- Q. 取引所を運営する上で大事なこととは
- A. 利益化よりも大事なことは、安全なストラクチャ-、プロセス、ポリシーを持つことによって、顧客の信頼を得ることです。
- Q. 新しく上場する通貨を選択の仕方とは
- A.ビジネスや戦略面、規制面、技術面の三つのカテゴリーを考慮して上場する通貨を決めます。
KORBITは、韓国の三大仮想通貨取引所のBITHUMB、COINONE、の次に取引量が多く韓国初の取引所としても有名です。
今回は、韓国取引所としての現状(Vol.1)、韓国市場について、韓国人の仮想通貨に関する反応(Vol.2)、そして仮想通貨、ブロックチェーン(Vol.3)に関してのインタビューをさせていだきました。
今回インタビューを許可をして頂いたKorbit社及び、長時間のインタビューにご協力頂いたJoon Bhang氏に御礼申し上げます。
Korbit取引所に関する質疑応答
- ―Q. Joonさんの自己紹介をお願いします。
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私はBCGなどのコンサルティング企業で15年間経営コンサルタントとして働いていました。
専門分野は金融だったため、自然とフィンテックなどに興味を持ちました。
今年初旬、Korbitに入社する以前は、フィンテック企業を経営し、クレジットカードのデータを基に顧客に合ったマーケティングプランを練るサービスを提供していました。
これは『Cardlytics Marketing』と呼ばれ、韓国でこれを導入したのは私の会社が初めてでした。
しかし大手企業がその市場に興味を持ち、次第に『レッド・オーシャン(競争が激しい市場)』化しました。
そして長期的な視野を向けたときに、仮想通貨こそ本当のフィンテックだと思い、Korbit社に加わりました。
- ―Q. Korbitとはなにか、企業理念を踏まえて教えてください。
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Korbitは2013年創業し、韓国の仮想通貨市場を開拓した第一の企業でした。
従業員、ハッキング、詐欺など問題がない上、顧客の資産を守ることを最優先としているので、最も信頼された取引所でしょう。
私が加わった際は従業員15人でしたが、今では70人までに成長しました。
利益化よりも大事なことは、安全なストラクチャ-、プロセス、ポリシーを持つことによって、顧客の信頼を得ることです。
今年7月KorbitはNexonホールディングス(世界大手オンラインゲーム企業)の参加に入り、共同でシナジーの実現に努めています。
- ―Q. Korbit社は、どのようにして新しく上場する通貨を選択しているのでしょうか?
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まずは初めに潜在コインを3分野に分けます。
- 既に取引されている、成熟コイン
- 取引所に上場されて3か月未満の、新興コイン
- ICOコイン
私たちは、ICO前のコインやホワイトペーパーのコインは上場対象に含みません。
これらの3つの分野にはそれぞれの基準を査定する要素があります。成熟コインはハッキングなどの技術的問題は解決されるので、ビジネスや戦略面を重視します。
取引数、ノード数、変動性、ビジネスリスク(ガラパゴス化)などです。
どれだけ多くのマーケットに分配されているのか、コイン所有者の数などを審査基準とします。
二つ目は、規制面です。経営陣は信頼できるチームか?資金洗浄やKYC問題に関わりはないかを見ます。
三つ目は、技術面です。ウォレットやノードの安全性、PoWハッキングの耐久性などです。
そして最後にネットワークのスケール力です。
これらは成熟コイン審査基準の優先順位ですが、ICOコインと新興コインの審査基準は反対になり、ビジネス面より技術面を重視します。
- ―Q. これらの3つの分野で、Korbitはどの種類のコインを一番上場していますか?
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今年第一4半期に我々はベンチャー企業から金融サービス企業に移り、システムを大幅に変えました。
現在上場しているのは12コインです。(パーセンテージを出すのは早い段階)
- ―Q. Korbitおよび韓国政府はどのように匿名コインを扱うのでしょうか?
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匿名コインは資金洗浄のハック攻撃に弱いですが、MoneroやZcashは韓国市場で取引され我々も一部の匿名コインを差別することなく上場しています。
セキュリティ面にも力を入れていて、顧客一人一人のプロファイルを審査し、その口座が資金洗浄の恐れがあるかなど調査しています。
それだけではなく、取引量に対しての莫大な引き出しなど異常な行為があればKorbitからユーザーへ警告をします。
- ―Q. バイナンス社は上場通貨を選択するプロセスの一つにコミュニティの投票システムを採用していますが、Korbit社はこのようなシステムを採用する計画はあるのでしょうか?またKorbitとコミュニティの関係性を教えてください。
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ディシジョンメイキングだけでなくマーケティング手段としても、とてもスマートなシステムだと思います。
正直なことを言いますと、今後はコミュニティと親密な関係を構築することに時間や労力を費やす必要があると感じています。
今まで企業としてのフォーカスは商品を完全な物にすることやシステム構築をすることでした。
これからはSNSなどのKorbitコミュニティとの関係を構築することも視野に入れて行くつもりです。
- ―Q. サイバーアタックなどはどのように対処しますか?
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今までハッキング関連の問題はなく、Korbitを知る人は『Korbitは世界有数の安全な取引所』だと言います。
安全面を考慮するには三つのカテゴリーに分ける必要があります。ソフトウェア、プロセス、そして最も大事な人材面です。
ハックの分析ができる専門家は必要不可欠な存在です。
Korbit社はセキュリティ保護のメカニズム構築のために莫大な資金を投資しています。
つまり我々の優先は、セキュリティ、取引所、投資家やユーザー保護、規制機関の遵守です。
韓国政府はKorbitを好んでいて、Korbitを知る金融や政治界の方は我々の事業に賛同しています。