
トランプ政権の関税引き上げが影響
暗号資産(仮想通貨)スイ(SUI)発のポータブルゲーム機「SuiPlay0x1」の購入者に、高額の輸入関税が課せられる事例が報告されている。ドナルド・トランプ米大統領による関税政策の影響が直撃している格好だ。
Suiブロックチェーンを開発するMystenラボは、購入者からのクレームを整理し、予想される関税を適切に把握するため、デバイス出荷を一時的に停止していた。まもなく出荷を再開する予定だ。
Decryptoによると、「SuiPlay0x1」は製造コストとほぼ同額で販売されている。Mystenラボは、購入者全員の輸入関税を負担することはできないとして、次のように述べた。
こうした小規模な事業では、国ごとに異なる関税や税金を吸収することは不可能だ。
Mystenラボは関税や税金を一切受け取っていない。これらは各国政府や国際機関によって設定され、すべての輸入品購入に適用される。予想不可能なマクロ経済情勢を考えると、輸送中にこれらの料金がどう変動するかを予測することはできない。
ネット上で購入者が報告している関税支払いの額にはばらつきがあり、中には348ドル(約5万円)を要求された例も発生している模様だ。
Mystenラボは、過剰な関税を課された購入者はサポートチームにメールで問い合わせるよう案内している。
以前、米国へ輸入される800ドル(約12万円)未満の製品は関税を免除されていた。しかし、トランプ大統領は中国からの輸入品について、この「デミニミス免除」を撤回。これにより、特に香港や中国からの低価格商品のコストが上昇している。
トランプ政権の決定の背景には、このデミニミス免除制度がフェンタニルなどの不正薬物の密輸を助長しているという懸念があった。また、中国および香港からの輸入品に対する関税は3月に、10%から20%に引き上げられた。
8月29日以降は中国以外からの国際小包に関してもデミニミス免除が廃止される予定だ。
「SuiPlay0x1」は香港からの発送が確認されており、政策の影響を大きく受けているとみられる。
なお、トランプ関税は東南アジア諸国からの輸入に頼る米国の仮想通貨マイニング業界にとっても、大きな痛手になると指摘されているところだ。
マイニング機器の主要製造拠点であるインドネシア、マレーシア、タイからのマイニングマシン輸入には19%の相互課税が課され、合計税率は21.6%になる。以前の標準輸入関税率2.6%から大幅に引き上げられた形だ。
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「SuiPlay0x1」とは
「SuiPlay0x1」の先行予約販売は昨年9月に開始され現在は売り切れている。価格は世界的に599ドル(約8万8,000円)で統一されていた。約1年経った今月に出荷開始されたところだ。
ゲーム機にはMystenラボが出資するゲームスタートアップPlaytron社製のハードウェアを採用。シューティングRPGやSFアドベンチャーなどネイティブのゲームが用意されている。
また、SteamとEpic Gamesのゲームライブラリに連携されているため、ユーザーはお気に入りのPCゲームをこのデバイスでプレイすることが可能だ。Suiエコシステム内で、多様なAAAタイトルやブロックチェーン対応ゲームに簡単にアクセスして楽しむことができる。
さらに、プレイヤーが報酬を獲得し、ゲーム内資産をNFT(非代替性トークン)として所有することも可能だ。
コンソールは単一の標準構成で提供されるが、microSDスロットを介してストレージを追加することもできる。7インチのベゼルレススクリーン、AMD Ryzen™ 7 7840Uプロセッサ、そしてWi-Fi 6EとBluetooth 5.2による高速接続も特徴だ。
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