今週の相場の動きは
ビットコイン価格は25日に200万円に到達するも、翌日26日に反落。一時16,200ドルを記録するなど、今年三月のコロナショックに次ぐ下げ幅となった。
各指標の騰落率一覧
11/20(金)終値時点の週間騰落率は、以下のようになった。
月初来騰落率
年初来騰落率
(今週の騰落率は、先週の終値、今週の終値を用いて計算。月初来、年初来についても前の月、年の終値で計算)
(仮想通貨の価格は取引所コインベースを参照)
11/21〜11/27のBTCチャート
bitbankアナリスト分析(寄稿:長谷川友哉)
今週(27日正午時点)のビットコイン(BTC)対円相場は、アルトターンがアルトドレインに転じ、25日に心理的節目の200万円にタッチした後、海外主要取引所へのBTC送金の急増による「鯨」の利食いが想起されたことや、米国での新たな暗号資産(仮想通貨)ウォレット規制の観測が弱材料となり、26日の相場はロングの投を伴い安値を広げる展開で、15.8万円安と今年3月のコロナショックに次ぐ今年2番目に大きい下げ幅(終値ベース)を記録した。
26日の急落で相場はついに「上昇バンドウォーク」を終え、テクニカル的に調整局面に入ったことが示唆される(第2図)。
ただ、この2ヶ月ほどの相場は、調整という調整をしないまま上値を追ってきただけあって、巻き戻しの力が相応に溜まっていたことで相場下落に拍車を掛け、相場は一日の間に下値目途のセンターラインをも一時割り込んだ末、終値では同水準を回復しており、一旦売りが出尽くした印象すらある。
そもそも、直近ではアルトコイン相場の急騰もあり市場全体で高揚感があったため、26日の急落で少しは冷静さを取り戻したと見ており、これまで安値で拾おうと待っていたマネーが相場を支えやすいと見ている。加えて、BTCを取り巻くファンダメンタルズは引き続き追い風だ。
25日には、米連邦公開市場委員会(FOMC)の11月会合の議事要旨が発表され、次回12月会合で、連邦準備理事会(FRB)が量的緩和策についてハト派なスタンスを堅持もしくは強化する可能性が示された。また、バイデン次期米大統領が、次期財務長官に元FRB議長のイエレン氏を指名する見通しが明らかになったことも一つ注目だ。
イエレン氏は仮想通貨懐疑派とも報じられており、また、リーマンショック後に初めて利上げに踏み切ったFRB議長でもあるが、「慎重派」という一面もあり、現在のパウエルFRB議長との組み合わせは、金融政策と財政政策の足並みが揃う切っ掛けになると期待される。
そうなると、ドルにはやはり長期的な下押し圧力が掛かりやすく、反対にBTCには相場上昇の原動力となろう。イエレン氏の財務長官就任は、確定したとしても少しさきの話だが、基本的にはBTCにプラスとみて良いだろう。
今週は久しぶりの相場急落でヒヤッとする場面もあったが、この先は底堅い展開を想定している。
関連:bitbank_markets公式サイト
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