仮想通貨市況
18日の米株式市場では、ダウが前週末比215ドル(0.7%)安と反落した。主要企業の決算は概ね良好であったが、FRB(米連邦準備制度)の金融引き締めが景気を冷やすとの警戒感は依然根強い。
19日の暗号資産(仮想通貨)市場では、ビットコインは前日比+3.9%の305万円(22,129ドル)で推移。日本円建ての300万円台と時価総額1兆ドル水準を取り戻した。
今月中旬までに、仮想通貨ファンドや融資企業の連鎖破綻やCPI(米消費者物価指数)発表への警戒感から18,892ドルまで下げたが、その後下値を切り上げつつ反転した。
今朝方にはレンジ上限(23,000ドル)で反落しており同水準の上値抵抗線を超えられるかどうかが焦点か。足元では過熱感も出始めている。
27日に予定される米連邦公開市場委員会(FOMC)において、FF金利を1.00%利上げするとの見方が30.9%まで減少したことも、警戒感後退で市場心理の緩和をもたらした。
13日に発表された6月度のCPI(米消費者物価指数)では、インフレ指数が40年ぶりの最高値である前年同月比+9.1%に達しており、発表直後の14日時点では、1.00%の追加利上げ予想は約80%に上っていた。
前回のFOMCでパウル議長が判断材料の一つとして言及したミシガン大学の「消費者信頼感指数(確定値)」にて、速報値より下方修正されたことなどが好感された。同マインド指数は、ガソリン価格など米国GDPの7割を占める個人消費の動向を確認するために用いられるものだ。
市場予想を超えた場合はドル買い、下回った場合はドル売りにつながりやすく、上昇の続いていたドル・インデックスが15日以降一服したこともリスク資産に追い風となった。
一方、ウクライナ・ロシア情勢を巡る欧州の経済リスクは極めて高い状態で依然燻るほか、7月末に控える米連邦公開市場委員会(FOMC)の追加利上げ動向をどこまで織り込めているかは懸念材料だ。予想値が下がっていることは「市場が追加利上げ1.00%を十分織り込めていない」ということになるため諸刃の剣であり、既定路線とされる0.75%ではなく、1.00%が選択された場合は大きく荒れるおそれもある。
マクロ経済、及び相場環境がある程度落ち着きを取り戻すまでは、最低数ヶ月〜数年かかるとの見方が大勢を占めるなど、一時的な自律反発に留まると慎重な見立ても少なくない。
オンチェーンデータ分析
Glassnodeは18日、最新の市況レポートを掲載した。
市場価格は、1ヶ月以上に渡って実現価格を下回って取引されており、保有者の”完全降伏”が発生したことを示す多くのシグナルが確認された。
下記のデータでは、今年5月のテラ・ショックで277.7億ドル、6月18日にBTCが2万ドルの節目を割り込んだ急落局面では、過去最大の355億ドルの実現損失を引き起こした。これにより大幅な超過レバレッジは解消され、底打ち反転の兆候を示している。
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欧米を中心とするマクロ経済では資源高やエネルギー供給不足が懸念され、リセッション(景気後退)の論調が日増しに高まるなど依然として厳しい状況にある一方で、Three Arrows Capital(3AC)やCelsiusなどの悪材料は破綻という結末でピークアウトし、業界最大手のFTXなどが救済措置を講じたことで、相場のアク抜けにつながったとの見方がある。
中でも、売られすぎ水準の顕著だったイーサリアム(ETH)は、目先に迫った大型アップグレードThe Merge(ザ・マージ)に向けた進捗のほか、テラ・ショックや3ACに関連したFUDでDeFi(分散型金融)市場の混乱が落ち着いてきたこともあり、買い戻し圧力を強めた。
ヒストリカルデータによれば、BTCが実現価格を下回る累積期間は、セリング・クライマックスからトレンド転換までが早かったコロナ・ショックの例外を除けば、2014〜2015年のベア相場で301日間、2018〜2019年のベア相場で134日間だった。
今回はすでに34日間が経過しているが、弱気相場の底を形成するにあたって調整期間としては不十分との見方もある。
投資家の平均利益/損失を評価するために用いられる「実現価値(MVRV)」では、3.0を超える値は強気市場が過熱していることを示しており、過去の弱気相場では、平均0.85(未実現損失-15%)が大底水準となっている。
利益のBTC供給合計値では、直近最安値の1BTC=17,600ドルまで下落した際の未実現損失9216万BTCは、約1ヶ月の揉み合いを経て1BTC=21,200ドルまで上昇した時点で、7680万BTCに減少した。
これは、ホルダーの世代交代で循環供給の約8%(150万BTC)が入れ替わったことを意味する。新しく取得された暗号資産は、トレンド転換がかなえば未実現利益として再評価されることになる。
時価総額の約55%に相当する未実現損失の合計は、20年3月のコロナショック時を上回り、2018年のベア相場の底値付近に匹敵するという。アルト市場
ここ数ヶ月に渡って過去最悪水準の”総悲観”が続いた反動で、前週末〜週明けにかけて主要アルトが幅広く買われた。
前週比+46.8%のイーサリアム(ETH)を筆頭に、好材料が相次いだ銘柄では前週比+71.4%のポリゴン(MATIC)、前週比+77.6%のUniSwap(UNI)などが相場を牽引した。
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DeFi(分散型金融)プラットフォーム「Lido Finance」は18日、イーサリアム(ETH)のレイヤー2へのサポート拡大を発表。L2では、ステーキングに応じて発行される債券トークンstETHのラップ版である「wstETH」への対応を行う。
Lido is launching stETH on Layer 2 🏝️
— Lido (@LidoFinance) July 18, 2022
Ethereum is scaling, and so is Lido.
Lido stakers will soon be able to use their stETH assets in DeFi on Layer 2.
Read more about it here: https://t.co/QCsQry4V41
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stETHの需要拡大と共に、L2の利用によって取引手数料(Gas代)削減を図ることができる。
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