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仮想通貨取引所を国の規制下に アイルランドでも

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

仮想通貨取引所やウォレットが政府の規制対象に

アイルランドで間もなく「マネーロンダリング・テロ資金調達修正法案2020」が承認される見込みだ。法務大臣はすでに内閣の支持を得たと発言している。

この法案は第5次EUマネーロンダリング指令の規定を有効にするもので、美術品ディーラーなどと共に、新たに仮想通貨事業を政府の管轄下に置くものとなる。仮想通貨取引所や仮想通貨ウォレットもその対象だ。

法案承認後は、アイルランド国内の仮想通貨事業者は法的順守対応を迫られることになる。

仮想通貨とは別に、新法案は銀行や金融機関が匿名の貸金庫を作るのを阻止するための規定や、法人の所有者の透明性を高めるための規定などもあり、ヘレン・マッケンティー司法大臣は「犯罪者はEUの開放された国境を悪用しようとしており、そのためにはEU全体の対策が不可欠である」と述べた。

欧州各国で進む第5次マネロン指令への対応

アイルランドはBrexit後、EU内で唯一の英語圏の国となる。

EUでは、今年1月に第5次マネーロンダリング指令(AMLD5)が発効された。

国際的な規制機関である金融活動作業部会(FATF)のガイドラインを受けて出されたもので、アンチマネーロンダリング規制の適用範囲を仮想通貨サービス業者に拡大する内容が盛り込まれている。

これを受け、EU各国では仮想通貨事業に関しても規制強化の取り組みが進んでおり、影響は様々だ。

オランダでは、財務省が仮想通貨事業に高額な監査費用を課す方針を示した。利益率に応じて監査料金が課される見込みで、約50社の仮想通貨事業について総額170万ユーロ(約2億円)が徴収されるとされている。こうした新たな規制から逃れるため、「Deribit」など、すでに国外へ移転した取引所もある。

ドイツでは、一部のビットコインATMが撤去され始めている。必要なライセンスなしで商業所有権取引に従事していたとしてポーランドの事業者KKT UGの子会社「Shitcoins Club」に取引停止を命令。その後も稼働を止めていなかったATMを当局が強制的な撤去を開始した。

関連:ドイツでビットコインATMの撤去事例、当局が規制強化

一方ドイツを含めマネロン規制が、仮想通貨市場に前向きな影響をもたらしている状況も報告されている。仮想通貨カストディや仮想通貨取引を構築できる体制がすでに整っている伝統的金融機関が、仮想通貨分野へ関心を示しているという。

この報告をしたのはドイツの大手証券取引所「Borse Stuttgart」で、実際に同社は仮想通貨関連事業に乗り出しており、子会社のBSDEXも仮想通貨取引所としてサービスを行っている。

関連:欧州新マネロン規制が仮想通貨業界に思わぬ好影響 伝統金融機関参入のきっかけに=独証券取引所幹部

伝統的金融機関の参入も拡大中

金融活動作業部会(FATF)のガイドラインもきっかけに各国で規制強化が進み、仮想通貨業界にとっては対応に時間的・経済的コストを支払わなければならない試練の時ともいえるが、同時に伝統的金融機関の仮想通貨業界への参入は拡大を促している。

米国では、米通貨監督庁が連邦公認銀行に対して、仮想通貨カストディサービスの提供を許可すると発表した。

対象となる銀行には、JPモルガンチェースや、ウェルズ・ファーゴ、バンク・オブ・アメリカなどの大手銀行が含まれており、機関投資家が仮想通貨サービスに参入できるきっかけとして注目されている。

銀行の権限や業務の許可範囲などについてはまだ不明確で、仮想通貨業界からの提案を募集、シルバーゲート銀行や仮想通貨投資信託大手グレースケールなどが意見を提出した。

関連:「銀行に幅広い仮想通貨サービスを」 業界企業、米通貨監督庁に柔軟な規制求める

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