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米FRB、トークン化証券の自己資本規制を明確化

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

この記事のポイント
  • 「技術中立」の原則を正式に公表
  • 銀行によるDLT活用の障壁が解消へ

トークン化証券の自己資本規制FAQ公表

米連邦準備制度理事会(FRB)は3月5日、通貨監督局(OCC)および連邦預金保険公社(FDIC)と共同で、トークン化証券(分散台帳技術=DLTを用いてブロックチェーン上に記録された有価証券)の自己資本規制上の取り扱いに関するFAQ(よくある質問と回答)をFRB公式サイトで正式に公表した。

FAQの核心は「技術中立」原則の明文化だ。トークン化証券の発行・取引に用いる技術の種類は、原則として自己資本規制上の扱いに影響しない。すなわち、法律上の権利が従来の非トークン化証券と同一であるトークン化証券(適格トークン化証券)は、従来形式の証券と同等の自己資本規制処理を受けることになる。

また、適格トークン化証券を参照するデリバティブも、従来の非トークン化証券を参照するデリバティブと同様に扱われる。

さらに同FAQは2点の重要事項を補足している。第一に、トークン化証券が自己資本規制上の「適格金融担保」に該当するかは、DLTの利用有無に左右されず、既存規制の定義に照らして判断するという点だ。第二に、許可型(パーミッションド)ブロックチェーンか非許可型(パーミッションレス)ブロックチェーンかという区別も、自己資本規制上の異なる扱いをもたらさないとFAQは明記している。

なお適用範囲は、法的権利が従来証券と同一であることが前提であり、それを欠くトークンは対象外である点も明確化された。

このFAQは、銀行業界がDLTを活用したトークン化証券への関心を急速に高めている状況を踏まえた上で作成されたものだ。ロビンフッド、クラーケン、ジェミナイなどがトークン化株式をヨーロッパで展開するなど、トランプ政権の親仮想通貨姿勢を背景に業界全体でトークン化を推進する動きが加速していた。

また1月28日にはSECも、連邦証券法上の扱いに関するトークン化証券ガイダンスを公表しており、今回のFRB等によるFAQはSECの方針と整合する形で銀行規制の面からの補完的な明確化となった。

FRB・OCC・FDICの3機関は「有価証券の発行・取引に用いられる技術は、一般的にその自己資本規制上の取り扱いに影響を与えない」との見解を共同声明として示した。銀行業界からは「追加的な資本負担が生じないことが確認されたことで、トークン化証券事業への参入判断をより迅速に進められる」との反応が出ている。これは規制の不透明感が銀行のDLT活用の障壁となっていた問題への直接的な回答とみなされている。

今後は2026年中に予定されるステーブルコイン包括規制(ジーニアス法に基づく省庁間規則)の整備や、FDICが検討中のトークン化預金ガイダンスの公表と合わせて、銀行によるDLT活用の法的環境が段階的に整備される見通しだ。

複数の大手金融機関がDTCC(米国預託信託清算会社)のトークン化サービスの活用を検討しており、規制当局の方針が固まる中でパイロット実装の加速が予想される。

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