はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用
CoinPostで今最も読まれています

8月下旬に巨額のビットコインを動かした『クジラ』の正体は | 白熱するネット探偵の推理

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

BTCの急落にクジラの影
先日の仮想通貨市場暴落の影に、黎明期からのBTC巨額保有者による大量売却の噂が立ち、SNS上で様々な推測が飛び交っている。クジラの背景に見られる、Mt.Goxやシルクロードの影響とは。
シルクロードとは
かつて不正販売闇市を経営していたいわゆる闇サイトの一つ。運営者のロス・ウルブリヒトは2013年秋に逮捕され、その後サイトは閉鎖された。運営当時、取引にはビットコインが使用されていた。

▶️CoinPost:仮想通貨用語集

先週、わずか2日間でビットコイン価格は約15%急落しましたが、ネット上では、その周辺に、ある「クジラ」(=大量保有者)の存在が取り沙汰されています。

話題の主役は、2011年に遡るウォレットの保有者です。

この謎の人物は、最大で「111,114BTC」を保有しているとされ、時価総額は最大20億ドル(約2,239億円)に達します。

この大量保有者が、2018年6月末につけたBTCの年初来安値を受けて、保有するコインを精算しようとしていた――そんな噂が、2週間ほど前から米国の大手掲示板RedditやTwitterなどで、過熱気味に流れています。

そしてその「クジラ」の正体には、2014年に破綻した仮想通貨取引所「Mt.Gox」や、さらに時を遡ること2011年に逮捕された闇取引サイト「シルクロード」の創設者「海賊ロバート」の名が挙がっています。

クジラのアドレス

「クジラ」追跡で重要となるのが、ビットコイン・アドレスです。

そのアドレス1933phfhK3ZgFQNLGSDXvqCn32k2buXY8aは――もちろん他のアドレスも――取引を記録するブロックチェーンの分散化されている性質上、誰もが取引履歴を遡ることができます。

ブロックチェーン解析サービスを提供するChainalysisによると、このアドレスに目立った動きがあったのが8月23日から30日の間。

50回に及ぶ取引で、50,500ビットコインの移動がありました。

ブルームバーグの試算では、クジラが動き始める直前、8月22日の終値ベースでこのウォレットには3,200万ドル(約35.8億円)が眠っていたことになります。

「ネット探偵」達の見解は

Redditでは、一体誰が何を目的にしてこの「クジラ」を動かしたのかについて議論が白熱しています。

Chainalysisの上席アナリスト、Kim Grauer氏の観測によると、これまでに出ている主な仮説は以下の通りです。

  • ビットコインやコミュニティの破壊を企てる工作者。
  • 資産管理や保全の目的でビットコインの移動や現金化を行おうとした。
  • 当人以外には分からない、何か別の理由。
  • Chainalysisでは、マネー・ロンダリングの検出支援を目的としたソフトウェアを使って、ビットコイン・アドレスの関係を特定しました。

    その結果、今回注目されている一連の取引の約80%が、ある特定のアドレスを相手方としていることが判明しました。

    そのアドレスこそが、前出の1933phfhK3ZgFQNLGSDXvqCn32k2buXY8aです。

    「浮上と潜水」のサイクル

    このアドレスには、目を引く動きがありました。

  • 2014年に保有するビットコインの大半をさまざまなウォレットにばらまき、その後それらのビットコインを再び1つのウォレットに集約
  • その後は、しばらく少額の取引だけで落ち着く
  • 2017年に再度、大量のビットコインを売りに出す
  • 再び「クジラ」は水面下に潜る
  • 8月下旬の取引に至る
  • ビットコイン・コミュニティには、初期からのBTC保有者のウォレットを見守る慣習があります。

    代表的な例は、暗号通貨の発案者で未だ匿名のレジェンド的存在、「サトシ・ナカモト」のウォレットであり、今回のウォレットも、それなりの歴史を持つものです。

    「海賊ロバート」やMt. Goxと紐づける見方も

    Reddit、Twitterやその他の場で見られるネット探偵の中には、このウォレットを、悪名高きシルクロード(SilkRoad)の創始者「海賊ロバート」と結びつける者もいます。

    彼もまた、ビットコインの初期保有者の1人でした。

    他に名の挙げられている大物が、2014年春に破綻した取引所「Mt.Gox」です。

    先週1週間はビットコインの価値が急落しほか、大手取引所ShapeShiftが利用者の個人情報を集める決定を下したことや、ゴールドマン・サックスのビットコイン取引デスク開設中止報道を巡って、オンライン・コミュニティは過熱気味の様相を呈していました。

    Chainalysisの解析では、これらの動きと、「クジラ」のビットコイン大量放出が、厳密には同時期の出来事と呼べないことは明らかです。

    探偵の独自推理や思惑が飛び交うことはオンライン・コミュニティでは日常茶飯事ですが、クジラの動向には興味が未だ尽きていないと言えるでしょう。

    参考記事:Mystery of the $2 Billion Bitcoin Whale That Fueled a Selloff

    CoinPostの関連記事

    仮想通貨市場と3頭の「クジラ」|巨大金融機関参入の機運高まる
    先日、世界3大投資家のジョージ・ソロス氏や、世界的財閥であるロックフェラーやロスチャイルドが仮想通貨市場に参入する可能性が報道されました。彼らの経歴と、世界的投資家や財閥が仮想通貨業界に参入する可能性について考察します。
    クジラを追跡するBOT、約2ヶ月ぶりに215億円相当のビットコインの移動を確認|仮想通貨市況
    仮想通貨相場は13日、昨日の全面安の相場から反発し、ビットコインも6000ドル目前まで迫ったものの、すでに6500ドルまで値を戻しました。また、クジラをトラッキングするBOTで約2ヶ月ぶりに巨額のビットコインが送金されたことがトラッキングされた。
    厳選・注目記事
    注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
    05/18 日曜日
    11:00
    週刊仮想通貨ニュース|メタプラネット株価1340円到達の可能性に高い関心
    今週は、仮想通貨ビットコインの専門家アダム・バック氏によるメタプラネットの株価試算、資産運用会社によるイーサリアム価格急騰の要因分析、空売り投資家ジム・チェイノス氏の投資戦略に関するニュースが最も関心を集めた。
    05/17 土曜日
    14:00
    アブダビ政府系ファンド、ビットコインETF買い増しで保有額750億円突破
    アブダビのムバダラ・インベストメントが第1四半期にブラックロックのビットコインETFを49万株追加購入。ゴールドマン・サックスは最大保有者として3000万株を保有。
    13:05
    ビットコインETFフェイクニュース事件、犯人に懲役14か月の判決
    米SEC公式Xアカウントを乗っ取り、ビットコインETFについてのフェイクニュースを流した26歳の被告に懲役14か月の判決が下りた。偽情報で仮想通貨市場を混乱させたことが重大視された。
    11:00
    ビットコイン長期保有数1437万BTCに到達も、利確売り強まる=アナリスト分析
    ビットコインの長期保有者が3月から5月にかけて利益確定を加速。支出利益率は71%増加し227%の平均リターンを記録。長期保有量は1437万BTCに達するも、市場サイクルの分配フェーズへの移行を示唆。
    10:10
    トランプ家のWLFI、民主党議員による調査要請を正式拒否
    トランプ一族の金融企業WLFIが上院による調査を拒否した。政治的動機と批判し、同社は説明責任や米ドル優位性を指針としていると主張。倫理規定違反の疑惑なども否定している。
    09:02
    ETH・BTC比率が5年ぶり急騰、アルトシーズンの到来示唆か
    イーサリアム/ビットコイン(ETH・BTC)価格比率が過去5年最低水準から38%急反発。ETFによる買い増し、取引所流入減少などの指標から需要増加・売却圧力低下が鮮明に。「極端な過小評価ゾーン」からの回復が示すアルトコインシーズン到来の可能性を分析。
    07:50
    ビットコインで利回り獲得、Solvがアバランチ基盤の新トークン発表
    仮想通貨ビットコインの保有者にRWAの利回り獲得手段を提供するため、Solv Protocolはアバランチ上にSolvBTC.AVAXをローンチ。ローンチの目的や仕組みを説明した。
    07:30
    10億ドルのビットコイン投資を検討、米上場のシンガポール医療企業
    シンガポールの医療企業バーゼル・メディカル・グループが10億ドル規模のビットコイン投資に関する交渉を開始。ストラテジー社に続く大規模企業BTC投資の新事例として注目される中、「革新的な株式交換契約」を通じてアジア医療企業最強の財務体質構築を目指す。
    06:45
    米裁判所、SECとリップルの和解案を「手続き上不適切」として却下 再申請へ
    米連邦地裁がSECとリップルの和解申請を「手続き上不適切」として却下。民事訴訟規則違反が原因で、両者は適切な手続きでの再申請を迫られる状況に。
    06:25
    イーロン・マスクの『Kekius Maximus』切り替えでミームコインが2倍以上急騰
    イーロン・マスク氏がツイッターのプロフィール画像とユーザー名をミームトークン「Kekius Maximus」に変更し、関連トークンが2倍以上急騰。昨年の900%上昇・急落事例に続くマスク氏のSNS活動による仮想通貨市場への影響力を示す展開に。
    06:05
    サウジ中央銀行、15億円相当のストラテジー株保有でビットコインに間接投資
    サウジ中央銀行がセイラーのストラテジー社の株を25656株取得し仮想通貨ビットコインへの間接投資を開始したことが確認された。
    05/16 金曜日
    17:00
    マスクネットワークとは?仮想通貨MASKの買い方・取引所まで徹底解説
    Mask NetworkはSNS×Web3をシームレスに接続するSocial-Fiプラットフォーム。本記事では特徴とMASKトークンの買い方を初心者向けに解説します。
    13:50
    米ステーブルコイン法案、来週末までの成立視野に 次の「起爆剤」との見解も
    米上院のステーブルコイン法案「GENIUS法案」で新たな超党派修正案が決定された。消費者保護や倫理規定が強化され、5月19日に討論終結投票が予定されている。
    11:58
    ビットコイン高値圏推移もアルトコインは上昇一服
    仮想通貨ビットコインは104,100ドルと高値圏で推移、アルト市場ではメイプルストーリー(NXPC)はバイナンス対応で一時高騰したほか、XRPは7,300万ドル相当の大口売りとリップル和解手続き却下で下落した。コインベースはサイバー攻撃で最大4億ドルの損失も被害者への返金を約束した。
    11:30
    ブラックロックの「BUIDL」、初めてDeFiと接続へ アバランチ利用で
    ブラックロックの米国債ファンド「BUIDL」がアバランチ上のプロトコル「Euler」に導入された。セキュリタイズは、機関投資家のDeFi参入を促進する一歩になったとしている。

    通貨データ

    グローバル情報
    一覧
    プロジェクト
    アナウンス
    上場/ペア
    重要指標
    一覧
    新着指標
    一覧