はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用
CoinPostで今最も読まれています

仮想通貨イーサリアムのASIC対策「ProgPoW」の実装に大幅な遅れか

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

ProgPoWの実装に大幅な遅れか
イーサリアムの非中央集権化を進める新たなアルゴリズム「ProgPoW」のコード監査に遅れが生じているようだ。ProgPoWの実装が次期大型アップグレード以降になるとの見立ても。

ProgPoWの実装に大幅な遅れか

イーサリアムの一層の非中央集権化が期待されるアルゴリズム「ProgPoW」に対する監査が、次の大型アップデート「イスタンブール」までに終了しないとの見立てが強まり、ProgPoWの導入時期の延期の可能性が浮上している。

イーサリアム財団の責任者Hudson Jameson氏は、現状について以下のように説明を行った。

監査企業「Least Authority」と共に監査を行う予定であった、ASICsに特化したハードウェアの監査者が離脱した。

現在ハードウェア部分の監査ができるパートナーを探している。

監査パートナーの離脱により、監査終了時期のずれ込みが予想される格好であるが、その離脱した監査パートナーの詳細は明らかになっていない。

なお、この状況を受け、Jameson氏は二つの提案を行っている。

  1. アップグレード「イスタンブール」後まで、ProgPoWの導入延期
  2. 監査が終わり次第、ProgPoW導入のための単独アップグレードを実施

先月、「ProgPoW」のコード監査費用の調達を完了したと公表された。今年1月から、開発者コミュニティは、コード監査の依頼費用の収集のために、クラウドファンディングを実施し、約550万円を調達したという。

本来の監査スケジュールでは、5月31日には最終監査レポートの提出が予定されていた。なお監査内容は以下となる。

  • イーサリアムセキュリティへProgPoWが与える影響(アルゴリズムセキュリティ、攻撃領域、51%攻撃リスク、その他潜在的なセキュリティリスク)
  • 目標とするASIC耐性の達成
  • ハッシュパワーとマイナーバランスの変化
  • “フェア・マイニング”の見地からのProgPoWがEthashと比較して与える潜在的なメリットとデメリットの特定
  • ProgPoWが非中央集権化を促進するか
  • その他エコシステム全体に与えうる影響(分散性、経済規模、コスト等)

また、「イスタンブール」とは、次に予定されるイーサリアムの大型アップデートの名称で、今年1月に、イーサリアム元コア開発者のAfri Schoedon氏は、イスタンブールのスケジュールについて「今年10月16日前後」にメインネットアクティベーションが可能になることを示唆している。

ただ、これまでのアップデート延期を鑑みると「イスタンブール」の日程の変更も十分にありえるだろう。

こうした点も考慮すると、年内でのProgPoWの導入は厳しいのかもしれない。

「ProgPoW」とは

「ProgPoW」とは、ASICマイニングの効率を下げ、GPUに優位性を与えるアルゴリズムである。

つまり「ProgPoW」の実装は、ASIC対策を目的としたシステム変更ということになる。

以前からコミュニティ内で実装の必要性が議論されてきたものであるが、その背景には2018年にイーサリアムに特化したASICの開発が相次いだことがある。イーサリアムにおけるPoWのアルゴリズムであるEthashには、元々ASIC耐性が備えられていたが、2018年にはそれに対応したASICの開発が盛んになった。

例えば、2018年4月にマイニングマシン製造最大手bitmain社が発表した「アントマイナーE3」がそれにあたる。また、同年9月には、マイニングマシン製造ベンチャーのLinzhi社もEthashに対応したASICの発売予定を発表した。そして、そのようなEthashに対応したASICの登場へのコミュニティの懸念は、「マイニングの寡占」による中央集権化である。マイニングのみに特化したASICは、個人もしくは中小規模によるGPUマイナーを排除していくことが予想される。

また、個人でもASICの購入は可能であるがGPUと比較しても高価なため、個人によるマイニングへの参入障壁は高くなる。その結果として、少数のマイニング業者による寡占状態が生み出される可能性が以前から指摘されてきている。

厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
05/18 日曜日
14:00
今週の主要仮想通貨材料まとめ、企業のETH大量購入やアーサー・ヘイズのBTC100万ドル到達予測など
前週比で振り返る仮想通貨市場の最新動向。ビットコインやイーサリアム、XRP、ソラナなど主要銘柄の騰落率や注目材料を一挙紹介。市場トレンドと関連ニュースを詳しく解説する。
12:49
UPCXが2025 Tokyo E-Prixスポンサーに 次世代決済とFanlinkの可能性を解説
UPCXが「2025 Tokyo E-Prix」のスポンサー契約を発表。世界標準決済を目指すブロックチェーンプラットフォーム「UPCX」と、ファン支援サービス「Fanlink」の特徴をCEO中野誠氏が解説した。秒間10万件の処理能力やグローバル展開の展望とは?
11:00
週刊仮想通貨ニュース|メタプラネット株価1340円到達の可能性に高い関心
今週は、仮想通貨ビットコインの専門家アダム・バック氏によるメタプラネットの株価試算、資産運用会社によるイーサリアム価格急騰の要因分析、空売り投資家ジム・チェイノス氏の投資戦略に関するニュースが最も関心を集めた。
05/17 土曜日
14:00
アブダビ政府系ファンド、ビットコインETF買い増しで保有額750億円突破
アブダビのムバダラ・インベストメントが第1四半期にブラックロックのビットコインETFを49万株追加購入。ゴールドマン・サックスは最大保有者として3000万株を保有。
13:05
ビットコインETFフェイクニュース事件、犯人に懲役14か月の判決
米SEC公式Xアカウントを乗っ取り、ビットコインETFについてのフェイクニュースを流した26歳の被告に懲役14か月の判決が下りた。偽情報で仮想通貨市場を混乱させたことが重大視された。
12:43
史上最高値を試すのは時間の問題か、米中貿易緩和も上値トライ失敗|bitbankアナリスト寄稿
米中関税115%引き下げ合意やインフレ指標下振れもビットコイン上値を抑える展開。アリゾナ州知事の暗号資産準備金法案への拒否権行使も影響。短期筋による損切り送金増加で売りをこなした可能性。史上最高値トライは時間の問題か。bitbank長谷川アナリストが週次相場分析を解説。
11:00
ビットコイン長期保有数1437万BTCに到達も、利確売り強まる=アナリスト分析
ビットコインの長期保有者が3月から5月にかけて利益確定を加速。支出利益率は71%増加し227%の平均リターンを記録。長期保有量は1437万BTCに達するも、市場サイクルの分配フェーズへの移行を示唆。
10:10
トランプ家のWLFI、民主党議員による調査要請を正式拒否
トランプ一族の金融企業WLFIが上院による調査を拒否した。政治的動機と批判し、同社は説明責任や米ドル優位性を指針としていると主張。倫理規定違反の疑惑なども否定している。
09:02
ETH・BTC比率が5年ぶり急騰、アルトシーズンの到来示唆か
イーサリアム/ビットコイン(ETH・BTC)価格比率が過去5年最低水準から38%急反発。ETFによる買い増し、取引所流入減少などの指標から需要増加・売却圧力低下が鮮明に。「極端な過小評価ゾーン」からの回復が示すアルトコインシーズン到来の可能性を分析。
07:50
ビットコインで利回り獲得、Solvがアバランチ基盤の新トークン発表
仮想通貨ビットコインの保有者にRWAの利回り獲得手段を提供するため、Solv Protocolはアバランチ上にSolvBTC.AVAXをローンチ。ローンチの目的や仕組みを説明した。
07:30
10億ドルのビットコイン投資を検討、米上場のシンガポール医療企業
シンガポールの医療企業バーゼル・メディカル・グループが10億ドル規模のビットコイン投資に関する交渉を開始。ストラテジー社に続く大規模企業BTC投資の新事例として注目される中、「革新的な株式交換契約」を通じてアジア医療企業最強の財務体質構築を目指す。
06:45
米裁判所、SECとリップルの和解案を「手続き上不適切」として却下 再申請へ
米連邦地裁がSECとリップルの和解申請を「手続き上不適切」として却下。民事訴訟規則違反が原因で、両者は適切な手続きでの再申請を迫られる状況に。
06:25
イーロン・マスクの『Kekius Maximus』切り替えでミームコインが2倍以上急騰
イーロン・マスク氏がツイッターのプロフィール画像とユーザー名をミームトークン「Kekius Maximus」に変更し、関連トークンが2倍以上急騰。昨年の900%上昇・急落事例に続くマスク氏のSNS活動による仮想通貨市場への影響力を示す展開に。
06:05
サウジ中央銀行、15億円相当のストラテジー株保有でビットコインに間接投資
サウジ中央銀行がセイラーのストラテジー社の株を25656株取得し仮想通貨ビットコインへの間接投資を開始したことが確認された。
05/16 金曜日
17:00
マスクネットワークとは?仮想通貨MASKの買い方・取引所まで徹底解説
Mask NetworkはSNS×Web3をシームレスに接続するSocial-Fiプラットフォーム。本記事では特徴とMASKトークンの買い方を初心者向けに解説します。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧