CoinPostで今最も読まれています

公聴会まとめ:CFTC委員長『ビットコインがなければ、ブロックチェーンもない』

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

SEC(アメリカ証券取引委員会)とCFTC(アメリカ商品先物取引委員会)の委員長が出席した公聴会の内容は、ICOや仮想通貨取引所、デリバティブやETFsなどを含む仮想通貨とブロックチェーンの規制、または国際的な金融犯罪に関してです。

全体的な印象としては、かなり専門的な内容を理解した上で、正確に今の仮想通貨の現状を捉え、現在の法律で補えていない部分を州ではなく国全体の規制の枠組みを制定していくという、否定から入らない内容でした。

テザー問題に関してはCFTC Giancarlo氏からは言及がなかったものの、仮想通貨愛好家に向けた発言や、自身もトレンドを把握した仮想通貨用語を多用していたことも話題となりました。

特に印象に残った言葉は『特に覚えて置いてほしいことはビットコインがなければ、今のブロックチェーン技術がないことだ』と今技術革新として取り上げられるブロックチェーン技術の礎となった物が、ビットコインである事を忘れてはいけないと米国上院に発言しました。

公聴会について

仮想通貨の台頭や市場規模の拡大は顕著で、日に日に名実ともに一般社会に広がりを見せていますが、そのニュースや直近の業界の動向については否定的な報道を多数見かけます。

コインチェックからの資産流出や複数のハッキング被害、また消費者の知識の欠如を利用した詐欺的犯罪などが主なものとして挙げられ、ICOもこの中に含まれます。

SEC Chairman Jay Clayton氏:

複数の質問中、たびたびDLT(ブロックチェーン/分散型台帳技術)を含むビットコインやICOに関しての将来性やリスクの規模について問われた中で、終始仮想通貨やDLTとICOについては別物だと強調。ICOに投資を行ったからと言ってそのトークンやデジタル通貨がブロックチェーン技術を用いているものとは限らないため、ICO投資は必ずしもブロックチェーン技術への投資にはならないと指摘。

その上で、ICO投資の現状は現行法制や批准すべき規則が守られておらず、事実上の無法地帯であるため、リスクが高く、多くの不正行為が行われていると主張しました。

一貫してICOについて問題を提起するとともに、投資家保護のシステムが完成していない点や、事業者が法的手続きを経ないまま資金調達を可能にしている現状に懸念を示しており、ホワイトペーパー内容を保証する法的保護がない中で相次ぐICO案件の不正を食い止めたいと考える、現在のSECの動きを如実に示す姿勢が表れていました。

またICOは証券の法律に則って厳格に規制していく方針でいくと示しました。

質疑応答中に発された、「現行のICOのどれか一つでも発行トークンが有価証券として登録されているのか」という問いに対し「0だ。」つまり今までのICOは有価証券として登録されていない。という見解はSECのICO規制に対する強い意志を示しているといえるでしょう。

現時点では不明ではあるものの、SECがすでに発行済みのICO案件や実施企業に対し遡及効を用いて追加徴税金や、罰則金支払いを求めるなどの展開になった場合、トークン市場は大きく動く場合考えておく必要はあるかもしれません。

いずれにせよICOについては今後の動向を見極めていく必要があるでしょう。

CFTC Chairman Christopher Giancarlo氏:

消費者保護や現状の仮想通貨市場やそれを取り巻く環境の整備などについて言及。

主張を聞く限り比較的仮想通貨やその技術等に対してポジティブな印象を抱いている模様でした。

仮想通貨を購入する際の手続きや、今後考えられる特にボラティリティの高い金融商品としてより広く取り扱われるようになった際、現行の金融商品と同様に消費者や投資家たちはリスクに関する説明を完全に理解することなく購入してしまう可能性について指摘された際は、自身のインデックス関連商品の購入経験に言及しながらも、法的な手続きや、購入時のプロセス等を改めることで改善が可能と指摘。

また、マクロ規模での問題となってくる規制アービトラージや価格アービトラージに関しても、大きな不正の温床になる可能性があるとの主張に対し、かつての金融工学の発展に伴って爆発的に規模を拡大した時期の金融市場黎明期を引き合いに、いずれ規制や、各国当局の協業を通じて環境改善がなされると述べました。

そのほか、一般消費者や個人投資家が仮想通貨の情報を求めて図書館に繰り出している点を指摘。

館内の司書や学芸員に仮想通貨についての教育を行うことでより一般大衆が情報にアクセスしやすくなるとともに、CFTCが現在検討している教育プログラムやサービスソリューションも個人投資家の役に立つと発言しました。

知識を増やすことで判断力やリスクを未然に回避する自己防衛につながるとしました。

テザーに関する発言はなし

テザーに関する言及はなく、今回の公聴会は予定されたICOやETFs、また規制に関してなどの題目に沿った形で行われた。

テザーとBitfinex社に召喚状を送ったとされるCFTCですが、今回の公聴会でのCFTC委員長の発言は、仮想通貨市場を正しい方向へと導く意志が強く感じられました。

完全に検証やデータ裏取りなどが終わっていない段階で議題に持ち上げて、憶測からさらに仮想通貨市場がかく乱されることを未然に防ぐための話題として出さなかった可能性もあると考えられます。

ETFsについて

また特に市場で注目を浴びるであろうポイントはSECがETFsについて、保管方法や各市場間で異なる同一商品の価格の決定プロセス、またそれにともなうボラティリティーの安定が見られるまでは認可しない、との見解を示した点でしょう。

ETFsは価格安定及びボラティリティーの低下に一定程度寄与するのではないかとの問いに対しCFTC Giancarlo氏 はETFsによるボラティリティーの抑え込みは可能とし、この公聴会が、ビットコインETFsの認可を助けるかもしれないと述べました。

ボラティリティーの有無がETFs認可の一判断材料になっているが、現状は高ボラティリティーを制御しきれなくても、CFTC議長の主張通りETF導入である程度、価格変動リスクを管理できるとSECが判断した場合は、先に述べられた条件の達成を待たずしてSECが認可を下す可能性も考えられるでしょう。

CoinPost App DL
注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
15:58
ビットコインのレイヤー2「BEVM」ローンチ
BEVMがメインネットをローンチ。暗号資産(仮想通貨)ビットコインをガス通貨として利用するEVM互換のレイヤー2ネットワーク。シリーズAで数十億円を調達し、分散型ビットコインクロスチェーンカストディサービスを実現。
15:00
NEARプロトコル、マルチチェーン再ステーキング「LiNEAR」始動へ 
NEARプロトコルがChain Signaturesを導入、暗号資産(仮想通貨)の相互運用性を強化。ビットコインやイーサリアムなど複数のブロックチェーンをサポートする。オムニチェーン再ステーキングLiNEARが始動。
14:15
「イーサリアムが有価証券でもETF化は可能」ブラックロックCEO
仮想通貨イーサリアムに関しては、米国においてその法的ステータスが定かではない。CFTCは商品(コモディティ)と見做している一方、SECはETHに関係するスイスのイーサリアム財団を調査していることが先週報じられた。
10:45
Parallel Studios、VanEckやソラナベンチャーズから53億円調達
パラレルはイーサリアムメインネットおよびBaseチェーン上で稼働するものだが、先日発表された、コロニーのローンチ先がソラナのブロックチェーンであることや、今回ソラナベンチャーズが出資したことから、今後クロスチェーンでの展開が考えられる。
10:15
イーサリアム「BLOB」にデジタルアートを記録する方法 Ethscriptionsが導入
イーサリアムのチェーン上にデジタルアートなどを記録するEthscriptionsは「BlobScriptions」を発表。ブロブにデータを記録する方法となる。
08:10
21Shares、欧州でTONの上場取引型金融商品を提供
今月初めテレグラムは仮想通貨TONを正式に統合し広告収入をチャンネル所有者と共有し、TONブロックチェーン上でToncoinを使って報酬を支払うようになった。この動きが投資家からの需要を押し上げたようだ。
07:30
ブラックロック「BUILD」、一週間で240億円超の資金流入を記録
ブロックチェーン上でトークン化された現実世界資産(RWA)の運用を提供するOndo Financeからの10億円以上新たな資金もありファンドの規模は拡大中。
06:50
スクエニやソラナ財団、Elixir Gamesに21億円出資
Elixir Gamesは、ゲームローンチャー「Elixir Games Launcher」で、さまざまなWeb3ゲームを遊べるPCアプリを提供。また、Web3ゲームがNFTなどのゲーム内資産のセールを代行するローンチパッドで、ミントなどの機能を提供する予定だ。
05:50
SECに有利か、裁判官がコインベースの棄却申し立て認めず
その一方、裁判官は、コインベースが顧客が仮想通貨ウォレットアプリを利用できるようにしたときに、無登録ブローカーとして運営していたというSECの主張を取り下げることを決定した。
03/27 水曜日
17:25
Slash Payment、独自トークンのエアドロップ対象条件を発表
暗号資産(仮想通貨)決済サービスSlash PaaymentのエコシステムトークンSVLについて、エアドロップの参加条件が明かされた。分散型決済エコシステムの利益が、ステーキング参加者に還元。スナップショットまでに割り当てを増やすことも可能だ。
17:00
ビットコインなど仮想通貨投資の始め方|初心者が注意すべきリスクとおすすめ戦略
ビットコインなど暗号資産(仮想通貨)投資の初心者向けスタートガイドを解説。基本戦略や知識、特に注意すべきリスクやセキュリティ対策を紹介し、「何歳から始められる?」のか、取引所ごとの年齢制限一覧も提供。
16:04
KDDIのNFT市場「αU market」、アニモカブランズとの連携開始
KDDIが展開する「αU market」で、『PHANTOM GALAXIES』の限定版NFT販売を開始。アニモカブランズが支援するブロックチェーンゲームとの連携施策の第一弾。暗号資産(仮想通貨)ウォレット「αU wallet」を接続して購入できる。
14:23
21Shares「半減期前のビットコインは、過去の歴史とは異なるダイナミクスを経験している」
スイスを拠点にする資産運用企業21Sharesは、仮想通貨ビットコインの半減期が市場に及ぼす影響について分析したレポートを発表。ビットコインは現在、過去3回の半減期とは、「異なる市場ダイナミクスを経験している」と指摘した。
12:23
ビットコイン7万ドル台で堅調推移、コインベース・プレミアムは強気から中立に
暗号資産(仮想通貨)市場では、半減期前のビットコインは過去最高値に迫る7万ドル台まで反発して堅調推移を辿る。米国の機関投資家動向を示すコインベース・プレミアムは強気から中立に転じた。
11:35
英財務省、現実資産(RWA)トークン化について将来性探る
英国の財務省は、現実資産(RWA)トークン化の2つの使用事例に関するレポートを発表。デジタル証券やトークン化MMFの可能性を探っている。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
イベント情報
一覧
2024/03/28 15:00 ~ 18:00
東京 東京日本橋タワーB2階
2024/04/06 ~ 2024/04/09
香港 香港コンベンション・アンド・エキシビション・センター3FG
2024/04/09 14:00 ~ 16:00
その他 オンライン
2024/04/13 ~ 2024/04/14
東京 東京都港区
重要指標
一覧
新着指標
一覧