
買収完了
米大手仮想通貨取引所コインベースが13日、デリバティブ取引所デリビットの買収を完了したと発表した。この統合により、コインベースは建玉とオプション取引量で仮想通貨デリバティブ分野の世界的リーダーとなる見込みだ。統合される資産は590億ドルの建玉と年間1兆ドル超の取引量に及ぶという。
今回の買収は2025年5月初旬に発表された約29億ドルの現金・株式取引で実現した。取引内容は現金7億ドルとコインベースクラスA普通株1,100万株で構成される。デリビットは2016年に設立された取引所だ。
デリビットは現在約590億ドルの建玉を保有し、相場上昇を受け7月に月間取引量1,850億ドルの過去最高記録を達成した。2024年の取引量は前年の6,080億ドルから95%増の1兆1,850億ドルに達している。
買収発表当時、業界関係者は統合後の企業が世界のデリバティブ取引規模を考慮すると1兆ドル企業になる可能性があると指摘していた。デリバティブ取引は一般的に現物市場を上回る規模となる傾向がある。
コインベースは声明で、デリビットが取引量と建玉で第1位の仮想通貨オプション取引所であり、機関投資家とベテラントレーダーの忠実な顧客基盤を持つと評価した。この買収により、現物・先物・無期限・オプション取引を統合したワンストップ・プラットフォームの構築を目指すとしている。
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