世界各国の仮想通貨規制状況まとめ

各国の仮想通貨の規制状況
規制はあるものの友好的な日本やアメリカ、ほぼ禁止状態となった中国、匿名口座の規制が進められている韓国など世界各国の仮想通貨規制状況をまとめました。

2018年1月16日、ビットコインの価格が大暴落し、それにつられて仮想通貨市場全体が大暴落を記録しました。

この理由として考えられるのが、中国の仮想通貨に対する禁止措置です。

中国の厳しい仮想通貨禁止措置についてはこちらの記事に詳しく記載されておりますのでご参照ください。

中国政府最上級の仮想通貨禁止措置/仮想通貨大暴落の原因か
中国厳しい仮想通貨禁止措置 中国は以前の取引所禁止措置に加えて、アクセスの遮断やウォレットサービスなどほぼすべての...

また、 1月に起こった仮想通貨市場全体の価格暴落は韓国政府が仮想通貨取引の規制を強化すると発表したことも要因の1つとしてあげられます。

このように、暴落に際して各国の仮想通貨に対する規制問題が話題に上がっていますが、今回の記事では国別の規制状況をまとめてみようと思います。

ちなみに、国別の規制状況を一目で把握するにはビットリーガルというサイトがお勧めです。

国の色から、その国が仮想通貨に対して寛容的かどうかが一目でわかるようになっています。

目次
  1. 仮想通貨主要国の規制状況
  2. 欧州
  3. 南アジア
  4. 東南アジア
  5. 中東
  6. まとめ

仮想通貨主要国の規制状況

まずは、仮想通貨主要国の規制状況を見てみましょう。

こちらのサイトで国別の仮想通貨取引量を閲覧することができるのですが、まずは仮想通貨取引量上位国や主要国から具体的に見ていくことにしましょう。

現状では仮想通貨の国別取引量ランキングは1位アメリカ2位日本3位韓国ですね。

日本(規制はあるものの友好的)

日本は仮想通貨取引量が多く、国の規制も弱い国になります。

こちらの記事にも書かれておりますが、日本の金融庁は新たな市場である仮想通貨市場を寛容に受け入れ、世界一の市場へと押し上げています。

仮想通貨法規制で世界をリードする日本とそれに伴う課題
日本政府は仮想通貨規制に比較的寛容であり、その寛容さが日本を世界一のビットコイン市場に仕立て上げています。しかし、無名のアルトコインがビットコインと同様の扱いを受けるなど、消費者保護の観点からその規則が不十分であることも指摘されています。

例えば昨年度からの動きを見てみれば、2017年4月には改正資金決済法(仮想通貨法)が成立し、仮想通貨は国から正式に決済方法の一つとして認可されました。

さらに、仮想通貨の取引所の規定も設けられ、登録制が導入されました。

2017年9月には金融庁がbitFlyerを始めとする日本国内の仮想通貨取引所11社(※2018年1月現在は16社)を正式な取引所として認可し、現在も次々と新たな取引所が誕生しています。

金融庁が仮想通貨交換業者登録一覧を発表/16社がリスト入り、16社が審査中
10月1日の日本の取引所登録制度の施行を前にして、金融庁が仮想通貨交換業者登録一覧を発表しました。ビットフライヤー、SBI、Zaif等はリスト入りしましたが、コインチェックは未だリスト入りしていません。

このように、日本は国を挙げて仮想通貨取引を容認している世界に類を見ない国となります。

ただし、ICOに関しては今後規制が入ってくると考えられており、現在のように誰でもICOで資金調達できる、というわけにはいかなくなってくるでしょう。

アメリカ合衆国(規制はあるものの友好的)

アメリカでは、仮想通貨の取引自体は認められています。

しかし、金融商品に組み込むことやICOについては厳しく、事実証券取引委員会(SEC)は仮想通貨のETF承認に否定的です。

ただし、国全体としては仮想通貨やICOに対して好意的な見解を持っていると考えられ、SECの議長であるクレイトン氏は

「新たな市場への投資にはリスクがつきものであるが、投資家はこのような投資機会にオープンであるべきだ。また、コンサルタントや法律家は、SECが定める法律、規制、ガイドラインに基づいて適切なアドバイスを行い、投資家保護に努めるべきだ」

とも述べていることから、規制はあるものの国全体の姿勢としては仮想通貨市場に好意的であると言えるでしょう。

中国(ほぼ禁止)

一方で中国は、取引所の閉鎖から国内外の取引所へのアクセスの遮断措置を検討中と、国を挙げての仮想通貨取引の厳しい規制を行っています。

2017年9月には中国は組織がICOによって資金調達をすることを全面的に禁止し、ICOは中国国内では完全に違法となりました。

2018年1月には中国国内でのビットコインのマイニングを抑制する概要もまとめています。

中国の中央銀行がビットコインマイニング抑制計画を進行中
中国の中央銀行がビットコインマイニングを抑制するため、権力者に電気使用量規制を要求しています。また、元中国最大仮想通貨取引所Huobiは日本SBIグループと組み、今月2つの新たな取引所を開設する予定です。

現在では中国国内での仮想通貨投資は小規模のP2P取引(個人間取引)に限定と、事実上中国国内での仮想通貨投資はほぼ禁止される状況となりました。

中国政府最上級の仮想通貨禁止措置/仮想通貨大暴落の原因か
中国厳しい仮想通貨禁止措置 中国は以前の取引所禁止措置に加えて、アクセスの遮断やウォレットサービスなどほぼすべての...

韓国(規制)

韓国も同様に仮想通貨の取引量が多い国家ですが、2018年1月には韓国国内にある全ての仮想通貨取引所の閉鎖を法務部長官が検討していると発表し、仮想通貨市場全体の暴落の一要因となりました。

しかし、その後韓国政府は正式に「仮想通貨取引所の閉鎖はせず、不法取引などを適正な形で対処するために法整備を進める」と発表しています。

その一方で仮想通貨投資については厳しくなっており、2018年の2月からは韓国の仮想通貨取引所で外国人投資家が韓国ウォンを入金できなくなります。

市場の健全化を目指しているとはいえ、韓国もある程度の規制が入っていると言えるでしょう。

仮想通貨禁止はなし:韓国政府の確認
韓国政府が仮想通貨取引を禁止しないことを再度確認しました。また、仮想通貨の実名制度(匿名口座禁止)を推し進め、過度な仮想通貨投機と不法行為に対し厳しく対応することも明らかにしました。
韓国のビットコイン価格下落/1月末までに外国人の韓国ウォン入金が禁止
大手取引所のKorbitが、外国人は韓国国内の仮想通貨取引所で韓国ウォンを入金出来なくなると発表しました。また、20日までは170万円台を推移していた韓国BTC価格が、21日に約150万円まで暴落しました。

仮想通貨取引量の多い国でも、オープンであるか規制が厳しいかどうかはくっきりと分かれましたね。

では、以下も仮想通貨取引主要国と、仮想通貨取引が禁止や規制をされている国を見ていきましょう。

欧州

欧州各国の規制状況について触れていきます。

ロシア(規制はあるものの友好的)

ロシアでは2017年に中央銀行(CBR)が取引所へのアクセスをブロックすると発表し、「ビットコインを個人や法人が用いてはならない」という声明を出していました。

また、法的にも強く規制を受けていました。

しかし、そのあとプーチン大統領の意見もありロシアの仮想通貨への規制は弱まり、まだ構想段階ですが仮想通貨取引やICOなどの法的整備などを今後とも進めていく予定です。

ただし、ロシアは仮想通貨に対し全面規制はないものの、一部仮想通貨やICOなどに対しては規制の準備を進めているようです。

例えば、ロシアの政府財務省副大臣アレクセイ・モイゼフ(Alexei Moiseev)氏は、以下のように主張しています。

「仮想通貨売買を禁止にはしたくないが、制限を設けることはするだろう。一定のルールを導入し、売買を合法化し、正式な取引所で売買されるようにする」

そして2018年1月25日にはロシア連邦財務省が仮想通貨取引、ICO、マイニング等の規制について書かれている「デジタル資産規制法」草案を公開しました。

ICOは発行者の名前や住所、公式HP、ICOトークン価格など、詳細な情報が載っている法的文書が必要になるとのことです。

更にはライセンスを持っていない人がICOへ投資する場合、投資額は5万ルーブル(約10万円)の制限がかけられる、となっています。

Russia Drafts Bill to Legalize Cryptocurrency Trading on Approved Exchanges

Jan 12, 2018 by Kevin Helms

参考記事はこちらから

Russia’s Ministry of Finance Legalizes Cryptocurrency Trading, Central Bank Disagrees

Jan 26, 2018 by Helen Partz

参考記事はこちらから

カナダ(一部規制)

カナダでは、カナダ証券管理局(CSA)がICOに対して一部規制する必要があると主張しています。

SECのように、要件を満たしていない一部のICO案件に規制をするものと思われます。

アイスランド(禁止)

外貨取引法により仮想通貨の取引は全面禁止されています。

ただし、マイニングされたビットコインの取引は自由のようです。

南アジア

南アジア各国の規制状況について触れていきます。

台湾(規制はあるものの友好的)

台湾も日本と同様に仮想通貨、ブロックチェーン技術、そしてICOに対して友好的です。

ただし、中央銀行とFSCは仮想通貨はあくまで通貨ではなく資産であるとする見解を示しています。

Challenging China: Taiwan Supports Mainstream Adoption of ICOs and Bitcoin

OCT 10, 2017 by Joshua Althauser

参考記事はこちらから

インド(規制)

仮想通貨を支払いや決済には利用されるべきではないと発表しています。

ただし、ブロックチェーン技術は金融機関にて利用されており、大きな可能性を秘めているとしています。

インドの中央銀行がビットコイン及び仮想通貨の禁止を示唆
インドは、資金洗浄や詐欺等の誤った用途を危惧し、ビットコイン及び仮想通貨の送金と決済の禁止を発表しました。しかし、国際送金や国際決済、その他のプロセスをより良くする可能性があるブロックチェーン技術については、肯定的であるようです。

ネパール(禁止)

中央銀行により仮想通貨取引は禁止されました。

東南アジア

東南アジア各国の規制についても触れていきます。

ベトナム(自由)

ベトナムは日本と同様に仮想通貨に対して寛容であり、ベトナム首相は2018年までにビットコインを正式な決済手段にするということを表明しています。

同時に、政府は2019年までには仮想通貨に関する税制を整えることも表明しています。

ベトナム政府は"国家初"ビットコインを通貨として認める
ベトナムの大統領は2018年までにビットコインをはじめとした仮想通貨を国内で通貨として法的に認める計画を発表しました。ベトナム国家は仮想通貨先進国となりうるのでしょうか?

シンガポール(規制はあるものの友好的)

シンガポール金融管理局(MAS)は2017年8月にICO規制に乗り出しており、2017年11月にはICO規制に関する正式な書面を交付しています。

シンガポール、ブロックチェーン関連事業がICOを実行する好ましい目的地に
シンガポールはブロックチェーン事業に積極的 規制をしつつも自国通貨のトークン化導入など、ブロックチェーン事業の...

マレーシア(規制)

マレーシア中央銀行は仮想通貨規制のガイドラインを発表しており、仮想通貨を合法でないものとしています。

マレーシアは2017年末までに仮想通貨規制を決定する
マレーシアは現状では仮想通貨に対して特に規制などはしていませんが、仮想通貨のリスクとそれに対する責任は自己責任としています。また、2017年以内に仮想通貨規制についての詳細をまとめる姿勢をみせています。

タイ(規制)

タイ銀行によりバーツと交換される場合にのみ仮想通貨売買は適法とされています。

法律上では明確に仮想通貨取引を規制しているわけではありませんが、市場が自由に開かれているというわけではありません。

インドネシア(禁止)

仮想通貨を使用することは国の法律を乱すものだとしており、2017年10月には2つの国内取引所が自主的に閉鎖しています。

そして、2018年の1月13日には正式ではありませんがインドネシア中央銀行が国内での仮想通貨の売買や取引を禁止すると発表しました。

中東

中東各国の規制状況について触れていきます。

ヨルダン(規制)

中央銀行は仮想通貨の使用に警告を発しており、ヨルダンの金融業者や決済業者は仮想通貨で取引を行うことが禁止されています。

レバノン(規制)

レバノン銀行により仮想通貨に対する警告が発せられており、法律で金融機関や取引所が電子貨幣として仮想通貨を扱う事は禁止されています。

その他中東国(正式ではないが今後規制されていく)

アルジェリアやイランを始め多くの中東国で仮想通貨に対する規制が強まってきており、今後は正式に規制されていくと予想されます。

南米

南米各国の規制状況について触れていきます。

コロンビア(規制)

コロンビアでは銀行が仮想通貨に関わることを禁止しており、中央銀行はビットコインを通貨ではなく資産であるという見解を出しています。

また、コロンビア金融監督局はビットコインへの投資やその保護を許可しない。仮想通貨のリスクを知り、それを受容する責任は人々にあると発表しました。

ボリビア(禁止)

仮想通貨取引は全面的に禁止されています。

2017年5月にはビットコイン取引をしていた国民が逮捕されたというニュースもありました。

Bolivian Authorities Arrest 60 Bitcoiners, Reiterate Virtual Currencies as Illegal Pyramid Schemes

may 30, 2017 by Francisco Memoria

参考記事はこちらから

ベネズエラ(禁止規制)

仮想通貨取引は全面的に禁止されています。

2017年には国内でマイニングをしていた国民が逮捕されたという事件もありました。

ベネズエラでは完全に仮想通貨の取引を禁止していましたが、政府がオンラインの登録制度を行なったり、自国通貨としてペトロトークンの発行を計画している可能性が浮上しています。

インフレ加速するベネズエラ、決済手段としてBCHが有望視
貨収入のほとんどを石油産業に依存するベネズエラで、石油の減産が進んでいます。この状況が続けば、ベネズエラの経済は悪化し、インフレを加速させることは避けられません。送金手数料の安いビットコインキャッシュが決済手段として脚光を浴びています。

まとめ

このように各国の規制状況を見ていくと、規制もしくは禁止している国に関してはある程度の共通点が見られますね。

基本的に、投機行為が禁止されているイスラム圏の国では規制される傾向にあります。

これは仮想通貨がまだまだ投機対象としか見られていないということの表れでしょう。

また、中国のように大幅な規制がなされる国では、歴史的な問題も背景にあると考えられます。

例えば中国では国境を超えた資金の移動が厳しく制限されていることからも、仮想通貨取引を政府が全面的に規制する理由は頷けますね。

日本でもICOが自由にできるといいましても、詐欺などが横行している現状を鑑みればいずれ規制は設けられることでしょう。

多少の規制は公正なビジネスにおいては必要不可欠であると思われますので、程よく規制が整備され、自由に仮想通貨取引を行える世の中が到来するといいですね。

ライター:タコペッティ@syakaisei

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

「LINE@」厳選情報を配信!

日本や海外の「重要ニュースまとめ」をいち早く入手したい方は、ぜひ登録してみて下さい。

友だち追加