はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用 WebX
CoinPostで今最も読まれています

ビットコイン建て分散型予測市場の魅力とは? 研究者が提唱

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

ビットコイン決済できる予測市場の利点

コンピューターサイエンティスト兼コンサルタントのフェドル・シャバシェフ氏は16日、分散型予測市場の決済を暗号資産(仮想通貨)ビットコイン(BTC)で行うことを提唱する論文を発表した。

シャバシェフ氏は、現在の予測市場のほとんどはUSDCのようなステーブルコイン建てであることを指摘する。

その問題点として、ユーザーが、法定通貨による無リスク金利に対する機会費用に直面すること、また、ビットコイン保有者は資産をステーブルコインに変換する際にビットコインのエクスポージャーを失うことを挙げた。

ステーブルコインにより、ボラティリティ(価格変動の大きさ)を回避できるものの、長期的にビットコインが値上がりした場合は、機会損失になる形だ。これを解決するため、シャバシェフ氏はビットコイン建ての予測市場を提案している。

なお、予測市場大手ポリマーケットが2025年に、年利4%の「保有報酬」を長期的な市場のいくつかで導入したことにも触れた。こうした報酬がなければ、たとえば米ドルを保有していた場合の米国債利回りなどの機会も逃すと述べている。

関連:米大統領選の予測市場を解説|Polymarket(ポリマーケット)とは?

関連:ヴィタリック、分散型予測市場に「金利欠如でヘッジ手段としての魅力低め」と指摘

分散型予測市場とは

利用者がステーブルコインなどを使用してイベントの結果に賭けることができるプラットフォーム。最近では、ドナルド・トランプ氏が昨年再選した米大統領選の結果や、FRBの利下げ予測をめぐる賭けで利用者が増えたことが知られる。代表的なものにポリマーケットやカルシなどが挙げられる。

流動性の供給方法

シャバシェフ氏は、ビットコイン建て予測市場に流動性を供給する方法として、以下の3つの方法を検討し、それぞれのメリットとデメリットを次のように分析した。

  • クロスマーケットメイキング
  • 自動マーケットメイキング
  • DeFiベースのリダイレクト

クロスマーケットメイキングは、ステーブルコイン市場のヘッジとミラーリングを行うもので、自動マーケットメイキングは、流動性プール内の資産の数量に相対価格を関連付ける価格設定ルールを設定するものだ。

清算リスクが排除されるため、ユーザーにとってリスク面では最も安全だが、プロのマーケットメーカーの積極的な運用が必要だ。

自動マーケットメーカー(AMM)は展開はシンプルに行うことができるが、流動性提供者にとって恒久的損失リスクがあり、トレーダーにとってスプレッド面で効率が低くなる。

DeFi(分散型金融)による取引のリダイレクトは、合成エクスポージャーなどを通じて既存のステーブルコインの流動性を活用するものである。展開が容易で既存のDeFiインフラと連携しやすいものの、予測市場の結果とは無関係にユーザーを担保によるリスクに晒す欠点がある。

シャバシェフ氏は、ビットコイン建ての予測市場は実現可能であり、多くの状況で魅力的だと結論した。一方で、流動性を提供する方法については慎重な設計が必要だとしている。

関連:米ビットコイン法案承認に向けた円卓会議、ストラテジーのセイラー会長らが出席

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
09/19 金曜日
13:45
FOMC利下げ後、ビットコイン市場の課題と展望=Glassnode分析
米FOMC利下げ決定後のビットコイン市場をGlassnodeが分析したレポートを発表し、先物・オプション市場の動向、オンチェーン指標から今後のトレンドを予測した。次の方向性を見極める水準として、BTCのコストベースである11万5,200ドルという価格を提示した。
12:00
ステーブルコインに関する税金の基本 仮想通貨初心者こそ覚えておきたいポイント|Aerial Partners寄稿
日本でJPYC・USDCなどステーブルコインの利用が拡大中。仮想通貨にも詳しい税理士が税務上の取り扱いを初心者にもわかりやすく解説。雑所得の計算方法、確定申告の注意点、NFT購入・DeFi運用・他通貨交換時の課税ルールを具体例とともに詳しく紹介します。
11:56
BNBが大台の1000ドル突破、DOGEとXRP ETFの取引量はアナリスト予想を大きく上回る
暗号資産市場でBNB(旧:バイナンスコイン)が過去最高値の1,000ドル突破を達成。バイナンス創業者CZ氏のCEO復帰思惑や「Megadrop」需要が背景に。一方、米国初のドージコインETF(DOJE)とXRP現物ETF(XRPR)が取引開始から驚異的な取引量を記録し、アナリスト予想を大幅に上回る滑り出しを見せた。
11:40
ビットコイン建て分散型予測市場の魅力とは? 研究者が提唱
コンピュータ科学者のシャバシェフ氏が仮想通貨ビットコイン建ての分散型予測市場を提唱。ステーブルコイン建ての機会損失を解決するとして、3つの流動性供給方法を分析した。
11:03
Blockstream、Liquidで挑むアジア太平洋市場──アダム・バックCEOに聞いたEchoXとの連携の狙い
Blockstream CEOアダム・バック氏。ビットコイン拡張ネットワーク「Liquid」でのUSDT活用、RWAトークン化戦略、Echo Xとの提携によるアジア市場展開について語った。
10:50
クラーケン、ICOプラットフォームをローンチへ
仮想通貨取引所クラーケンは、ICOと初期のトークンセールのためのプラットフォームKraken Launchのローンチを発表。ローンチの目的や特徴などについて説明した。
10:15
仮想通貨取引所ブリッシュ、純利益160億円で黒字転換 決算発表
機関投資家向け仮想通貨プラットフォームBullishが2025年4~6月期決算を発表。純利益160億円で黒字転換を達成した。その他「Pudgy Penguins」のオーナーIglooとの提携も開始している。
10:05
メタマスク独自トークン「MASK」発行の可能性、ルービンCEO「予想より早く実現」
コンセンシスのジョー・ルービンCEOがメタマスクの独自トークンMASKの発行が予想より早く実現する可能性を明言。
09:02
PayPalのステーブルコインPYUSD、7チェーンに拡大
決済大手PayPalのステーブルコインPYUSDが、レイヤーゼロのスターゲートブリッジを通じてアプトスなど7つの新しいブロックチェーンに展開。「PYUSD0」として相互運用性を強化。
08:48
仮想通貨関連企業Bakkt、日本市場向けに「bitcoin.co.jp」のドメイン取得を発表
米仮想通貨企業Bakktが当初予定していたbitcoin.jpドメインの権利を放棄し、bitcoin.co.jpドメインの取得を完了したと発表。日本市場向けのプレミアムドメインとして選択。
08:30
ミシガン州の仮想通貨準備金法案が前進、ビットコイン団体は反対表明
ミシガン州議会で仮想通貨準備金法案HB4087が2月以来初めて進展した。州資金の10%投資を認める内容だが、ミシガンビットコイン貿易評議会は全仮想通貨対象のため反対を表明している。
07:50
リップル社、DBS・フランクリンテンプルトンとRWA領域で提携
リップル社は、DBSとフランクリン・テンプルトンとRWA領域でパートナーシップを締結。適格投資家や機関投資家に取引と融資のソリューションを提供することが目的である。
07:15
コインベース、USDC貸出サービスで10%以上の高年利を提供開始
コインベースが仮想通貨USDCの貸出サービスを開始し、年10.8%の高利回りを提供すると発表した。モルフォプロトコルとの連携により、従来の4.1%を大幅に上回る収益機会を提供する。
06:40
ソルメイト、443億円調達でソラナ特化企業に転換 Arkなどが出資
米上場企業ブレラホールディングスがソルメイトに社名変更し、アーク・インベストらから3億ドルを調達してソラナ特化のDAT企業に転換すると発表した。
06:15
エヌビディア、インテルに7400億円投資でAIチップ共同開発へ 株価22%高騰
エヌビディアがインテルに50億ドルを投資し、データセンター向けAIチップとPC向けチップの共同開発を発表した。インテル株は22%急騰し38年ぶりの上昇幅を記録した。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧