はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習 WebX
CoinPostで今最も読まれています

暗号資産税制改正要望を政府に提出、日本ブロックチェーン協会

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

暗号資産税制改正要望

株式会社bitFlyerの加納裕三代表取締役が代表理事を務める「日本ブロックチェーン協会(JBA)」は28日、暗号資産(仮想通貨)に関する税制改正要望を政府に提出した。

日本におけるWeb3(分散型ウェブ)事業の成長を阻害している暗号資産の税制を見直し、国民が暗号資産を保有・利用する環境の整備を求めている。具体的な要望内容は以下の通り。

1. 第三者発行トークンに対する期末含み益課税の撤廃

日本の国税庁は2023年6月、一部の法人税ルールを改定し、企業が自社で発行した暗号資産の時価評価免除を許可した。しかし、第三者により発行されたトークンに対する期末含み益課税は、引き続き国内の企業が新しいWeb3事業に進出する障壁の一つとなっている。

出典:JBA(以下全て同じ)

期末含み益課税の撤廃が実現すれば、企業は納税のために保有するトークンを売却する必要がなくなり、Web3事業への参入障壁が大幅に低減することが期待される。

現行の税制下では、納税のためにトークンを売却すると、それが同トークンの価格下落を引き起こし、結果としてトークンを活用した経済圏の成長を妨げる可能性がある。

2. 個人の暗号資産取引に対する課税方法を申告分離課税に変更し、税率を一律20%とすること

一般社団法人日本暗号資産取引業協会(JVCEA)の最新の統計によれば、日本国内での暗号資産取引口座の開設者数は増加し続けている。2023年4月時点で約680万口座が開設されており、これは外国為替証拠金取引(FX)の税制が総合課税から申告分離課税に変更された2011年6月時点の口座数(約361万口座)を大きく上回る。

また、申告分離課税により、損失を出した年の翌年以降3年間にその損失を繰り越し控除し、税金を軽減できる。JBAのアンケート結果によると、申告分離課税に変更すれば投資額を2倍以上増やしたいとの回答が43.9%も見られた。

3. 暗号資産同士を交換時の都度利益に対する所得税課税の撤廃

DeFiやNFT市場などWeb3のユースケースに適した運用が容易になり、暗号資産の利便性向上に繋がると期待される。

JBAはこれらの税制改正要望を実現することで、日本がWeb3先進国として国内外で認知されるとともに、新しい産業であるWeb3の経済圏が拡大し、変革を迫られている日本経済の今後の成長に大きく貢献することを期待している。

加えて、暗号資産の利用者増加、暗号資産への投資額の増加、利益確定の増加、適正な申告の増加などが税収に寄与し、税収減への影響は限定的となるか、場合によっては税収増となることも考えられるとした。

JBAとは

ブロックチェーン技術が一層安心・安全な技術としてこれからの日本経済の発展を支える仕組みの一つになり、日本経済の発展に貢献するよう活動する組織。

▶️仮想通貨用語集

関連:加納JBA代表理事、税制改正要望を提出

暗号資産分析会社のCoincubが発表したレポートによると、2022年4Q時点での世界の暗号資産ランキングで日本は64ヵ国中15位となった。日本のランキングは、財務要素(2位)、規制面(5位)、人材(15位)などは高評価だが、暗号資産の税制については55位と低評価となっていた。

税制改正に向けた課題

一方、CoinPost株式会社が主催したWebXカンファレンスで、「日本の暗号資産税制は本当に変わる?」というセッションが開かれた。JCBAの税制検討部会部会長を務める株式会社pafinの斎藤岳代表取締役が、税制改正の達成には広範な社会的な機運の醸成が必要であり、国民全体に暗号資産のメリットやユースケースが浸透し、国民生活の向上に資することが重要だと述べた。

関連:日本の仮想通貨税制は本当に変わる?|WebXレポート&インタビュー

一般社団法人日本暗号資産ビジネス協会(JCBA)は、日本国内における暗号資産、NFT、ステーブルコインなどのデジタル資産に関するビジネスを行うステークホルダーを支援する組織であり、暗号資産の利便性向上と日本経済の成長への貢献を目指して活動している。

JCBAは2022年、JBAと共同で、日本の暗号資産に関する税制課題の解決を図るために、要望書を提出した。金融庁との協議を進めている。

関連:JCBA、金融庁に暗号資産の「税制改正要望」提出へ 例年以上に着目される理由 

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
12/19 金曜日
10:35
SOL保有企業フォワード・インダストリーズ、株式をトークン化
仮想通貨ソラナの財務企業フォワード・インダストリーズは、自社の株式がソラナブロックチェーン上でトークン化されたことを発表。トークン化株式はDeFiで利用できるとした。
10:05
仮想通貨保有企業株、MSCI除外で約2兆円売却圧力 来年1月に判断
MSCIが仮想通貨保有企業を指数から除外する提案を検討。実施されれば39社で最大150億ドル(約2.2兆円)の強制売却が発生する可能性。業界は1,268の署名を集め強く反発。2026年1月15日に最終判断。
10:02
イーサリアム財団、「ステート肥大化」のリスクを指摘 3つの対応策提案
イーサリアム財団が、ネットワークのステート増大が続くことによる中央集権化リスクなどを警告した。この課題に対する3つの対策を提案している。
09:35
NYSEの運営会社ICEが仮想通貨企業ムーンペイに出資交渉、評価額50億ドル目指す
ニューヨーク証券取引所を運営するICEが仮想通貨決済企業ムーンペイへの出資交渉を進めていることがブルームバーグの報道で明らかになった。
08:35
JPモルガン、ステーブルコイン市場の成長予測を維持も1兆ドル規模には否定的
JPモルガンのアナリストがステーブルコイン市場は2028年までに5000億ドルから6000億ドルに達すると予測し、1兆ドル規模の予測を否定的に評価した。成長は仮想通貨市場全体と連動すると見ている。
07:55
トークン化株式xStocks、TON Walletに対応
株式のトークン化プラットフォームxStocksは、TONブロックチェーンのTON Walletに対応したことを発表。ユーザーはテレグラムからトークン化した株式やETFにアクセスできる。
07:44
JPモルガンのJPMコイン、コインベースのベースチェーンに移行
JPモルガン・チェースがデジタル預金トークンJPMコインを独自の内部ブロックチェーンからコインベースの「ベース」に移行した。機関投資家の需要に応え、24時間365日のほぼ即時決済を可能にする。
06:40
ビボパワー、韓国ファンドに4.5億XRP相当のリップル株式を調達へ
ナスダック上場のビボパワーがデジタル資産部門を通じて韓国の資産運用会社リーン・ベンチャーズ向けに3億ドル相当のリップル・ラボ株式を調達する。
06:12
台湾政府が210BTCの押収ビットコインを保有、世界10位の政府保有者に
台湾の法務部が犯罪捜査で押収した210枚以上のビットコインを保有していることを明らかにした。戦略的備蓄の検討も進んでいる。
05:55
2026年までに米国で100超の仮想通貨ETF上場を予測、ビットワイズ
米資産運用会社ビットワイズが2026年までに100本以上の仮想通貨ETFが米国で上場すると予測した。SECの一般的な上場基準公表により規制が明確化され、発行障壁が低下したことが背景にある。
05:40
ビットワイズ、スイ現物ETFをSECに申請
仮想通貨運用会社ビットワイズがスイトークンを追跡する現物ETFの登録を米SECに申請した。コインベース・カストディが保管を担当し、キャナリー・キャピタルや21シェアーズも同様のETFを申請している。
12/18 木曜日
22:21
ステーブルコイン「$U」がBNBチェーンとイーサリアムで始動
ユナイテッド・ステーブルズが新ステーブルコイン「U」をBNBチェーンとイーサリアムでローンチ。USDC、USDT、USD1で1対1裏付け。PancakeSwap等の主要DeFiプロトコルと初日から統合、AI経済向けにEIP-3009とx402をサポート予定。
18:27
ユニスワップ、1億UNI焼却提案の最終投票開始へ 流通量の16%
分散型取引所ユニスワップが1億UNI焼却を含む「ユニフィケーション提案」の最終投票を12月19日に開始。可決されれば手数料スイッチが起動し、UNIトークンは収益を生む資産へと転換する。
17:22
YO Labs、トークン化ゴールド「yoGOLD」の事前預入を受付開始
YO Labsがトークン化ゴールド(XAUt)で利回りを獲得できるイールドボールト「yoGOLD」を発表。金を預けて利回りを得られる。現在、事前預入を受付中。
16:43
トランプ大統領、次期FRB議長に「大幅利下げ支持」と宣言 
トランプ米大統領が次期FRB議長について「大幅な金利引き下げを支持する人物」と表明。金利1%以下を主張し、FRBの独立性を巡り議論を呼んでいる。QT終了や史上最大の税還付シーズンと相まって、仮想通貨市場への影響が注目される。
通貨データ
グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧