Web3関連税制に関する提言書
自民党デジタル社会推進本部web3PTは11月10日、暗号資産(仮想通貨)やNFTに関する税制改正に向けた提言「”Web3関連税制に関する緊急提言」を公開した。
自民党デジタル社会推進本部web3PT(平将明 PT座長)は11月10日、「web3関連税制に関する緊急提言」を決定しました。⁰関係部局と連携しながら税制改正の実現に尽力していきます。
— 平将明(たいらまさあき/Taira Masaaki) (@TAIRAMASAAKI) November 11, 2022
平将明衆議院議員公式サイト https://t.co/wEUuOsZmRZ
デジタル社会推進本部は、Web3(分散型ウェブ)を国家戦略の成長エンジンの一つと位置づけ、22年1月にプロジェクトチーム(Web3PT)を設置して検討を続けてきた。
第五回自民党web3PT、テーマはトークンビジネスと監査。日本でトークンビジネスの監査が受けやすくなるための方策につき、新経済連盟、公認会計士協会などから意見聴取。税制改正に付いての緊急提言も取りまとめました。 pic.twitter.com/XmNFsqcmf1
— 塩崎あきひさ 【衆議院議員・愛媛1区】 (@AkihisaShiozaki) November 10, 2022
Web3とは、ピアツーピアの分散型ネットワーク上で展開される”次世代インターネット”として注目を集める概念。NFT(非代替性トークン)や暗号資産、DAO(分散型自律組織)などのユースケースがあり、Web2のような中央管理者なしにプログラム上でサービスが提供される中で、税金を含む法務上の整備が課題となっている。
Web3PT(プロジェクトチーム)は、海外に対して競争力のある税制度を導入することで、Web3関連プロジェクトや投資家を含むエコシステム全体を国内に惹きつけると共に、国内でのトークン流通を促進する環境を整備することで税収増を図るという。
「Web3関連税制に関する緊急提言」のポイントは、企業が保有するトークン(仮想通貨)に対する期末課税や、NFT・仮想通貨の発行体に対する課税方法だけでなく、個人投資家の仮想通貨売買・利用における税務上の課題解決も図る内容となっている。
特に、個人の暗号資産の取引に関わる課税については、総合課税最大55%から分離課税20%への見直しが盛り込まれている。また、暗号資産同士の交換による損益を非課税とすることで、税務申告上の負担を軽減するねらい。
将来的に暗号資産が決済手段となることを見越し、税務上の障害を取り除くことで、取引や交換の利便性を発揮しやすくなると期待される。
「Web3関連税制に関する緊急提言」の要点は以下の通りだ。
-
1.新規発行トークンに投資した法人の期末時価評価課税
(1)自社発行の保有トークンを期末時価評価の対象外へ
(2)第三者が保有する短期売買目的でないトークンを期末時価評価の対象外へ
2.個人の暗号資産の取引に関わる課税
(1)暗号資産取引(現物・デリバティブ)による損益を申告分離課税の対象へ
(2)暗号資産同士の交換による損益を非課税へ
Web3PTとは
今年8月には、金融庁や経済産業省が、企業が自社で発行・保有する暗号資産に対する課税方法を見直す方針を示していた。
Web3PT座長で自民党の平将明議員は、有望なスタートアップ企業が海外に流出することを防ぐ狙いで、新しい方針を2023年度税制改正で議論する計画を明かした。
↓イマココ
— 平将明(たいらまさあき/Taira Masaaki) (@TAIRAMASAAKI) August 24, 2022
「暗号資産」課税見直しへ…新興企業の成長に配慮、海外流出防ぐ : 読売新聞オンライン https://t.co/t2V4caakdT
Web3PTは今週、22年3月に発表した提言書「NFTホワイトペーパー」について、第2弾を作成する計画を発表した。ポイントは、暗号資産(仮想通貨)を巡る税制改革、会計課題、上場審査、分散型自律組織(DAO)に対する環境整備、の4つ。Web3PTは、デジタルエコノミー案件を請け負ってきた弁護士チームで構成され、Web3当事者との議論を重ねている。
関連:金融庁の「貯蓄から投資」を促す姿勢鮮明に、NISA拡充やスタートアップ向け暗号資産税制改正など
関連:自民党Web3PT、NFTホワイトペーパー第2弾起草へ=報道