仮想通貨ミキサーを解体
欧州刑事警察機構(ユーロポール)は15日、ドイツと米国の当局が、暗号資産(仮想通貨)ミキサー「ChipMixer」を解体したことを発表した。
ユーロポールとベルギー、ポーランド、スイスの当局が今回の調査に協力。ChipMixerがマネーロンダリング(資金洗浄)に関与したとして、暗号資産(仮想通貨)ビットコイン(BTC)を1909.4BTC(62億円相当)押収したと説明している。
今回の発表によると、ChipMixerは2017年に創設されており、事業認可を得てもいなかった。仮想通貨に特化したミキサーで、導入しているソフトウェアは資産の追跡ができないようになっていたという。そのため、違法の薬物や武器の取引、ランサムウェア攻撃、カード詐欺のような犯罪に利用されていた。
ChipMixerに入金された資産は、「chips」と呼ばれるトークンに変換されてから、全てが混ぜられる仕組み。そうすることで資産の出所などをわからなくしていたという。
今回の調査によると、押収されたのは1909.4BTCだが、マネーロンダリングとしては15万2,000BTC(4,900億円相当)分の取引が行われていた可能性がある模様。このビットコインの大部分が、ダークウェブ市場、ランサムウェア攻撃、違法品の取引、仮想通貨の盗難、児童の性的搾取に関係していたとユーロポールは説明した。
今回の発表では「ある大手仮想通貨取引所が2022年に破綻した後に盗難された仮想通貨の一部が、ChipMixerを介して洗浄されたかどうかも調査している」と述べており、これはFTXを指しているとみられる。
FTXから不正流出した資産については、米司法省が調査を開始したことが昨年報じられていた。ChipMixerの調査には、米国から司法省とFBI(米国の連邦捜査局)らが参加。今回の発表では「ChipMixerは、最大規模の仮想通貨ミキサーの1つ」だとしている。
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米司法省の発表
ChipMixerについては、米司法省も15日に発表を行った。米司法省によれば、ChipMixerの運営に関与したとして、ベトナム人のMinh Quốc Nguyễn氏の告訴も行っている。また、ChipMixerは特にビットコインの洗浄に利用されていたと説明した。
米司法省は、ChipMixerが処理した資金洗浄について具体例も挙げている。この具体例の中には「アクシーインフィニティのRoninブリッジと、Harmony(ONE)のHorizon Bridgeから北朝鮮の犯罪者が盗難したビットコインも含まれる」と指摘した。
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