はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用 WebX
CoinPostで今最も読まれています

ビットコイン週次市況:1300万円台で揉み合う展開と今後の見通し|bitbankアナリスト寄稿

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

3/8(土)〜3/14(金)の週次レポート

国内大手取引所bitbankのアナリスト長谷川氏が、今週の暗号資産(仮想通貨)ビットコインチャートを図解し、今後の展望を読み解く。


目次
  1. ビットコイン・オンチェーンデータ
  2. bitbank寄稿

ビットコイン・オンチェーンデータ

BTC取引数

BTC取引数(月次)

アクティブアドレス数

アクティブアドレス数(月次)

BTCマイニングプールの送金先

取引所・その他サービス

bitbankアナリスト分析(寄稿:長谷川友哉)

今週の週次レポート:

今週のビットコイン(BTC)対円相場は1300万円台前半で揉み合う展開を繰り広げ、28日正午時点で、1320万円周辺で推移している。

週末にホワイトハウス高官が、米政府が準備金の売却益でBTCを購入することを検討する可能性があると発言したことで、相場は週明けアジア時間に1300万円を回復すると、トラン米政権が4月2日から発動する相互関税を巡って対象国やセクターを絞る柔軟性を見せるとの報道からリスクオフムードが和らぎ、BTCは1340万円周辺まで戻した。

翌25日の東京時間には利食い売りが優勢となり上げ幅を縮小するも、海外勢参入後には押し目買いの様相で徐々に水準を戻した。

その後もとらん関税懸念の後退で再び相場は1340万円近辺まで戻したが、26日の米国時間には、2月の米耐久財受注の上振れや、複数FRB高官が利下げを急がない姿勢を示した他、トランプ政権が国外製自動車に25%の関税を賦課すると発表し、相場は一時僅かに1300万円を割り込んだ。

しかし、次期米証券取引委員会(SEC)委員長候補のポール・アトキンス氏の就任公聴会の冒頭陳述が公開されると、暗号資産(仮想通貨)の明確な規制基盤制定が「最優先事項」と記されていたことから、相場は再び持ち直した。

尤も、27日には貿易摩擦懸念から相場は再び1300万円割れを試す展開。幸い、四半期次の米GDPデフレーターなどのインフレ指標が下方修正されたことで売り一巡後には反発するも、上値は限定的となっている。

【第1図:BTC対円チャート(1時間足)】
出所:bitbank.ccより作成

今週はコンファレンスボード(CB)の消費者信頼感指数の低下やGDPデフレーターの下方修正など、FRBによる追加利下げが意識され、BTCの下値が支えられて一方、来週から発動されるトランプ政権の相互関税への懸念が上値を圧迫した格好だ。

相互関税については自動車以外に詳細は明かされておらず、発動するまでに段階的に情報が出てくることも考えられ、依然として予断を許されない状況と言える。特に、米国株相場は週明けの反発から一転して直近2営業日では軟化しており、市場がリスク回避に動いている様子が窺える。

尤も、その割にBTC相場は24日以降も底堅く推移している。背景の一つには現物ビットコインETFへの資金流入があるか。

月初の米株の下落につれて加速していたビットコインETFからの資金流出は27日まで10営業日連続の資金純流入を記録しており、機関投資家によるBTCからの資金逃避には歯止めが掛かっていると指摘される(第2図)。

昨年11月から12月の全盛期と比較すれば流入額は小規模なものの、①BTCの8万ドル割れによる売り過熱感や、②米連邦公開市場委員会(FOMC)で量的引き締めペースが減速されたことと利下げ継続見通しが維持されたことが、ETFへの資金流入に寄与しているか。


【第2図:現物ビットコインETFの資金フロー】
出所:farsideより作成

相互関税への懸念で積極的にリスクをとり難い状況と言えるが、28日の2月米個人消費支出(PCE)や来週の3月米雇用統計が利下げを正当化する結果となれば、ETF経由の買いが伸び、相場の支援となろう。

寄稿者:長谷川友哉長谷川友哉(ハセガワ ユウヤ)
英大学院修了後、金融機関出身者からなるベンチャーでFinTech業界と仮想通貨市場のアナリストとして従事。2019年よりビットバンク株式会社にてマーケットアナリスト。国内主要金融メディアへのコメント提供、海外メディアへの寄稿実績多数。

関連:おすすめ国内仮想通貨取引所 投資家のクチコミ比較ランキング

関連:ビットバンクプラス公式サイト

過去のレポート一覧

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
11/09 日曜日
14:00
今週の主要仮想通貨材料まとめ、リップルの770億円調達やジーキャッシュ高騰の背景分析など
前週比で振り返る仮想通貨市場の最新動向。ビットコインやイーサリアム、XRP、ソラナなど主要銘柄の騰落率や注目材料を一挙紹介。市場トレンドと関連ニュースを詳しく解説する。
11:30
週明けから急落のビットコイン、相場復調の前提条件は?|bitbankアナリスト寄稿
今週のビットコイン相場は続落の見通し。AIバブル崩壊や景気後退懸念から1560万円周辺まで下落。ただし短期筋の97%が含み損となっており、下値余地は限定的との指摘も。bitbankアナリストが今後の展望を解説。
11:00
週刊ニュース|金融庁の仮想通貨ETF関連デリバティブ国内提供への見解に高い関心
今週は、暗号資産ETF関連デリバティブの国内提供に対する金融庁の見解、ビットコインの10万ドル割れ、仮想通貨の最新市場分析に関する記事が関心を集めた。
11/08 土曜日
13:55
JPモルガンのビットコインETF保有量、3ヶ月間で64%増
JPモルガンが第3四半期にブラックロックのビットコインETFを207万株追加し、保有総数は528万株となった。6月から64%増加。
13:30
イーサリアムのバリデータ参加待ちが増加 将来性への信頼高まり示すか
仮想通貨イーサリアムのバリデータ参加待ちが増加している。The Blockが長期視点の投資家増加が示唆されると指摘した。ステーブルコインのインフラとしての期待も高まっている。
11:30
「ビットコインは重要なサポートレベル付近で推移」CryptoQuantレポート
CryptoQuantが最新市場レポートで、仮想通貨ビットコインが10万ドル付近の重要サポートレベルで推移していると指摘した。複数の指標から現在の状況を分析している。
11:20
ストラテジー、STRE優先株を1株80ユーロで価格設定 1100億円調達予定
ストラテジーが10%利回りのSTRE優先株を1株80ユーロで発行し、7億1500万ドルを調達する予定。当初計画の2倍超となる775万株を発行し、資金はビットコイン取得に充てられる見込みだ。
10:12
ビットコイン再び10万ドル割れ、USDXデペッグがDeFiに波及し信用不安広がる|仮想NISHI
仮想通貨ビットコインは5日以来、再び一時10万ドルを割り込んだ。ステーブルコイン「USDX」の担保不足によるデペッグ(乖離)が複数のDeFiプロトコルに波及し、市場全体に信用不安を広げた。
09:50
トランプメディア、第3四半期に84億円の赤字、保有ビットコインの価値は73億円減
トランプメディアが第3四半期に5480万ドルの純損失を計上し、3四半期連続の赤字となった。保有ビットコインの価値は4800万ドル減少したが、オプション収入で1530万ドルを獲得。
09:35
カザフ、最大10億ドルの仮想通貨準備基金設立へ 2026年初頭立ち上げ予定
カザフスタンが最大10億ドル規模の国家仮想通貨準備基金を2026年初頭までに設立する。押収資産と国営マイニング収益を原資としてETFや関連企業に投資する方針だ。
08:25
XRP保有企業エバーノース、約120億円の含み損に 仮想通貨財務企業に圧力
仮想通貨XRPを企業の財務資産として保有するエバーノースが約2週間半で7900万ドルの含み損を抱えている。メタプラネットなど他の仮想通貨保有企業も大幅な含み損に直面している。
07:20
片山金融相「3メガバンクのステーブルコイン共同発行を支援する」
片山さつき金融相は、3メガバンクやプログマらが行うステーブルコイン発行の実証実験を金融庁がサポートすることが決定したと話した。決済高度化プロジェクトの設置にも言及している。
07:10
米FRB理事がドルステーブルコイン市場の成長を評価、一方で合成型USDXは大幅デペグで0.6ドルに
米FRBのミラン理事がドル連動型ステーブルコインを巨大な成長分野と評価した。一方で合成型ステーブルコインUSDXが大幅デペグを起こしバランサー攻撃の影響で連鎖的な危機が広がっている。
06:20
コインベース、Asterなど上場検討
米大手仮想通貨取引所コインベースが複数の銘柄を同社の上場ロードマップに新たに追加した。
05:55
ジーキャッシュ連日高騰、時価総額100億ドル突破 1カ月で約4倍上昇
プライバシー仮想通貨Zcashが過去1カ月で3倍上昇し時価総額100億ドルを突破。アーサー・ヘイズ氏らの支持やグレースケール関連商品の人気拡大が上昇を後押ししている。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧