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決済大手マスターカード、中銀デジタル通貨との共存共栄に自信

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

CBDC導入はチャンス

「決済業界のテクノロジー企業」を標榜するマスターカードのMichael Miebach社長は、先月末に行われた第3四半期の収支報告会で、中央銀行が発行するデジタル通貨(CBDC)の導入が進んだ場合、同社にとって有利となると語った。

より多くの中央銀行がCBDC発行に直接関与することになった場合、同社にとってどのようなチャンスや課題があるのかとの質問に答える中で、Miebach氏は、同社が築き上げてきた各国政府との信頼関係と暗号資産関連の特許が「価値をもたらす」と述べた。

CBDCを検討する中央銀行が増加

決済システムを近代化する選択肢の一つとして、多くの政府がCBDCに関心を示しているが、今年はコロナ禍の影響で、特にその傾向が加速しているとMiebach氏は指摘する。

政府の課題に対する最善の答えを見つけるため、同社は「世界中のあらゆる地域と数多くの政府」と対話をしており、政府へのコンサルティングでは長い実績があるとMiebach氏は述べ、CBDCの計画において多くの政府との間に強い信頼関係が築かれていると強調した。

もとより、マスターカードは、個人や法人への決済サービスだけでなく、政府や公共セクターへも決済ソリューションを提供していることで知られている。

暗号資産関連の特許

さらに、マスターカードは暗号資産に長年投資してきており、暗号資産関連の特許に関しては「決済業界のトッププレーヤー」であると、Miebach氏は主張する。そのため、CBDC分野では同社が「有利な立場にある」と強調した。

CBDCが導入された場合、消費者に大きな影響を与えるが、特に重要なのは、実際どのようにCBDCを使うかという点であり、「受け入れネットワークとのリンク」が非常に重要な意味を持つと説明。その上で、マスターカード社は、CBDCのトランザクションを同社のネットワークにリンクする分野で、いくつかの特許を取得しているとした。

この点については、先月末、同社CEOのAjay Banga氏も「マスターカードはCBDC分野で最も多くの特許を保有している」と述べている。

現にマスターカードは、今年9月に、CBDCのテストプラットフォームを発表。中央銀行がデジタル通貨の調査及び評価を行える、独自の仮想テスト環境を提供している。

このプラットフォームでは、中央銀行、商業銀行と消費者間でCBDCの発行、流通、取引のシミュレーションが可能で、さらに既存の決済システムとの相互有用性の査定も行えるという。

言い換えれば、マスターカードが築いてきた世界の巨大決済ネットワークを、CBDCの流通経路としても採用することができる仕組みが、このプラットフォームには組み込まれているようだ。

マスターカードの思惑

マスターカードは、中央銀行をはじめ、商業銀行やテック企業、コンサルタント企業等に、このテストプラットフォームへの参加を呼びかけている。また、すでにいくつかの中央銀行と協働しているとも伝えられている。

米金融メディアのForbesは、このようなマスターカードの動きを冷めた目で分析している。

マスターカードは、他のクレジットカード企業同様、トランザクションのための決済レールを提供する事業、つまり取引手数料から多くの収益をあげている。しかし、各国のCBDCが最終的にどのような発行形態(一般消費者対象VS商業銀行対象)をとることになるか、現時点では定まっていないが、マスターカードのような決済サービスが不要となる可能性も高い。

「このような混乱の見込みは、多くの銀行経営者やカード協会のCEOなど、決済システムの複雑な連携により、収益をあげている人々には心配なことだろう」と、Forbesは指摘した。

ブロックチェーン基盤の暗号資産は当事者同士の決済が可能であるため、マスターカードにとっても、どのようにCBDCの設計されるかが、今後の生き残りをかけた最大の関心事となるのもうなづける。

前出のBanga氏(マスターカードCEO)は、主要仮想通貨であるビットコインはそのボラティリティの高さから、金融包摂の手段としては不十分であり、CBDCこそが、その手段として、よりふさわしいと主張している。

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