Compoundがコミュニティガバナンスへ移行
イーサリアム上で構築されたレンディングプラットフォームCompound(コンパウンド)が、分散型ガバナンストークンを発行、プロトコルの管理をコミュニティガバナンスへと置き換えることを発表した。
Compoundは、仮想通貨マーケットとして機能する分散型オープンソース・プロトコルで、仮想通貨の利息収入やローン組成などを可能にする。
コミュニティガバナンスが実施されると、サポートされる資産やシステムパラメータなどレンディング・プロトコルの決定は、COMPトークンの所有者によって管理されることになる。
CompoundのガバナンストークンCOMPは、イーサリアムブロックチェーンで稼働されるERC20トークンで、その所有者が、選択した任意のアドレスに投票権を付与することができるようにする。COMPの1%が自分のアドレスに付与されている者なら誰でも、ガバナンスアクションを提案可能だ。
このガバナンストークンは、資金調達の手段や投資機会ではなく、特にコミュニティガバナンスを強化するために発行されたもの。Compoundの参加者は、プロトコルをアップグレードする能力を共有し、時間をかけて分散化を進めていくことを目標としている。
コインベースカストディも分散化をサポート
このガバナンストークンのローンチに当たっては、仮想通貨カストディ企業コインベースカストディも手厚い協力をしている。コインベースは、そのベンチャー部門を通して、Compoundに出資を行なっている。
コインベースカストディの既存Webアプリ上で、ユーザーがCompoundのガバナンス提案を閲覧して投票したり、ガバナンスの権利を第三者に委任することができるようになる。
また、アプリユーザーは、Compoundの保有残高(cETH、cZRX、cUSDC、cBAT、cDAIなど)の預け入れや引き出しを行うことも可能となる。
ちなみにコインベースの取引プラットフォームで、COMPトークンを取り扱うことはない。
現時点でCOMPトークン取引所上場の予定はない
CompoundのCEO、Robert Leshner氏によると、ガバナンストークンの一部は4年間の権利としてCompoundのチームに割り当てられている。さらに詳細はまだ公表されていないものの、今後数か月以内に、これらのトークンをプロトコルのユーザーに配布することを計画しているという。
ガバナンスプロセスが、一気に完全に分散化されて予測不可能なものになることはないと同氏は述べる。
早い段階での参加者は、Compoundが成功することを願うインセンティブが最も強い人々になるためだ。Compoundトークンが仮想通貨取引所に上場して一般の人々の手に渡ることは、しばらくないとLeshner氏は説明した。