はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用 WebX
CoinPostで今最も読まれています

「ステーブルコインは世界の金融安定性に対する脅威」中国人民銀行総裁が表明

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

米ドルとの国際競争を懸念か

中国人民銀行の潘功勝総裁は27日、ステーブルコインを世界的な金融安定への脅威と呼び、国内の暗号資産(仮想通貨)取引への取り締まりを強化すると改めて表明した。

北京で開催された2025年金融街年次総会の席で、潘総裁は次のように発言している。

ステーブルコインは依然として金融監督の基本要件を満たしていない。違法な資金移動、テロ資金供与、マネーロンダリングを助長する抜け穴を作っている。

顧客身元確認(KYC)やマネーロンダリング対策(AML)といった主なコンプライアンス基準を満たしていないとする格好だ。

また、海外市場におけるステーブルコインの発展を綿密に監視・評価するとも述べた。こうしたステーブルコインが、一部の発展途上国の通貨主権を損なっているとも主張している。

ステーブルコインとは

価格が常に安定している(stable)仮想通貨を指す。ステーブルコインは暗号資産の一種で、BTCやETH、XRPなど変動性のある資産とは異なり、米ドルなどに裏付けられその価値を保つことが目的だ。米ドルの裏付けによるステーブルコイン(USDT・USDC)のほか、アルゴリズムを利用するステーブルコインもある。

中国の当局や論者は、特に米ドル建てステーブルコインに注意を払っているとみられる。例えば、中国銀行の元副総裁である王永利氏は6月、米ドルステーブルコインの優位性が、人民元が国際化するにあたって深刻なハードルになると指摘していた。

中国の進める中央銀行デジタル通貨(CBDC)であるデジタル人民元がこうしたトークンの普及率に太刀打ちできなければ、人民元の国際的な普及に向けた取り組みの妨げになると論じている。

王氏は、政府に対して、デジタル人民元の導入を加速し、香港を通じたオフショア人民元建てステーブルコインの可能性も検討するよう求めていた。

実際に、トランプ政権は、米ドル建てステーブルコインは米ドルの覇権を維持する上で役割を果たすと認識。こうしたことも背景に、ステーブルコイン規制法案「ジーニアス法」を可決している。

関連:「ステーブルコインはドル覇権を強化」ベセント財務長官

15日には、中国政府がアント・グループなどテクノロジー大手企業による香港でのステーブルコイン発行計画を遅らせるべく介入したと報じられた。民間運営のステーブルコインが、政府によるデジタル人民元への挑戦とみなされていると伝えられる。

関連:中国IT大手、当局介入でステーブルコイン計画を中断=FT紙

潘総裁は、ビットコイン(BTC)などステーブルコイン以外の仮想通貨に対する厳しい姿勢も再確認した。人民銀行は法執行機関と連携し、中国本土における仮想通貨取引と投機活動を取り締まっていくと改めて述べている。

2021年には、人民銀行などの中央当局が、中国本土でのあらゆる仮想通貨取引活動を禁止する通知を発表。潘氏は今回、こうした措置は効果的なものだと評価した。

一方で、中国の投資家はVPNなどを使用し、規制をかいくぐって仮想通貨取引を続けているとも指摘されるところだ。

仮想通貨関連では、中国の国家安全部は8月、外国の仮想通貨プロジェクトが虹彩スキャンなど機密性の高い生体認証情報を収集していることについて警告。具体的なプロジェクト名を明かしていないものの、サム・アルトマン氏率いるワールドコインを指しているとみられる。

関連:中国の国有企業が世界初のRWAデジタル債券発行、イーサリアム上で103億円相当調達

関連:「ビットコインは100万ドルに」エリック・トランプ、中国の影響を評価

WebX アンケートご協力のお願い
CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
14:45
トム・リー率いるビットマイン、170億円相当のETHを新規購入か=Lookonchain報告
トム・リー氏率いるビットマインが約173億円相当のイーサリアムを新規購入かと報告。保有額は2兆円超え、世界最大のETH保有企業として総供給量の2.8%を保有。株式の流動性も米国46位にランクイン。
14:00
バイナンス、3銘柄を11月上場廃止予定
大手仮想通貨取引所バイナンスがフラミンゴ、カデナ、パーペチュアルプロトコルの現物取引ペアを11月12日に上場廃止すると発表した。定期審査の結果、業界基準を満たさないと判断された。
13:40
【2026年度】仮想通貨(暗号資産)の最新税制要望から読み解く今後の法改正シナリオ|Aerial Partners寄稿
JVCEAと金融庁が2025年に提出した仮想通貨税制の最新要望を解説。ETF導入、申告分離課税、株式等同等扱いの3つの改正シナリオと、今後の制度変更に向けて準備すべきことを整理する。
13:35
RWAトークン化企業セキュリタイズ、SPAC上場決定 評価額は約1900億円
RWAトークン化大手のSecuritizeが、Cantor Equity Partners IIとのSPAC合併により株式上場を発表。企業価値12.5億ドル、ブラックロックなど既存投資家が全株保有。市場シェア20%を占める最大手プラットフォーム。
13:25
米ビットコインETF、ブラックロック除外では年初来マイナスフローに
K33のアナリストが、米国の仮想通貨ビットコイン現物ETFの年初来流入がIBITに集中していると指摘。ブラックロックの役割の大きさが示されている。
13:20
リップルやSBI出資のエバーノース、すでに154億円相当のXRPを保有=オンチェーンデータ
エバーノースが約3.89億XRPを購入し、投資額は9.47億ドルに達したことが分かった。既に5000万ドル以上の含み益を得ている。
12:39
万博提供のデジタルウォレット、約100万ダウンロード達成
大阪・関西万博で提供された「EXPO2025デジタルウォレット」が約100万ダウンロードを達成。会期中に累計590万件の取引を処理した。10月31日より「HashPort Wallet」へリニューアルし、マルチチェーン対応やDEX機能を搭載する。
12:05
Oasys、イーサリアムとのブリッジ対応を発表
ゲーム特化型ブロックチェーンOasysが、イーサリアムとのブリッジに対応。異なるチェーン間での資産移動が可能に。分散型取引所での交換も開始し、IPトークン化への展開を加速。
12:05
『甲虫王者ムシキング』のブロックチェーンゲーム 11月上旬にリリース予定
Kyuzanがセガの人気IP『甲虫王者ムシキング』のブロックチェーンゲームを開発。MUSHIトークンを活用した期間限定カードバトルとして10月下旬にリリース予定。約90種類のムシカードが登場。
11:35
トランプ一族関与のワールドリバティ、USD1ポイント参加者に1.8億円相当のWLFIトークンを配布
トランプ一族関連のワールドリバティがUSD1ポイントプログラム参加者への報酬配布を発表した。提携取引所を通じて合計840万WLFIトークンが配られる予定だ。
11:15
テザーゴールド、時価総額3200億円に倍増 金の価格高騰を受け
テザーが金連動トークンXAUTの第3四半期証明書を公開し、スイス保管の現物金による完全裏付けを報告した。金価格上昇を背景に時価総額は8月から倍増し3200億ドルに到達。
10:55
サークル独自のレイヤー1「Arc」、テストネット始動 ブラックロック・ビザ含む100社超が参加
サークル社が新ブロックチェーン「Arc」のテストネットを開始。ブラックロック、ビザなど100社超が参加し、USDC を活用した次世代金融インフラの構築を目指す。ステーブルコイン市場は3000億ドル規模に成長。
10:35
ビザ、複数ブロックチェーンで決済網強化 4種類のステーブルコイン対応へ
決済大手ビザが複数のステーブルコインへの対応拡大を発表した。4つのブロックチェーン上で4種類のステーブルコインをサポートし、25以上の法定通貨に変換できる決済網を構築。
10:12
テラウルフとフルイドスタック、大規模なAIデータセンター開発へ グーグルが2000億円の債務保証
ビットコインマイニング企業テラウルフがフルイドスタックと新たなAIデータセンターを開発する。グーグルが約2,000億円の債務を保証し、契約収益は1兆円を超える見込みだ。
10:05
Secured Finance、JPYCの新プロダクト群を発表
DeFi開発企業Secured Financeは、ステーブルコインJPYCのプロダクトを発表。日本円市場の金利構造をブロックチェーンで再現して、世界の投資家が日本円金利にアクセスできるようにする。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧