
混合する強気と弱気の要素
仮想通貨オンチェーン分析プラットフォームCryptoquantの登録アナリストCarmelo_Alemán氏は21日、ビットコイン(BTC)の実現時価総額(Realized Cap)が2025年4月14日に8,721億9,550万ドルの史上最高値を記録し、強気相場サイクルがまだ継続する可能性があると分析した。この指標は各ビットコインが最後に移動した時点の価格に基づく流通総額を表しており、投資家が実際に支払った取得価格を反映している。
実現時価総額の算出方法は、UTXOごとのビットコイン量に最後に移動した時の価格を掛け合わせて合計するもので、市場時価総額とは異なり、投資家の実際のコスト基準を示す。この指標が過去最高を更新したことは、より多くの投資家がビットコインを保有し続け、より多くの新規資金がネットワークに流入していることを意味する強いシグナルだと同アナリストは指摘している。

出典:Cryptoquant
長期保有者が増加していることから、短期的な価格上昇への期待が高まっていることが示唆される。また、ビットコイン価格が即座に上昇せず横ばいで推移する場合は、大きな価格変動前の蓄積期間と解釈できるが、慎重さと忍耐も必要だとレポートで指摘している。
一方、Crazzyblockk氏の同日の分析によれば、ビットコイン価格が87,000ドルまで上昇したにもかかわらず、6か月未満の短期保有者(STH)は依然として平均5.18%の含み損を抱えている。短期保有者の実現価格(平均的損益分岐点)は約91,000ドル付近に位置し、これが心理的・構造的な抵抗線となっているという。
ただし、日〜月曜日の価格上昇により、1か月未満の新規投資家は3.73%のプラスに転じており、これは市場に参入したばかりの投資家の間で信頼が回復し、パニック売りのリスクが減少していることを示す短期的な強気シグナルだとCrazzyblockk氏は評価している。
しかし、ビットコインが91,000ドルの閾値を上回るまで、短期保有者は依然として損失状態にあり、これが潜在的な売り圧力を維持する可能性がある。特に価格モメンタムが弱まった場合、この売り圧力が再び強まる恐れがあるため、短期保有者の実現価格を上回る決定的なブレイクアウトが重要だと同氏は結論づけている。
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