はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習 WebX
CoinPostで今最も読まれています

国際決済銀行、新型コロナ危機を受けて中央銀行デジタル通貨(CBDC)を推奨

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

新型コロナ危機が促進するCBDC開発

国際決済銀行(BIS)が、COVID-19パンデミックの状況を受け、中央銀行発行デジタル通貨(CBDC)の開発研究を改めて推奨するレポートを発表した。

BISは中央銀行同士の決済をする組織で、世界60の国や地域の中央銀行から成り、金融システムの安定を目的として中央銀行の政策と国際協力を支援している。

COVID-19が決済に与えた影響

BISによると、新型コロナウイルス危機が決済に与えた影響には次のようなものがある。

  • 接触を恐れ、現金の使用を避ける消費者が増えたため、非接触型カードやデジタル決済の使用が促進された。
  • 2007年から2009年の金融危機など過去の不安定な時期と同様に、一部の国では緊急時に備えて人々が手元に現金を保有しておく量が増加している。
  • 都市封鎖や外出制限により、eコマース決済が急増。
  • 国境を越えた取引の減少。Visaカードによるトランザクションは、2020年3月において、前年同月比で19%も減少していた。移民が失業しているため、仕送りの送金も2020年には約20%減少すると推測される。

こうした状況で、パンデミックは、現在の決済手段の長所と短所を浮かび上がらせたという。

デジタル決済により多くの経済活動(食料品やその他日用品購入など)はオンラインで続行できた。しかし、インターネットの接続が行き届いていない層は支払いを行ったり資金を受け取ることが困難になった。

銀行口座を持たない個人に対して紙の小切手で政府から資金供給することも可能だが、処理に時間がかかり、銀行振込よりも、詐欺などのリスクが高くなる。

BISは以上の点を挙げて、新型コロナ危機により、低所得層など金融的に脆弱なグループに対してデジタル決済へのアクセスを拡大することや、より包括的で低コストの支払いサービスの必要性があると指摘する。

中央銀行が起こすイノベーション

中央銀行がイノベーションを起すこともできるとレポートは続ける。現在、デジタルイノベーションは、決済サービスを抜本的に改革しており、中央銀行がこの革新を受け入れることで、様々なシステム間の相互運用性や、公平な競争と革新を促進できる。

特に、中央銀行発行デジタル通貨(CBDC)の導入により、民間の仲介業者間の公平な競争を促し、セキュリティとリスク管理に高い水準をもたらすことが可能だという。

世界中の中央銀行が行うCBDCについて、その研究や設計の取り組みを引き続き密接にサポートしていく、とBISは述べた。

CBDCの開発研究は加速中

今年1月にBISが発表した調査報告によると、調査対象となった中央銀行の内、80%がCBDCのプロジェクトに取り組んでいた。

全体の40%はリサーチから実験や概念実証に進んでおり、10%がパイロット的なプロジェクトが完成しているという。実際に開発やパイロット的なプロジェクトまで進んでいるのは新興市場の中央銀行だった。

まだ本格的な導入を検討している国は少ないものの、CBDCの開発研究速度は高まっていることが明らかになった。

今回、世界の中央銀行から成る国際組織であるBISが、公的レポートでCBDCに対する取り組みを推奨したことで、更に各国で本格的なCBDC開発研究に向けた動きが促されそうだ。

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
12/27 土曜日
14:00
ジーキャッシュのシールドプール供給シェアが23%で安定、プライバシー採用が定着
仮想通貨ジーキャッシュのシールドプール供給の市場シェアが2025年初頭の約8%から23%前後で安定している。プライバシー採用指標は依然として安定しておりプライバシー保護取引への持続的な関心を示している。
13:25
金融庁、仮想通貨ETFの導入に向けた税制改正──暗号資産取引の課税見直しと新たな可能性
金融庁が2026年度税制改正の資料を公開した。暗号資産取引を総合課税55%から申告分離課税20%へ変更することに加えて、ETF解禁や繰越控除などについても挙げられた。
11:10
KLab、ビットコインとゴールドを購入開始 「岐路に立つBTC」と分析
東証プライム上場のKLabが25日にビットコインとゴールドの購入を開始。AIを活用した市場分析レポートの不定期発刊も開始した。
10:05
ミームコイン市場は2025年に60%下落、「TRUMP」発行から始まった一年を振り返る
ミームコイン市場は2025年に60%下落した。トランプ氏による独自仮想通貨「TRUMP」発行や、ドージコインETF誕生など変化の激しかった一年を解説する。
09:10
イーサリアム、2026年の主要アップグレードで並列処理とプライバシー機能強化へ
仮想通貨イーサリアムが2026年に2つの大型アップグレードを計画している。Glamsterdamは並列処理とガスリミット拡大で性能向上を、Hegotaはプライバシー保護と検閲耐性の強化を目指す。
07:45
BNBチェーン、Fermiハードフォークを1月14日実施へ 
BNBチェーンが2026年1月14日にFermiハードフォークを実施する。ブロック間隔を750ミリ秒から450ミリ秒に短縮し、時間依存型アプリケーションへの対応を強化する予定だ。
07:00
プーチン大統領「米政府はザポリージャ原発でのマイニングに関心」
プーチン大統領は、ウクライナにあるザポリージャ原子力発電所で仮想通貨のマイニングを行うことに米政府が関心を持っていると述べたことがわかった。今後の和平交渉に注目が集まる。
06:35
米政府、1月末に再び閉鎖の可能性浮上 仮想通貨市場構造法案の審議に影響も
米政府が1月末に再び閉鎖される可能性が浮上した。再び発生すれば1月に審議入りが予定されている最重要な仮想通貨市場構造法案の議決がさらに延期されてしまう。
06:05
アーサー・ヘイズ氏がDeFiトークン買い増し、3億円以上のLDOとPENDLE
著名投資家アーサー・ヘイズ氏が185万ドルのLDOトークンと97.3万ドル相当PENDLEトークンを追加購入した。イーサリアムを売却して割安なDeFiトークンへの買い増しを加速。
05:50
バイナンス傘下トラストウォレットの10億円不正流出、CZ氏が全額補償を表明
バイナンス創設者のCZ氏が同社傘下のトラストウォレットのハッキング被害について10億円以上の全額補償を表明した。ブラウザ拡張機能の脆弱性が原因で、内部関係者の関与が疑われている。
12/26 金曜日
18:02
Aave、ブランド資産移管案を否決 DAOガバナンスの課題浮き彫りに
Aaveのブランド資産移管提案が26日のSnapshot投票で否決。反対55%、棄権41%、賛成わずか3.5%。CoW Swap手数料問題が発端となった所有権紛争は、DeFiガバナンスの構造的課題を浮き彫りに。
18:00
仮想通貨の税制改正大綱、押さえておくべき重要ポイントを専門家が徹底解説|Gtax寄稿
税制改正大綱で、暗号資産(仮想通貨)税制の大幅見直しが示されました。分離課税・3年間の繰越控除が導入される一方、対象となる「特定暗号資産」や取引形態には制限も。現物取引とデリバティブ取引の損益通算、ステーキング報酬の扱い、NFTの課税方式など、今後の制度設計を見据えて準備すべきことを公認会計士・税理士が詳しく解説します。
16:00
リトアニア、仮想通貨ライセンス義務化へ 申請低迷
リトアニア中央銀行が仮想通貨事業者にMiCAライセンス取得を義務化。2025年12月31日以降、無許可運営には罰金や最長4年の禁錮刑。370社以上が登録するも申請はわずか30社で全体の1割未満。同国はEU内でMiCAゲートウェイとしての地位確立を目指す。
15:05
仮想通貨投資への期待高まる、税制改正で約5割が投資拡大を検討=ビットバンク調査
ビットバンクが発表した2025年仮想通貨投資実態調査によると、2026年の市場期待として「税制改正」が34.3%で最多。税制が20%の申告分離課税に変更された場合、約5割が投資拡大意向を示した。知識不足が投資の障壁だが心理的ハードルは低下傾向。
14:01
ユニスワップ重大提案が圧倒的に可決 1億UNIバーンと手数料スイッチ起動へ
ユニスワップのUNIfication提案が賛成票1億2500万票超で可決。国庫から1億UNIをバーンし、プロトコル手数料を起動。取引量増加が供給減少に直結するデフレ型モデルへ転換。
通貨データ
グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧