米国の新団体、自主規制組織を目指す
シカゴを本拠地とする、フィンテックのスタートアップFinTankが、米国で自主規制組織(SRO)の立ち上げを目指していることが分かった。
仮想通貨の世界では、米国の規制が注目されていることも多く、こうした取り組みは改めて世界中の仮想通貨業界にも影響を与える可能性がある。
同団体を率いるDavid Carman氏は仮想通貨を巡る現在の規制について2つの主要な問題があると指摘する。
- 海外のスポット取引に関しての規制が十分に整備されていないこと
- トークンの発行に関して混乱と明確性の欠如が見られること
その上で、自主規制団体をシカゴ地域に限定されるプロジェクトではなく、米国レベルの試みとして拡大していきたいと意気込みを語った。
私たちは説明責任、透明性、高潔さを持って行動し、最高の専門的基準とベストプラクティスを開発し、普及させる。
規制に関する認識、教育、トレーニング、その他のリソースを提供して人的および技術的能力を構築。イノベーションを促進し、消費者、仮想通貨の関係者、そして世界の広範な公共の利益を保護する規制環境を推奨する。
2019年3月にシカゴで仮想通貨業界の関係者を多数集めた会議が今回のプロジェクトの発端にある。
同会議では、シカゴを仮想通貨取引のハブにする計画について議論、6ヶ月の委員会会議を経た後に、SROの立ち上げに向けて全力を注ぐ必要があることが決定したという。同団体は現在、125人以上のボランティアを募集。FinTankは引き続きこの運動に深く関わっているものの、団体名は別の名前で運営される予定であるという。
明確なガイドラインが求められる
Carman氏は、SRO関連で、今年の初めにもSECのHester Peirce氏とプライベートミーティングを実施したという。Hester Peirce氏は米国証券取引委員会(SEC)のコミッショナーで、仮想通貨擁護派であることから「クリプトママ」の愛称で呼ばれている。
Peirce氏は最近、SECが仮想通貨ETF申請に対して通常よりも高いハードルを設けてきたことを指摘、イノベーションを妨げるものとして批判している。
過去3年間で、米国証券取引委員会(SEC)および商品先物取引委員会(CFTC)が主導する取り締まりは強化されたが、連邦レベルで明確なガイドラインがまだ存在していない。
規制の明確性がなければ、明確なルールとガイドラインが固まるまで仮想通貨の発展が遅れることも予想される。今回の試みはそうした状況を改善するものとして注目される。