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ケイマン諸島が仮想通貨企業への規制強化 FATF国際基準への準拠対応で

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

ケイマン諸島が仮想通貨企業への規制強化

ケイマン諸島が、国内の仮想資産サービスプロバイダー(VASP)に規制を追加するため関連法案を修正することが判明した。

仮想資産(サービスプロバイダー)法、金融当局法、証券投資事業法、投資信託法などの分野で改正を実施。規制は2段階で行われることになる。

第1段階は、10月31日に正式に施行開始され、マネーロンダリング防止(AML)と、テロ資金調達(CFT)のコンプライアンスや監督、法執行に焦点を当てる形だ。

現在ケイマン諸島で運営している仮想通貨サービスプロバイダーと、これから市場に参入する企業は、ケイマン諸島通貨局(CIMA)に登録する必要が生じる。

第2段階は、2021年6月から施行される予定で、ライセンス要件と同国内サービスプロバイダーの「慎重な監督」が規定されている。

FATFのトラベル・ルールに対応

こうした一連の規制は、カリブ海金融活動作業部会(CFATF)と、世界的な規制機関である金融活動作業部会(FATF)によって定められた基準に沿うものだ。

ケイマン諸島はAML / CFT手続きと共に、大量破壊兵器への資金提供を防止する取り組み(CPF)についても、これらの機関から監督されている。

当局によると、第1段階の規制は、国内のVASPがAML / CFT / CPFのグローバル標準へ準拠していることを実証できるものになるという。

CFATFは、ケイマン諸島を再評価し、11月の本会議で結果を報告する前に、第1段階の内容を考慮に入れる。

また、続いてFATFによるケイマン諸島の評価もその後行われ、2021年第1四半期の終わりまでに調査結果が発表される見込みだ。

その上でCFATFは、以前にケイマン諸島について指摘された「技術的側面におけるFATF基準への準拠上の懸念事項」への対処状況を査定。 FATFは、FATF勧告の実施程度を測定する。

カリブ海の自治英国海外領土ケイマン諸島は、租税回避地として有名だが、2020年2月には欧州連合(EU)のタックスヘイブン・ブラックリストに追加されており、EUは、ケイマン諸島は税の濫用を防ぐための「適切な措置」を実施していないと指摘していた。

今回の新たな規制枠組みについて政府は、新たにケイマン諸島に拠点を設立する企業や個人を引き寄せる力を強化するものだとしている。

規制強化をアピールすることで、法的遵守に問題があるというイメージを拭い、新たに仮想通貨関連企業を誘致することも目的の一つになっているようだ。

各地でFATF基準遵守のための団体立ち上げ

金融活動作業部会(FATF)の策定したトラベル・ルールに対応するため、世界各国の様々な政府や機関が対応を進めている。

トラベル・ルールとは、資金洗浄やテロ資金調達を防止する国際的な電信送金ルールで、VASPには取引の際、送金者と受取人の情報を収集・交換し、その情報の正確性を保証することが求められるものだ。

国際的な顧客身元確認(KYC)ルールが適用されることになる。

最近の対応事例では、米国で10月にVASP25社が、トラベル・ルールに対応するためのホワイトペーパーを発表、トラベル・ルールを順守する際のガバナンス、技術、セキュリティの課題を解決するための仕組みを提示したことがある。この仕組みを、将来的に世界中のVASP間で利用できるようにすることを目標とするという。

関連:FATFの国際送金ルール順守へ 米仮想通貨企業25社がホワイトペーパーを発表

また、パブリックブロックチェーンプロトコルを手がけるShyft Networkも、テザーやBitfinex、Huobi等と連携して、トラベル・ルール準拠のためのタスクフォースを立ち上げた。

関連:テザー社含む仮想通貨事業者、FATFの国際送金ルール対応で新業界団体に参加

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