顧客資産は米破産法の対象外
国内暗号資産(仮想通貨)取引所FTX Japanは1日、サービス復旧に向けた取り組みを発表した。
同社が預かっている顧客資産について、親会社FTXを代理する法律事務所は「FTXが申請した米連邦破産法11条(チャプターイレブン)の対象にはならない」との見解を示したと説明。この見解を踏まえて返還計画を推進し、準備が整いしだい、通常業務の一環として出金・出庫サービスを再開する予定だとしている。
「サービス復旧に向けた取組みについて」お知らせを掲載致しました。こちらをご確認ください。https://t.co/NpVZYYARVg
— FTX Japan (@FTX_JP) December 1, 2022
チャプターイレブンとは
日本の民事再生法に似た再建型の倒産法制度。経営を継続しながら負債の削減などを実施し、企業再建を行う。申請後に債権取り立てが停止され、債務者は負債の整理に取り組み、原則120日以内に再建プランを策定する。
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FTX Japanはこの2週間、出金・出庫サービスを再開するために、基本計画を取りまとめてきたという。FTXの新しい経営陣は、この計画や実施方針を基本的に承認していると説明。計画を実行するための開発は、エンジニアリングチームがすでに開始しているとした。
そして、この計画に沿った具体的なスケジュールは、できるだけ早く知らせる予定だと述べている。
また、顧客の資産について、法定通貨はSBIクリアリング信託株式会社の信託口座で、仮想通貨はFTX Japanのオペレーションチームが管理するコールドウォレットで適切に分別管理していると主張。現在の業務改善命令が継続されている間、資産の管理状況などを毎週月曜日に報告するとしている。
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FTXを代理する法律事務所は、FTX Japanが預かる法定通貨と仮想通貨の預託や保管方法、日本の法律における財産権などを考慮した上で、チャプターイレブンの対象となる財産には含まれないと判断した。
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過去の説明
FTX Japanは、11月8日から出金・出庫サービスを基本的に停止。その後から、顧客資産を返せるように取り組んできた。
同社の幹部は先月、NHKの取材に対し、年内に顧客が資産の引き出しを再開できるよう準備を進めていると説明。FTXと同じシステムを使用しているため、現在はまだ出金できないと述べている。
また、FTX Japanのセス・メラメド社長は、日経新聞のインタビューで「休眠口座なども合わせて190億円程度の顧客資金がある」と発言。「顧客資金は国内で完全に別管理されており、返金を最優先に調整を進めている」と話したという。
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