イスラエル当局、仮想通貨分野の「危険信号」リストを公開 AML巡りブロックチェーン大国が警戒

仮想通貨取引の危険信号リスト

イスラエルが「仮想資産分野のレッドフラッグ(危険信号)」という題名のガイドラインを提案、一般公開された。

ガイドラインはイスラエル政府のマネーロンダリングおよびテロ資金調達禁止機関によって起草されたもので、民間セクターが仮想通貨などのデジタル資産に関して、資金洗浄対策を行う際に参照できるものとしている。

さまざまな金融規制当局や業界のメンバーと協力して編集したもので、金融機関が「問題のある」活動を特定できるように設計されている。

イスラエル当局は、「仮想通貨は経済的革新を促すものの、犯罪に関わる資金を押収しようとする執行機関には困難な問題も投げかける」としているが、このガイドラインには不当に「危険信号」として定められるものが多すぎるとして、同国の仮想通貨コミュニティからは批判の声も上がっている。

例えば、仮想通貨取引所Bit2cの財務・コンプライアンス責任者Ron Tsarfaty氏は、

「このような危険信号リストは、成長産業や技術、民主主義における基本的権利、つまり個人の自由、プライバシーの権利、財産の権利、職業選択の自由を損なうものだ」と発言した。

VPN接続や高齢者も疑わしい取引にリストアップ

注意しなければならない「危険信号リスト」には多くの項目が掲載されている。

ダークネットベンダー、ICOの不当な価格操作、ネズミ講、ランサムウェアハッカーなど、明らかに詐欺や犯罪に分類されるものも多くリストアップされている。

しかし中には疑わしいユーザーとして、「VPN、Onion Router(TOR)ソフトウェア、またはユーザーが匿名性を高めることができる別のソフトウェアに関連付けられたIPアドレスを使用してサービスプロバイダーのシステムに入るユーザー」など、一般ユーザーや企業にも多く当てはまりそうな条件が上げられている。

VPN接続は通信のプライバシーを保護するために広く使われているものだ。

その他、仮想通貨を一般的に取引する層よりも年配の高齢者、P2Pまたは分散型取引所のユーザー、取引を急いで行おうとしている人々、仮想通貨を使用して慈善団体に寄付する人々までも含まれた。

ガイドライン草稿によると、「危険信号」が検知された場合、サービスプロバイダーは問題を調査する必要があり、資金洗浄などの疑いが生じた場合は、当局または警察にすぐに報告しなければならないと定めており、一般ユーザーの仮想通貨利用を制限する障壁になりかねないと指摘される。

イスラエルはIT・サイバーセキュリティ先進国として、ブロックチェーンや仮想通貨関連のビジネス自体も活発な国であり、2019年12月現在で150社の企業がブロックチェーンや仮想通貨取引関連の事業を行っており、2018年末の113社と比較して32%増加するほど、世界から最先端ビジネスを行う事業者が集まっていた。

2019年においては、相場停滞の影響か、資本調達は前年に比べて弱い傾向にあったが、依然仮想通貨関連ビジネスで重要な国であり、今回のガイドラインを警戒する声もでている。


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