ビットコインの難易度調整が鍵
ビットコインネットワークの次回難易度が大幅な易化で調整される可能性が見えてきた。
現在の平均ハッシュレートから概算された予測難易度は、前回比でマイナス10%を超えた。cryptothis.comが提供する予測値では、−17%近くまで拡大余地が示唆されている。
これは、半減期後1回目の−6%の調整では、マイナーの収益性は改善されなかったことを意味する。9日後の6月5日前後を予定する次回の難易度調整まで、マイナーの収益性は厳しい状況が続く可能性がある。
−17%の調整となれば、ビットコインが大幅下落したことを受けハッシュレートに影響が出たコロナショック時の調整水準を超える。半減期後の影響を織り込んだ本格的な調整となる見込みだ。
また、次回難易度調整時期までおよそ9日間で影響が懸念されるのが、半減期後から続くマイニング業界の経済状況に伴うビットコイン市場への影響となる。
半減期を経て、1日に発行されるビットコインの数量は平均1800BTCから900BTCまで半減したが、円換算では、8.5億円相当の発行量がある。業界の専門家からも、市場への影響を危惧する見方が広がっている。
CoinDeskによると、Swissquoteのトーマス氏は、中国でマイナー収益が有利に運ぶ豊水期(雨季)の期間に差し掛かるも、運営費の拠出にビットコイン採掘で得た利益を当てる必要が出てきていると指摘。これが、市場の重しになり始めていると懸念している。
ハッシュレートと手数料
具体的な市場データとの比較チャートで見ると、ハッシュレートと手数料ともに、採掘状況の影響が出ている。
ハッシュレートと相場比較(Glassnode)
ビットコインの手数料と相場比較(Glassnode)
ビットコインハッシュレートは、年初来最低値を更新。一方の送金手数料は上昇を続けている状況にある。
マイニング業界の収益性の改善が本格的に行われる次回の難易度調整は、業界や市場における一つのターニングポイントとなる可能性がある。一方、それまでの期間で、更なるハッシュレートの低下が確認されれば、市場の警戒ポイントとなりそうだ。