JPYCのプロダクト発表
次世代のDeFi(分散型金融)ソリューションを開発するSecured Financeは28日、日本円ステーブルコイン「JPYC」の複数の新プロダクトを発表した。
JPYCのプロダクトを提供し、日本円市場の金利構造をオンチェーン上に再現して、世界の投資家が日本円金利にアクセスできる分散型インフラを構築することを目指すと説明している。
Secured Financeはスイスを拠点にしている企業。イーサリアムやファイルコインなど複数のブロックチェーン上で、固定金利レンディング市場やFIL担保のステーブルコイン「USDFC」を展開しており、最近のトレンドであるRWA(現実資産)領域でも注目を集めている。
RWAとは
「Real World Asset」の略。ブロックチェーン上でトークン化されるRWAには不動産、アート作品、トレーディングカード等の実物資産、株や債券等の有価証券などが含まれる。
主な取り組み
JPYC固定金利レンディング
今回の発表で、JPYCに関する主な取り組みとして紹介していることは5つ。1つ目はJPYC建ての固定金利レンディング市場の提供である。
貸し手に安定した利回りを提供し、借り手が予測可能な金利で資金調達できるようにして、日本円のオンチェーン金利カーブの基盤を形成すると説明した。
このサービスはスケジュールが明記されており、初回の板寄せを来月3日に開始。翌週のオープン価格決定後に取引を開始するとしている。
WBTC/ETH担保によるJPYC借入
2つ目は、WBTCおよびETHを担保にJPYCを借り入れられるようにすること。今後については、RWAトークンや利回り資産トークンも担保対象にしていくと説明した。
この取り組みの目的は、DeFiと実世界金融をつなぐ新たな信用市場を作ることである。
JPYC Yearn Vault v3連携
3つ目は、イールドアグリゲーター「Yearn Finance」との連携による「JPYC建てVault(v3対応)」の開発。ユーザーに、資産を預けたまま最適化される利回りを得られる機能を提供するとした。
JPYC建てVaultは現在開発中であると説明している。
オンチェーン円金利ベンチマークの構築
4つ目は、これからJPYCレンディング市場が成熟していくことに合わせて、オンチェーン上で日本円金利のベンチマーク指標を開発・公表する計画である。
市場実勢に基づく金利を可視化し、JPYCなどの日本円ステーブルコインを用いたオンチェーン金融の安定性と透明性の向上に寄与することを目指すとした。
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JPYC x402 Facilitator
5つ目は、コードベースでのJPYC自動決済の実現。これにはコインベースの開発部門が今年5月に発表したオープンソース決済プロトコル「x402」を活用するとした。
x402についてSecured Financeは、複雑な決済システムや高額な手数料を介さずに、ウェブサービス上で直接ステーブルコイン決済を可能にする新たな仕組みであると説明している。
この仕組みを活用することで、あらゆるオンラインサービスやAI(人工知能)エージェントが、安全かつ即時にJPYCを用いた取引を実行できるようになるとした。
AIエージェントは、現在IT業界で注目を集めており、AIの技術を活用して人間や別のシステムに代わって自律的にタスクを実行してくれるシステムやプログラムを指す。
関連:AIとステーブルコインが変える決済の未来、コインベースが「x402」を発表
Secured FinanceのMasa “Senshi” Kikuchi CEOは発表で以下のようにコメントした。
日本円は国内通貨にとどまらず、世界の金利ベンチマークです。
JPYCのエコシステムを活用することで、日本円金利カーブをオンチェーン化し、実世界の金融市場とDeFiをつなぐ新しいインフラを構築していきます。
なお、JPYCは27日から正式に発行を開始。これに合わせ、ステーブルコインやブロックチェーンの関連株が上昇したことも注目を集めた。



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