証券事業は好評
SBIホールディングスは2021年第3四半期の決算を発表した。活況な株式市況を受け証券事業が好調となり、グループ全体の売上高は第3四半期累計としては過去最高となった。
全体の売上高は前年同期比で27%増の3,622億円(2020年4月~12月)を記録。また、暗号資産取引所事業の第3四半期累計業績は前年同期比+83%の66億9500万円となった。
決算説明会にて、代表取締役社長CEOの北尾吉考氏は、引き続きネオ証券化を進めていくことを強調、「攻撃の手を緩めることなくますますアグレッシブに施策を推し進めていきたい」と語った。
好調だった証券関連事業では、ネオ証券化の施策であるオンラインでの国内株式委託手数料の無料化に向け、収益の多様化等を引き続き進める。
国内株式委託手数料が営業収益に占める比率を5%以下にするという目標の達成以前に(無料化)実施の可能性もあると北尾氏は説明会で言及した。
暗号資産デリバティブ、リップル社との連携は
SBIホールディングスでは暗号資産取引所の運営、暗号資産CFD(差金決済取引)の提供、ブロックチェーン企業との提携や投資などをグループ各社が行っている。
SBIホールディングスが行ってきた暗号資産(仮想通貨)のXRP(リップル)による株主優待は引き通き進める方針であるほか、グループ傘下のSBIレミットは引き続き米Ripple(リップル社)と連携し「国際送金市場での圧倒的な優位性の確保」を目指す方針が維持された。
リップル社は米証券取引委員会(SEC)からの提訴を受け、一部では暗号資産XRPの取り扱いを取りやめる取引所も出ている。
同社が提訴を受けた件については、北尾氏は「日本はアメリカがどうであれ関係ない、それはコインであり、ほとんどの国がそうだ。」とし、影響はないとする姿勢を強調した。
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また、リップル社はSBIのマネータップへの出資を行っており同社の33%を筆頭株主として保有している。マネータップについては、銀行口座間の即時決済における接続銀行が年内に20行(現在は3行)に達する見込みであることがわかった。
そのほか、昨年12月に実施した暗号資産マーケットメイカーB2C2の子会社化によって、今後、暗号資産のオプション・デリバティブ分野での協業も視野に入れる方向を示した。
セキュリティトークンのビジネスを推進
またセキュリティトークンについては大阪・神戸地域での次世代国際金融センター構想のもと、新設する大阪デジタルエクスチェンジにて取り扱う構想を明かした。
トークンの保有者間におけるセカンダリマーケットを2023年以降に提供する。また、デジタルエクスチェンジにはSMBCグループが40%の資本拠出を行う。
すでにSBI e-SportsによるSTOを用いた第三者割当増資を昨年10月に実施しており、その際には野村グループのBOOSTRYが開発するブロックチェーン基盤が使用されている。
今後、SBI証券によるデジタル社債の自己募集、SBI証券を引受人としたデジタル社債の公募取り扱い、STOの公募取り扱い等を予定しているという。
STO(セキュリティトークン・オファリング)について北尾氏は、転換社債などの過去のイノベーションを例に挙げ、それらとは比較にならないエリア(市場)が開かれていると語った。