はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用 WebX
CoinPostで今最も読まれています

MakerDAO、財団からコミュニティへの長期的なガバナンスの移管案を発表

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

MakerDAO、自立して持続可能なDAOのフレームワークの概要を公開

DeFiプロジェクトMaker DAOのメイカー財団は、今後2年間においてガバナンス(主導権)をコミュニティに渡すフレームワーク案を明かした。

3月に起きたイーサリアム(ETH)急落に伴う損失事案なども発表に至った原因とみられる。

財団は数年後に解散(消滅)することを目途に、自律的な持続が可能なDAOに向けて動きを加速する方向性を示した。新しいフレームワークでは、有償で働く貢献者とドメインチーム、メイカー改善案、選出される代表者などを特徴とする。

MakerDAOでは、利用者がイーサリアム(ETH)やERC-20トークンを担保にして契約を結び、独自仮想通貨Daiを借り入れることができる。1Daiの価値は1米ドルと等しくなる仕組みとなっている。

3日の会議で、MakerDaoの創設者ルーン・クリステンセン氏は、自立したDAOのために財団が想定しているフレームワークの概要を説明した。

テンセンクリス氏によれば、MakerDAOにとって現在の財団への依存は長期的には持続可能なものではない

3月12日にはイーサリアム価格の下落と関連して、約530万DAIの損失が発生。このトラブルも踏まえて、クリステンセン氏は、財団は解散に向けた動きを加速し、財団の持つリスクマネジメント能力をコミュニティに移転し始める必要があると述べた。

次の月曜日には、コミュニティベースの新しいガバナンスの枠組みについて最初の草案を公開予定だ。

クリステンセン氏によると、メイカー財団が完全に解散するまでにはしばらく時間を要する見込みで、それまでに財団が蓄積してきたガバナンスの設計や知識の伝達を促進し、財団の解散がシステムのパフォーマンスに悪影響を及ぼさないようにする。

関連ビットコイン大暴落で数億ドルの「マージンコール」発生、大手仮想通貨ローン企業で

新たなガバナンスの構造とは

新しいガバナンスシステムでは、システム貢献者(EPC)とEPCから成るドメインチームが選出される。例えばリスクマネジメントのチームは特定の分野で権限を持ち、コミュニティの提案に対しリスク評価などを行う。また、その作業に対しては報酬が支払われる。

彼らはエコシステムのいわば「公務員」として、セキュリティの維持からプロトコルの長期的な開発に至るまで専門的な技能を提供するという。

クリステンセン氏によると、リスク管理が最も重要な仕事であるが、マーケティング、人事、法的調査など、EPCに委任された幅広い仕事があり得る。EPCの構造や役割は、コミュニティ内の提案で追って正式に決定される予定だ。

ほかに、EPCとは別にMakerDAOのネイティブトークンであるMKR保有者の投票によって選ばれる代表も存在し、これらはいわば政治家としてガバナンスが正常に行われる状態を保つ役割を担う。

また、メイカー財団は、システムガバナンスの枠組み(フレームワーク)を修正する正式なプロセスとして、Maker改善案(MIP)の使用を提案。このMIPが、全体的なガバナンス設計からエンジニアリングまで、システムの日常的な運用を決定することになる。

クリステンセン氏は、イーサリアム改善案(EIP)など他の仮想通貨改善案とMIPの違いとしては、組織あるいはそのガバナンスに焦点を当てることにあると説明する。例えばEIPは案その多くが技術的な実装が中心となるが、MIPの主な目的はガバナンスプロセスを標準化することだ。

現在他の仮想通貨コミュニティで見られるような、コミュニティ内で影響力などを巡って争いが起きるいわゆる”政治ゲーム化”は不可避だが、こういった事態にも耐えられるシステムの必要性をクリステンセン氏は訴える。

参考:blog.makerdao

CoinPostの注目記事

仮想通貨ETHのASIC対策「ProgPoW」に反対声明 イーサリアムコミュニティが署名付き文書を公開
仮想通貨イーサリアムコミュニティのメンバーは、ASIC耐性を備えたアルゴリズムへの移行案「ProgPoW」の実装に対し、ステークホルダーによる異議を表明する署名文書を公開。コミュニティの分断を懸念する声も上がっている。
分散型金融MakerDAO、仮想通貨ステーブルコインを新たな担保金で採用
ステーブルコインDaiを発行するDeFiプロジェクトMakerDAOのコミュニティは、規制される米ドルステーブルコインUSDCを担保金として利用できる提案が実施され、投票で可決したことがわかった。
CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
08/21 木曜日
17:48
シンプレクス、ステーブルコイン参入を支援へ アバランチ実証実験を受け
シンプレクスが金融機関のステーブルコイン事業参入支援を本格化。Ava Labsとの実証実験でアバランチ基盤の高性能インフラを実証し、参入障壁の解消を目指す。
17:23
カニエ・ウェスト、仮想通貨YZY発表
カニエ・ウェスト(Ye)が暗号資産(仮想通貨)「YZY」をソラナ上で発行し、発表直後にバイナンスに上場。YZY Moneyエコシステムの中核トークンとして決済サービス「Ye Pay」やYZYカードを展開予定。
16:39
メルカリとソニー、NFT・デジタルコンテンツ普及で基本合意 Soneium活用へ
メルカリとソニーグループがNFT・デジタルコンテンツ普及で基本合意。ソニー独自ブロックチェーン「Soneium」を活用し、メルカリの月間2300万人ユーザー基盤でWeb3技術の大衆化を目指す。アイドル関連NFT販売を皮切りに新エコシステム構築へ。
14:00
米上院議員、仮想通貨市場明確化法案の年内成立を目指す
シンシア・ルミス米上院議員は、仮想通貨規制の明確化を図るクラリティ法案の年内成立を目指すと発表した。先月発表された上院の独自案ではなく、超党派の支持を得た下院案を基本法案とする方針に切り替え、11月末にはトランプ大統領への提出を見込んでいる。
13:40
ゴールドマンサックスとベッセント財務長官、ステーブルコイン急成長を予測
米財務長官とゴールドマンサックスがステーブルコイン市場の急拡大を予測。規制整備により数兆ドル規模の成長期待が高まる中、JPモルガンは慎重姿勢を示す。
12:50
「ビットコインは2030年までに100万ドルへ」コインベースCEOが強気予想
コインベースCEOが2030年のビットコイン価格を100万ドルと予想した。機関投資家流入など強気シナリオの要因を挙げている。仮想通貨の今後のユースケースについても話した。
12:00
「多様なイノベーション促進へ」金融庁・今泉参事官が語る、暗号資産規制やETFの展望
金融庁の今泉宣親・暗号資産ブロックチェーンイノベーション参事官が語る、ビットコインETF、制度改革、ステーブルコインの展望。利用者保護とイノベーション両立への取り組みを詳述。
12:00
ビットバンク廣末社長が語る、ビットコインとの出会いと今後の展望|WebXスポンサーインタビュー
大規模カンファレンス「WebX 2025」のタイトルスポンサーとしてブース出展を決めた、ビットバンク廣末紀之社長独占インタビュー。オリコン顧客満足度2年連続1位の暗号資産取引所が語るWeb3時代の資産形成戦略とWebX2025への展望を聞く。
11:30
明日にジャクソンホール会議パウエル講演控える中、仮想通貨相場反発
ビットコインが前日比1.17%上昇する中、機関投資家によるイーサリアム大量購入が継続。Bitmine Immersionが52,475ETH追加で総保有額66億ドル近くに。一方、個人投資家のアクティブアドレス数は8月に28%減少し、ビットコイン・イーサリアム現物ETFからも大幅流出。ジャクソンホール会合でのパウエル議長発言が今後の相場を左右する見通し。
10:50
アーサー・ヘイズ、幹細胞事業に投資
ビットメックスの創設者で元CEOのアーサー・ヘイズ氏が幹細胞クリニック事業に大規模投資し取締役就任。先週売却した仮想通貨を1050万ドルで買い戻し、「利益確定はもうしない」と方針転換。
10:05
イーサリアム財団、セキュリティ強化の行動指針発表
イーサリアム財団は、Trillion Dollar Securityのプロジェクトについて行動指針を発表。仮想通貨イーサリアムの広範な調査を経て、まずはユーザー体験の安全性を強化する。
09:40
米ブロックチェーン協会ら、ステーブルコイン利回りに関する「ジーニアス」改正案に反対
米ブロックチェーン協会らが、銀行協会提案のステーブルコイン利回り規制強化に反対している。「ジーニアス」法案の改正案にいくつかの論点から異議を唱えた。
08:35
米ナスダック、BNB保有企業WINTの上場廃止決定 株価75%超暴落
米ナスダックがBNB投資企業ウィンドツリー・セラピューティクス(WINT)の上場廃止を決定。株価が最低価格1ドルを下回り、今年99%以上下落。
08:00
RWAトークン取引所「DigiFT」、計37億円の資金を調達
RWAトークンの取引所DigiFTは、現在までで合計約37億円の資金を調達したことを発表。直近の資金調達ラウンドはSBIホールディングスが主導している。
07:45
トークン化株式「xStocks」、トロンのブロックチェーンに拡大へ
クラーケンとBackedは、TRON DAOとの協業を発表。株やETFをトークン化して取引できるようにするサービスのxStocksを、仮想通貨トロンのブロックチェーンに対応させる。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧