新通貨Symbol(XYM)付与が決定
OKCoinJapanでXRPとLSKの上場を発表へ
2021年5月11日
2021年4月21日、OKCoinJapanはXRPとLSKの取扱することを発表。
現物取引サービスは2021年5月11日16時からの開始を予定している。
関連:仮想通貨取引所オーケーコイン・ジャパン、XRPとLSKの取り扱いを発表
BCH ハードフォークを伴うアップデート
2021年5月15日
2021年5月15日、仮想通貨ビットコインキャッシュ(BCH)は、ネットワークをアップグレードを目的としたハードフォークを予定している。 尚、ハードフォークを伴うコミュニティの分裂や新たなコイン誕生の気配はない。
Solana グローバル・ハッカソン開催
2021年5月15日
2021年5月15日、SolanaはWeb3、DeFi、NFTに焦点を当てたグローバルハッカソン「Solana Season」を開催することを発表。
今回は中国、インド、東欧米、ブラジルの地域を追加されるとのこと。各地域では、独自のサポートプロジェクトや審査員団のほか、オフラインのワークショップやイベントも開催される予定。尚、対象期間は5月15日から3週間としている。
Solana(SOL)とは、高度な取引処理速度とスケーラビリティ、そして低い手数料が特徴のレイヤー1ブロックチェーンである。
前週の週次レポートはこちら:イーサリアム時価総額がディズニー超え──仮想通貨の投資資金、ビットコインからアルトへ
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関連:クリプト指標導入「CoinPostアプリ」の使い方をトレーダー目線で解説|寄稿:Bit仙人